2021年11月22日

計画はゴールから語る





ある程度仕事の経験を積むと仕事のやり方(求められ方)が大きく変わるポイントが有ります。

一般職で最初のターニングポイントは

 プロジェクトを任される
 リーダーになる

ということです。

つまり、今まではイチ担当者として、「××を今週中に」とか「○○を今日中に」とか言う風に、会社・部門としても大きなプロジェクトの一部の明確化した作業を言われていたのが、「○○を××さんと△△さんと一緒に完成させて」みたいなすごく曖昧な指示になってきます。それも自分の力だけではなく他人も使って。
※ここからはこれを「プロジェクト」ということにします。




やっぱり多くの人がコレでつまづきます。

自分の場合はどうだったかというと、昔のこと過ぎて思い出せません…

ただ、彼らを指導するのは私の役割なので、いろいろ考えさせながら進めるわけですが、これがなかなかうまく行きません。

本日は更にその中で一番最初に躓くポイントについてちょっと書いてみたいと思います。

■ゴールをイメージする


これは過去の記事でも何度かふれましたが、プロジェクトのゴールは

 ・指示を出した人(プロジェクトオーナー)が期待する結果
 ・自分(プロジェクトリーダー)がそこで出したい成果

を合わせて、最終的にそれが「できた」といえる状態は、どうなっているかを明確にすることです。

 ピクニックに行く

など、何度か書いてますので、そちらをご参照ください。
ここで重要なのは、

 数値化してはいけない

ということです。数値化するとすごくわかりやすいので、これはこれで大切なのですが、数字は全体の一部しか表せません。すべてを表すためには、数字ではなく「状態を語る」事が重要です。
つまり、そのプロジェクトが終わった状態というのは

 ・××担当の△△さんが○○している
 ・○○のシステムが▲▲を処理して、☆☆の結果を出している

などすごく具体的に、その風景が絵になるくらいに具体化しないといけないということです。
そして、さらにそれを達成するための要素を出して、更にそれを分解していきます。

これを実施するタイミングや時期に合わせておいたものを「スケジュール」とか「マイルストーン」とか言うんですね。




■逆順に説明する


そして、これをプロジェクトオーナーに報告するときには

 ・まず来週から○○さんには△△の業務を★★までにやってもらいます
 ・つぎに………

のように説明してはダメです。

絶対に突っ込まれます。

というか私なら、「それじゃあわからん。やり直し!」と言います。

何故かと言うと、

 それですべての業務が分解できているかどうかわからない

からです。

どうやって説明するとわかるかというと、

 プロジェクトを考えた「考え方をトレース」して説明する

つまり、上で上げたように

 ・ゴールはこんなふうになってます
 ・そこに必要な要素は、××と○○と◎◎です。
 ・さらにコレを分解すると××になって、これを時系列に並べるとこういうことになります

と説明すればいいわけです。

小さな作業であっても同じなのですが、小さな作業はあまりこういったプロセスを意識しなくてもできてしまうので、多くの人がこういうプロセスに基づいて考えるということをしていません。
でも、ちょっと多人数が絡むような業務になると、これがちゃんと説明できないと、「じゃぁこの作業は?」「こっちの条件は?」と突っ込まれます。
逆に、結果から説明すると、それらはある部分に包含されていることになるので、最初の分解か次の段階の分解くらいまで説明すれば、「大きな欠落はない」と思ってもらえます。

■MECEに考える


これを一言で言うと、「MECEに考える」たったこれだけのことです。
言葉で書くと大したことはないんですけど、実際にできるようになるまでには結構な数の失敗を繰り返さないとできるようにならないみたいです。
逆にいきなり(または早い段階で)こういうことができるような人だと、「コイツは上に上げても大丈夫そうだな…」と思ってもらえます。

■まずは宴会係から


私の場合はまずは部門のちょっとしたイベントの担当をやってもらいながら様子を見ます。

たとえば、「ある人が定年退職するから完職祝いを計画してくれ」と頼むわけです。そこで、「退職者が感動して泣きながら挨拶してくれている」というゴールを設定し、そのためには、出席者のリストとか場所の予約、日付の決定、プレゼント、渡す人、挨拶してもらう順番などが必要な要素に成るわけです。さらにそれをいつ頃決めるべきなのかを決めていくと計画表とマイルストーンができるわけです。

