2019年06月10日

面接技術:コスト意識





「あなたが前職で担当していたプロジェクトのコスト効果を教えて下さい」

中途採用の面接官として面接をした時に、よくする質問のひとつです。

同じことは期首目標面談などでも聞くことはあります。文言は違いますが。

部下:××を来年をやりたいと思います
私 :それのコスト効果ってどうなの?
部下:………

仕事に前向きなのは評価しますが、大学の研究じゃぁないんだから考えようよ…。




■コスト効果を計算する


その人の仕事をするスタンスとして、営利企業に務める以上、絶対に必要なのが

 やることに対してどのような見返りがあるのか

という視点です。見返りとは「利益」のことです。

利益とは

 売上 − 費用(コスト)

です。単純なものです。この2つが計算(見積もり)できれば後は引き算をするだけ。

営業でもない限りひとつの仕事(作業)にいちいち金額換算はできないものも少なくありませんが、それがどのような効果があって、その効果が仕事をするというコストに対して十分なものであるかどうかの判断は必要です。

たとえば、製造技術である自動機を作ったとします。必要なコストは

 工数 = 3000万円(30人月)
 設備 = 2000万円

とした時に、それによるコストダウン額が製品1台あたり100円だとすれば、その製品を50万台作らなければコストが合いません。50万台作るまでには10年かかるとすれば、その費用を回収するまでにさらに修理費用や新モデルへの対応などの更なるコストを積み上げなければいけません。そもそも10年も使えるのかという疑問も残ります。

「いいものを作ればいい」「自動化すればいい」というわけではないんです。




■新卒面接


昨年、新卒者の会社案内と座談会ということをやりました(というか人事部にやらされた…)。

学生たちにとっては売り込みの場ですので、「自分がどんな研究をしたか」とか「どんなことがやりたいか」をアピールしてくれます。もちろん、会社でやるべき事なども質問がありましたが、ひとりとしてお金の話をした人はいませんでした(もちろん、対応したのは技術系だったのもあるでしょうけど)。

学生にしてみれば、

 お金の話は経営者が考えること

みたいにイメージしているとは思いますが、まったく違います。
末端のひとりひとりが意識していないと会社というのはうまく回らないんです。

なので、「ちょっと意地悪だなぁ」とは思いましたが、「君のやっていた研究はどのくらいのコスト効果が見込めるの?」と聞いてしまいました。
いや、やっぱり、大人気なかったかと反省してます…。

でも、面接の時には聞きますよ。はっきり。

特に社会人である中途採用や上司との目標・評価面談なら、上の例で書いた投資回収期間くらい即答してもらわないと。

新卒面接だったらで、きちんと答えられるだけで相当ポイントは高くなるでしょう。



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posted by 管理人 at 04:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 面接技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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