2020年07月27日

高名の木登り





集中を必要とする仕事などで「はあ、あとちょっとになったぞ」と思ったりすると突然集中力が切れて、最後にミスをしてしまったとか、ありません?

私は予算管理などでよく失敗します(庶務さんいつもゴメンなさい)。




■高名の木登り


学校の古典の授業で、「徒然草」という随筆が題材になった勉強をした記憶がありませんか。
この文章です。

★高名の木登り―――――――――――――――――――
高名の木のぼりといひしをのこ、人を掟(おき)てて、高き木にのぼせて梢(こずゑ)を切らせしに、いと危(あやふ)く見えしほどはいふ事もなくて、降るる時に軒長(のきたけ)ばかりに成りて、「あやまちすな。心して降りよ」と言葉をかけ侍りしを、「かばかりになりては、飛び降りるとも降りなん。如何(いか)にかく言ふぞ」と申し侍りしかば、「その事に候(さうら)ふ。目くるめき、枝危きほどは、己(おのれ)が恐れ侍れば申さず。あやまちは、やすき所に成りて、必ず仕(つかまつ)る事に候ふ」といふ。
――――――――――――――――――――――――――★


ちょっとWebで調べた現代語訳を




★――――――――――――――――――――――――――
有名な木登りだといわれている男が、人を指図して高い木に登らせて梢を切らせたとき、とても危なく見える間は何も言わないで、降りてくるときに軒の高さくらいになったところで、「けがをするな。注意して降りろ」と言葉を書けたので、それを見ていた私が「これくらいの高さであれば、たとえ飛び降りたとしても降りられよう。どうしてそう言うのか」と申したところ、「そのことでございます。高くて目がくらみ、枝が折れそうで危ない間は、自分で恐れて用心しますから、注意しろとは申しません。けがは、安全な所になってから必ずするものでございます」と言う。
引用元:http://www.h3.dion.ne.jp/~urutora/ture2.htm
――――――――――――――――――――――――――★


まぁ要するに、難しいところでは注意するから失敗はしないが、最後になって難しくなくなると気が緩んで失敗するものだ、と。

まったく仰るとおり。

■「あと少しだ」→「もうひと踏ん張り」


どうも脳科学の世界でも同じような理屈があるみたいで、「あと少しだ」と声をかけられると脳への血流量が下がり集中力が切れるそうなので、集中力を保って脳をしっかり働かせるためには、「ゴールまでの距離を意識しない」のがいいそうです。

以下の本から引用:
 何歳になっても脳は進化する
 ttp://www.amazon.co.jp/gp/product/4837925243/ref=as_li_ss_il?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4837925243&linkCode=as2&tag=shori0763-22

★―――――――――――――――――――――――――― P34
私は以前、北島康介選手をはじめとする北京オリンピック競泳チームに脳科学の観点からアドバイスをした経験があります。
そのとき、選手たちに話したことのひとつは、「ゴールをゴールと思わず、最後の10メートルに入ったら『ここからぶっちぎりで引き離すんだ、ここからが勝負だ』と考える」というものでした。
すると、競泳チームの選手たちはどんどん記録を更新できるようになり、北京オリンピックで大活躍を見せたのです。
「もう少しで終わりだ」と思うか、「ここからが勝負だ」と思うかによって、引き出される脳の力が大きく変わることが証明されたできごとだったと思います。
――――――――――――――――――――――――――★


じゃぁ仕事の時にはどんなことを考えればいいかというと、私は

 「あとひと踏ん張り
 「あと10分でやり終えよう

などとかんがえるようにしてます。

■参考文献



 ◆アマゾン
 
 何歳になっても脳は進化する!: 冴える、わかる、はかどる! (単行本)

 ◆楽天
 
何歳になっても脳は進化する!

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著者:林成之
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