本日はビジネス書のご紹介。
有名な本なのですでに読んだ方も多いのではないでしょうか。
本書は「ちょっとモチベーションが下がっている」と感じた時に目次を眺めて、気になる所読んでみたりしてます。
そうすると「うん、そうだよな」と思ってちょっとだけやる気が復活してきます。
つまり、1回だけ読んで「ふ〜ん。ちょっとお勉強になった」と満足に浸るような種類のビジネス書ではなく、時々読み返してみて、「今自分がぶつかっている問題はこういうことなんだ」とちょっと視界を開いて「また頑張ろう」と気分を一新するための本です。これはぜひ買って手元にいつでも取り出せるようにおいておきたい本ですね。
ただし、これは私の個人的な感想ですので、いちど本屋さんでパラパラめくって見るなり、図書館で借りて見るなりしてからご判断ください。
長文ですので5回に分けてお送りしています。
さらに要約を3回(本記事を始めて最大の長文要約です…)
本日は要約その2をお送りします。
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■第3章 疲れていると抵抗できない
気がかりな研究結果
自己コントロールの科学によって明かされたもの
それは、意志力を使っているうちに「使い果たしてしまう」ということ
現代生活は自制心を要することばかり
つまり、意志力など簡単に使い果たしてしまう
自制心が最も強いのは朝で、その後は時間の経過とともに衰えてしまう
◆自制心は筋肉のように鍛えられる
フロリダ州立大学の心理学者ロイ・バウマイスターがたどりついた興味深い仮説
=自制心は筋肉に似ている
◆筋肉は使えば疲労する
筋肉を休めなければ、体を極限まで酷使したアスリートのように体力使い果たす
実験によって「意志力は限られた資源である」という考えが支持されてきている。したがって意志力は使うたびに減っていくので、自制心を発揮し続けていれば、いずれコントロールが利かなくなる恐れがある。
自分の意志力の変化を観察する。自分のパターンを知ることで、スケジュールをうまく立てられるようになる。
意志力が弱くなるタイミングをつかんでおけば、誘惑に負けそうになるのを未然に防げる。
◆自己コントロールを回復させるもの
脳には自己コントロール筋の様なものがある
意志力を使うたび、脳の自己コントロールのシステムの活動は鈍くなっていく。心理学者マシュー・ゲイリオットは脳が疲弊するのはエネルギーの問題ではないかと考えた。血糖値が低いと意志力に問題が生じることがわかった
では、自己コントロールを行うために、必要なエネルギーの補給はどれくらいなのか?
ペンシルバニア大学の心理学者ロバート・カーズバンによると、必要なエネルギーは1分につき、ブレスミント<チックタック>の一粒の半分にも満たないという
◆脳はエネルギーをお金のように使う
脳にはつねにほんの少ししかエネルギーは蓄えられていない
大部分は血液の中に入って体中をめぐっているグルコースに頼っている
脳は利用可能なエネルギーの有無を監視している。エネルギー量が減ると、エネルギーの使用を差し止め、すべて溜め込もうとする。
最初に削減されるのが、自己コントロール。
研究によれば、現代人も空腹のときは危険を冒す傾向がある。
◆意志力筋を鍛える
普段は特にコントロールしないようなささいなことをコントロールしてもらうようにする。
継続的に行うことで、意志力が全般的に強くなる結果が出ている
1.やらない力を強化する
汚い言葉を使わない、ドアを開けるときに効き手を使わない など
2.やる力を強化する
5分間の瞑想を行う など
3.自己監視を強化する
普段は注意を払っていないようなことについて、きちんと記録をつけてみる
◆限界を感じるのは脳にダマされている
意志力の限界は越えられる。実際には余力があるのに、意志力の限界を感じる。脳はエネルギー消費量の多い前頭前皮質の活動にブレーキをかける。
「望む力」が限界を引き延ばす
=意志力が弱まっていると感じたら、自分の望む力を利用する
1.このチャレンジに成功したら、あなたにはどんないいことがあるか?
2.このチャレンジに成功したら、あなたのほかに誰の利益になるか?
3.このチャレンジは、今は大変に思えても、がんばって続けていればだんだん楽になっていくと想像してみよう
■第4章 罪のライセンス
わざと誘惑に負ける。目標に向かって前進したせいで、逆にモチベーションが下がることがあるのはなぜか。
楽観主義のせいで堂々とサボってしまうのはなぜか。
いいことをしたと思っているときほど悪いことをしてしまうのはなぜか。
自分自信をどうやって甘やかしているかを理解することで、目標への道から外れないようにする方法を発見できる
◆人は間違った衝動を信用する
心理学者のブノワ・モナンとデイル・ミラーによる研究
★
人はいったん意見を表明したら、その後もその意見に従って行動するものだと思い込んでいた。
誰だって自分のことを偽善者のように思いたくないに決まっている。だが、善悪の問題に関しては、たいていの人は道徳的に完全でありたいとなどとは思っていないが、少し良いことをすると、今度は自分の好きなように行動してもよいと思ってしまう。
何か良いことをすると、いい気分になり、自分の衝動を信用しがちになる。多くの場合、悪いことをやっても構わないと思ってしまう
◆モラル・ライジング
モラル・ライジングのせいで悪いことをしてしまいだけでない。良いことをするように求められたとき、責任逃れをしようとする。
寄付金の依頼を受けたとき、以前に気前よく寄付をしたことを思い出した人は、過去のそのような行いを思い出さなかった人に比べて、寄付した額が6割も低い。
◆意志力の問題とは善と悪の戦いに他ならない
モラル化するものは何であれ、モラル・ライジングの格好の餌食になる。
しようと考えただけで、した気になってしまう。ただよいことをした「気」になっただけで、自分は良い人間だと思ってしまう。
これは、モラル論法を研究する心理学者はよく知っていること。
また、モラル・ライジングの最も悪いところは、論理的に筋が通っていないことだけでなく、そのせいで自分にとって本当にためになることとは正反対のことをしてしまう。
自分に害を及ぼすような行為(ダイエットをやめたり、浪費したり、禁煙を破ったり)をご褒美だと思い込んでしまう。
シカゴ大学ビジネススクールのアイェレット・フィッシュバッハとイェール大学マネジメントスクールのラヴィ・ダールの理論。
人は目標に向かって前進すると、逆に目標から遠ざかるような行動をしたがる研究結果を示した
頑張って進歩したのは良いが、そのせいで気が緩み、相反する自己のせめぎあいが始まってしまう
つまり一歩前進して二歩下がる
◆やることリスト
やることリストも、作成したら、ものすごく達成感があって、今日の仕事はおしまいだと思うことはある。
あたかも目標に向かって前進したかのように満足してしまう。
自分が進歩したのは目標に向かって真摯に努力した証だと認識しなければならない。
「あなたは目標を達成するために、どのくらい真剣に努力していますか」と聞かれると、目標の達成をさまたげるような行動をしたくなったりしない
「なぜ」自分は頑張っているのか、理由を考えてみよう
◆失敗しやすい人
意志が強いと思っている人ほど失敗する。
そしてあとで挽回できると思ってしまうと、自分に甘い選択をしても気がとがめなくなってしまう。
人は明日はもっとできると考える習性がある
行動経済学者のハワード・ラクリンは、ある行動を変えたい場合、行動自体を変えるのではなく、日によってばらつきが出ないように注意するべきと述べている。
■第5章 脳が大きなウソをつく
モントリオールのマギル大学のジェームズ・オールズとピーター・ミルナーが実験で偶然見つけたのが、刺激を受けると強烈な快感が生まれる脳の部位のようだった
これは実は「欲求」を感じる場所であった
脳は私たちを正しい方向へ導いてくれるとは期待できない
人の場合、人にも同じように電気ショックを与えると、同じように自己刺激を与えるようになる。
もう少しで、満足感が得られそうな気がしながら、最後まで満足は得られなかった。
オールズとミルナーが発見したのは「報酬システム(報酬系)」と呼んでいる部位だった。
刺激を与えていた場所は、脳の中でももっとも原始的なモチベーションのシステムで、行動と消費を促進するために発達したものだった
このような刺激は、周りに多い。つまり「やらない力」を発揮するのは極めて難しい
◆ドーパミンは幸福感をもたらさない
明らかなこと。それは、ドーパミン放出効果によって、好ましさや満足や喜びなどは感じられないということである。
複数の実験がある。脳のドーパミン系を完全に破壊されても、ラットは砂糖を与えられれば大喜びする。
だが、ご褒美欲しさには行動しなくなった。つまり、砂糖は好きだが、もらう前から欲しがることはしなくなった
スタンフォード大学の神経科学者ブライアン・クヌットソンは次の結果を発表した。
「ドーパミンには報酬を期待させる作用があるが、報酬を得たという実感はもたらさない」
先のばしていることがあるなら、ドーパミン神経細胞を活性化させるものとうまく結び付けて、やる気を起こそう
◆快感の誘惑に負けてみる
楽しい気分になれるはずなのに、なぜか満足感が得られないことを、あえてやってみよう
ショッピング、テレビ、ネットでの暇つぶしなど。実際にやってみて、期待していた通りに楽しいと思ったか?
