2021年10月18日

面接:コンピテンシーをアピールする





中途採用はもちろん、昇進・昇格面接においても、最も重要視されるのは「コンピテンシー」というやつです。

ご存じない方のために、以前に書いたコンピテンシーの説明。




★――――――――――――――――――――――――――
 ある職務や状況において、期待される業績を安定的・継続的に達 成している人材に、一貫して見られる行動・態度・思考・判断・選択などにおける傾向や特性のこと。測定や定義が困難な気質や性格ではなく、インタビューや観察などで確認できる能力であり、その職務において優秀な成績を挙げる要因となる特性を列挙したものである。通常は、その職務で必要となる知識や技能は除外して考える。
――――――――――――――――――――――――――★


きちんと説明したWebページを見付けたのでご紹介します(勝手にリンクしているだけですので)。

 http://www.jexs.co.jp/column024.html

■コンピテンシーの構成要素


コンピテンシーは一般に以下の構成要素からなっていると言われています。

 1.スキル
 2.知識
 3.集団での役割
 4.意識付け
 5.思考特性
 6.動機の持ち方

継続的に優れた成果を出し続けるためには当然スキルや知識が必要なのですが、それだけでは不足で、3以下の要素も必要です。




■集団での役割


会社で自分がどのような役割を担っているかを明確に認識していることです。

よく就職面接などで、「サークルの部長をしてました」「プロジェクトのリーダをしてました」がアピールになっていると勘違いしている人がいますが、(少なくとも私の会社では)面接時にはまったく考慮しません。どのような役割を担っていると認識しているかが重要であって、別にリーダーでなくとも無問題。
逆に「リーダー」をアピールしようとする人の傾向として、役割を誤解している人がすくなからず…。

これは面接の時には、

 「その組織(やプロジェクト)の中であなたの役割(ポジション)はどういうものでしたか?」

という質問としてあなた(面接を受ける人)に出されます。

ですので、この役割をどう定義するかがすごく重要です。
たとえば、靴屋さんが、自分を「靴を売ること」と定義するか、「お客様に快適な歩行を提供すること」と定義するか、「お客様の足を守ること」と定義するかによって行動は変わってきますよね。

以前にも書きましたが、

 どう定義するか
     ↓
 どう行動するか

が一貫してないとバツです。
※ただし、「定義」自体には正解・不正解はありません。
※もちろん、やたら狭すぎる定義「営業職なので売り込みをすること」はちょっと…、ですが。

◆中略


他のところも説明していると長くなっちゃうので省略します… m(_"_)m
詳しくは、「コンピテンシー 要素」などでググってみて。

■アピールする


要は「私はこの6つが高いですよ」と言えれば、合格ラインを超えます。

どうしたらそれが言えるかというのは、「集団での役割」のところで書いたように、「どのように定義してどのように行動したか」が最重要です。

4,5,6は意識・思考の問題なので、「行動している人は常に高い」と受け取られることが多いです。要は

 積極性

があればいいだけのことです。

ただし、「積極的にやりました」では説明になってません。
積極的にやったというのは、面接官が評価することで、面接を受ける人が言うことではないからです。
面接を受ける人は、「どのように積極的だったのか」を具体的に行動で説明する必要があるわけ。

例えば、生産設備設計者の中途面接で

★――――――――――――――――――――――――――
生産設備の検査装置において、××部品の真直度を極めて高精度に測定する必要があった。この制約条件として装置サイズに制限があり、従来の測定方法は使えなかったため、関連特許を調査し、そこの参考文献として書かれている学会資料の著者○○氏にコンタクトを取り、その実用事例としての共同研究と公表を条件に共同研究をして要求サイズ・要求性能を実現した。
――――――――――――――――――――――――――★


のように言えば(面接時にはもっと詳細にいう必要があるでしょうけど)、私なら100%合格にします。
6つの要素がほとんど組み込まれてますね(長くなるので解説はしません)。

お分かりのように「この人」はその設備開発プロジェクトののリーダーですらなく、イチ設計者として参加しているにすぎません。リーダーであることが重要ではなく、自分の役割を期待以上に実現できる思考と行動がありさえすれば、合格評価になります。

さらに追記するなら、私ならここまで言える人にはその成果自体は考慮しなくても問題無いと考えます。その時の環境によって、成果にならなかったりする場合もありますが、それは「時の運」的なところがあるので。
大事なのは「成果を出す思考プロセスと行動力」を持っているか否かです。当然ながら、確率的にはちゃんとした成果をだす確率が非常に高いのですが。

もちろん、面接時の期待される基準というのはあります。

35歳を過ぎていたら管理職候補として考慮されるでしょう。つまり、その時には上記のようなものではなく、「人を管理する役割」がこなせることをアピールしないと合格できませんが。
要は、求人要求と応募した人のマッチングということは考慮しないと、アピールしても空振りに終わる場合もあるよということです。




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posted by 管理人 at 04:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 面接技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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