私はメモをとるのが結構苦手でした。
アタマには色々なことを思いつくのですが、それを素早く「書き出す」という行為が難しかったです。
■メモをとるのが習慣にない人
以前の私と同じように、考えたことや人の言っていることをその場でキーワードを書き出したり、簡単にかつリアルタイムに図にしていくというのは結構トレーニングが要ります。
頭のなかで考えたことというのは多くの場合、「イメージ」でしかないので、それを適切な言葉にしてやらないといけないわけです。このプロセスについてあまりスキルを解説した書籍は見当たりません。特にメモをとる習慣のない人は、これが見るも無残に下手です。
よく分かるのは板書してもらう時。
ホワイトボードの前に立って、しばらく考えこんで、それから全く無言で書いて、書き終わってから説明を始める。説明を始めると書き漏らしを自分で見つけてしまって、さらに無言で書き始めて、それから元の話に戻ろうとすると、もともと何を話そうとしていたのかを忘れてしまって脱線する、なんてことも。
■強制メモトレーニング
でもリアルタイムにメモするのがすごくうまい人がいます。
「自分もそうなりたいなぁ」と思って始めたのが強制メモトレーニング。
簡単にいえば、
頭のなかに浮かんだものをどんどんメモしていく時間を作る
というものですが、単にこれをやると苦痛でしかないです。
最初のうちはほとんど拷問。
※そういえばGTDの「気になることリスト」を作る時間も意外と厳しい時間ですね。
※「頭のなかを全部出せ」ですので。
そこで、「ご褒美」をつけることにしました。
喫茶店に行って好きな飲物を飲む時間を作ります。
ただしその時にメモ以外の何も持って行ってはいけません。ケイタイ・スマホも禁止(あ、でもお金は持って行ってね)。当然一人で。
喫茶店はなるべく静かな喫茶店がいいです。音楽も静かなクラッシック系がかかっているところ。
POPSとかだとつい聞いてしまうので、知らない癒し系ミュージックが適切。
で、コーヒーが出てきたらそれを左側に置き、右側にはメモを広げます。
この時メモ帳ではなくA4の紙を半分に切ったような紙を束(たば)で置きます。ペンはボールペン1本だけ。
で、「よーいドン」で書き始めます。とにかく思いつくことを何でもOK。
ただし、これだと手がかりがないので、私は今週の出来事を思い出すようにしてます。
月曜日から今日(今は日曜日の夕方と仮定)まで、時間順にはかかわりなくとにかくあらゆることを思い出します。
文字の大きさは自由ですし、マルを書こうが線で結ぼうが自由。
ページも適当にグループ化してどんどん変えていきます。
ですので、紙はたくさんあったほうがいいです。
ひたすら書きます
コーヒーがなくなって帰りたくなるまで。
おかわり自由。
ただし、なるべく一つのことに集中せずに、どんどん違うものを思い浮かべるようにしたほうがいっぱいメモが書けていいです。考え込まないように。
ペンの動きを止めないことを再優先にしてください。
■意識して時間を作る
こういう時間は、今になってみるとすごくいい経験になりました。
頭のなかを書き出すことができるようになったおかげで、頭のなかに浮かんだイメージを言葉にしたり、言葉をイメージとして捉えることができるようになった気がします(あくまでも「気がする」だけです)。
GTDで「気になっていることをすべて出す」みたいなのもそれほど苦痛ではなくなりました。
さらに、メモする習慣が付きました。
とにかくその場で相手の言っていることをキーワードでパッとメモしたり、図を書きながら話をすることができるようになりました。
例えて言えば、初めて車を運転した時には、「ウインカーを出して、ブレーキを離して…」とひとつづつ手順を考えないといけなかったので、同乗者と話をするどころではなかったのですが、与太話をしていると気がついたら発進している、という感じになった、というところですかね。
何事も、トレーニングと習慣化かな。