■第6章 どうにでもなれ
◆落ち込んだ時の気晴らし
米国心理学会によれば、一般的なストレス解消法は、食べたり飲んだりする、ショッピング、テレビ、など脳の報酬システムを活性化させるもの。しかし、一般的なストレス解消法は、ほとんど「効果がない」
ストレスによる意志力の挫折を防ぐには、誘惑に負けることなく気分転換できる方法を見つける必要がある
◆大半のストレス解消法は意味がない
落ち込んでいると、誘惑に負けやすくなる
科学者が様々な方法を考案して被験者にストレスを与えたがが、結果はいつも同じだった
◆ストレスを感じると欲求が生まれる理由
それは脳によるレスキュー作戦である。
脳は、生命を守るだけでなく、気分も安定させようとする
⇒ストレスを感じると、気が晴れるようなことをさせようとする
◆根拠のある方法を実行する
効果のあるストレス解消法
・エクササイズやスポーツをする
・礼拝に出席する
・読書や音楽を楽しむ
・家族や友達と過ごす
・マッサージを受ける
・外に出て散歩する
・瞑想やヨガを行う
・クリエイティブな趣味の時間を過ごす
効果のあるストレス解消法は、ドーパミンを放出して報酬を期待させるのではなく、セロトニンやγアミノ酪酸などの気分を高揚させる脳内化学物質や、オキシトシンなどの気分を良くするホルモンを活性化させること。ドーパミンの放出とは違って、興奮しないので、どんなに気分が良くなったかはっきりとは気づかないことが多い
◆どうにでもなれ効果
意志力にとって最大の脅威の一つが「どうにでもなれ効果」。
誘惑に負けたことで自己嫌悪に陥ってしまい、気晴らしに何かをしたくなる。
ちょっとつまづいたからといって、大きな失敗につながると決まっているわけではない。
危険なのは、最初につまづいた時に自分を恥じたり、後ろめたく思ったり、自制心をなくしたり、希望をなくしたりすること
悪循環にはまってしまうと、逃げられず、転げ落ちていくしかないような気がするかもしれない
すると、またしても自分を責め、またしても誘惑に負けてしまう
◆なぐさめの言葉で「どうにでもなれ効果」が緩和される
自分を許すことで、どうにでもなれ効果の悪循環を断ち切れる
意志力を強化するには、自分に厳しくしても意味がない。
◆数々の研究
自己批判はつねにモチベーションの低下や自己コントロールの低下を招く
自分への思いやりは、やる気の向上や自制心の強化につながる。つまり、自分を励まし、自分に優しくすることだ。
また、罪悪感を抱くよりも、自分を許す方が責任感が増す
自分を許すことで、恥の意識や苦しみに苛まれることなく、事実をありのままに見つめられるようになる。
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スタンフォードの自分を変える教室 著者 :ケリー・マクゴニガル | スタンフォードの自分を変える教室 検索 :最安値検索 | DMMでは見つかりませんでした |
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