これをちゃんと説明できるようにならないとプロジェクトは任せにくいです。最後になって「アレが足らない」「これが必要だった」と緊急事態を引き起こすリスクが高いからです。
そのうえ、こういうMECEを考えられない人は、考えてないので反省ができない。そのために何度も同じことを繰り返します。

あなたがもし過去に、最後になって不足が気づいたことがあったら、「最初にすべてをリストアップしたか」という点を振り返ってみるといいかもしれません。



■同じテーマの記事

スピード段取り術1

本日は久しぶりにビジネス書のご紹介です。ちょっと古い本ですが(私が新しい本を紹介すること自体が珍しいので、普通かも)、これも折にふれて(大体1年に1〜2回)は読み返している本です。書いてある事自体は、「すごい!」というネタではありませんが、なにか問題にぶつかっていて、どうやって自分の時間を確保しようとか、どういう習慣作りをしたらいいだろう、と悩んでいる時に、「あ、な〜るほど」と思えるヒントが満載の本です。是非時々読み返して見るために、手元においておきたい本の1冊。これ..

問題に着目しない

私は小学校の頃、跳び箱が不得意でした。まぁ、運動自体が余り得意ではなかったので、その中の一つでもあったのですが、特に跳び箱の時間はイヤでした。跳び箱の方に走って行くと、跳び箱にぶつかりそうな恐怖(おおげさですが)で足がすくんで、手前の踏み台で立ち止まってしまいます。高学年になってから、先生に跳び箱の飛び方というのを教えてもらいました。曰く、「跳び箱の天面を両手を上から下に振り下ろして、思い切りたたけ」というものでした。そしたら飛べるようになったんですよ。あっさり。..

タイガーマスクが教えるストレス解消法

本日は、ちょっと面白いストレス解消法のご紹介。リアル不動心サラリーマンをしていると、結構厳しいストレスにさらされることになりますよね。私も以前ストレスで会社をお休みすることになったので、ストレス解消法については、いろいろ興味があって調べたりしてます。本日ご紹介するストレス解消法は、「初代タイガーマスク」の佐山聡氏の出した本「リアル不動心」メンタルトレーニング初代タイガーマスクがデビューしたのは 1981 年だそう..

論理的に話す技術

本日は久しぶりに、管理人が良書だと思った本の要約。これ、書くのが結構時間がかかって手間なんだよね…『出口汪の論理的に話す技術』本書は、相手に納得してもらえる話の仕方を書いた本。よくある論理技術の話ではなく、「どのようにしたら自分の話を聴いてもらえるのか」という点にフォーカスしています。もちろん、一番の方法は「論理的であること」なのですが、それだけが重要ではありません。相手が何を聞きたいと思っているのかに沿って自分の..

昨日の自分のアドバイス

「しまったなぁ、昨日これやっときゃよかったなぁ」思ったことありませんか?ちなみに私はしょっちゅうです。タイムマシンがあったら「タイムマシンがあったらいいなぁ」とよく思います。もし、タイムマシンがあったら、1年前の自分にこんなアドバイスをしてやるのに。10年前の自分に、これを勉強しとけよ、って言ってやるのに。まぁ、いつも過去に向かって、「あぁ、あの時…」と嘆いたりしてます。とくに、問題なのが1日大したことをせずに終わってしまった翌日や、3日以上の連休最後の..

サインに気をつける(話半分、観察半分)

こちらの意見を言ったり、何かの提案をしている時は、どうしても話すことに集中してしまいがちです。一生懸命説明することは、ある意味重要なのですが、もともと誰かに何かを話すというのは、その内容を相手に納得してもらったり、何かの行動を促すための「コミュニケーション」であったはずが、うまく話すために、話が一方的だったり、相手の存在が希薄になってしまうのは本末転倒ですね。話半分、観察半分わたしも後で反省することが多いですが、な..




posted by 管理人 at 04:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 発想法・アイディア術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック