ある程度仕事の経験を積むと仕事のやり方(求められ方)が大きく変わるポイントが有ります。
一般職で最初のターニングポイントは
プロジェクトを任される
リーダーになる
ということです。
つまり、今まではイチ担当者として、「××を今週中に」とか「○○を今日中に」とか言う風に、会社・部門としても大きなプロジェクトの一部の明確化した作業を言われていたのが、「○○を××さんと△△さんと一緒に完成させて」みたいなすごく曖昧な指示になってきます。それも自分の力だけではなく他人も使って。
※ここからはこれを「プロジェクト」ということにします。
やっぱり多くの人がコレでつまづきます。
自分の場合はどうだったかというと、昔のこと過ぎて思い出せません…。
ただ、彼らを指導するのは私の役割なので、いろいろ考えさせながら進めるわけですが、これがなかなかうまく行きません。
本日は更にその中で一番最初に躓くポイントについてちょっと書いてみたいと思います。
■ゴールをイメージする
これは過去の記事でも何度かふれましたが、プロジェクトのゴールは
・指示を出した人(プロジェクトオーナー)が期待する結果
・自分(プロジェクトリーダー)がそこで出したい成果
を合わせて、最終的にそれが「できた」といえる状態は、どうなっているかを明確にすることです。
ピクニックに行く
など、何度か書いてますので、そちらをご参照ください。
ここで重要なのは、
数値化してはいけない
ということです。数値化するとすごくわかりやすいので、これはこれで大切なのですが、数字は全体の一部しか表せません。すべてを表すためには、数字ではなく「状態を語る」事が重要です。
つまり、そのプロジェクトが終わった状態というのは
・××担当の△△さんが○○している
・○○のシステムが▲▲を処理して、☆☆の結果を出している
などすごく具体的に、その風景が絵になるくらいに具体化しないといけないということです。
そして、さらにそれを達成するための要素を出して、更にそれを分解していきます。
これを実施するタイミングや時期に合わせておいたものを「スケジュール」とか「マイルストーン」とか言うんですね。
■逆順に説明する
そして、これをプロジェクトオーナーに報告するときには
・まず来週から○○さんには△△の業務を★★までにやってもらいます
・つぎに………
のように説明してはダメです。
絶対に突っ込まれます。
というか私なら、「それじゃあわからん。やり直し!」と言います。
何故かと言うと、
それですべての業務が分解できているかどうかわからない
からです。
どうやって説明するとわかるかというと、
プロジェクトを考えた「考え方をトレース」して説明する
つまり、上で上げたように
・ゴールはこんなふうになってます
・そこに必要な要素は、××と○○と◎◎です。
・さらにコレを分解すると××になって、これを時系列に並べるとこういうことになります
と説明すればいいわけです。
小さな作業であっても同じなのですが、小さな作業はあまりこういったプロセスを意識しなくてもできてしまうので、多くの人がこういうプロセスに基づいて考えるということをしていません。
でも、ちょっと多人数が絡むような業務になると、これがちゃんと説明できないと、「じゃぁこの作業は?」「こっちの条件は?」と突っ込まれます。
逆に、結果から説明すると、それらはある部分に包含されていることになるので、最初の分解か次の段階の分解くらいまで説明すれば、「大きな欠落はない」と思ってもらえます。
■MECEに考える
これを一言で言うと、「MECEに考える」たったこれだけのことです。
言葉で書くと大したことはないんですけど、実際にできるようになるまでには結構な数の失敗を繰り返さないとできるようにならないみたいです。
逆にいきなり(または早い段階で)こういうことができるような人だと、「コイツは上に上げても大丈夫そうだな…」と思ってもらえます。
■まずは宴会係から
私の場合はまずは部門のちょっとしたイベントの担当をやってもらいながら様子を見ます。
たとえば、「ある人が定年退職するから完職祝いを計画してくれ」と頼むわけです。そこで、「退職者が感動して泣きながら挨拶してくれている」というゴールを設定し、そのためには、出席者のリストとか場所の予約、日付の決定、プレゼント、渡す人、挨拶してもらう順番などが必要な要素に成るわけです。さらにそれをいつ頃決めるべきなのかを決めていくと計画表とマイルストーンができるわけです。
これをちゃんと説明できるようにならないとプロジェクトは任せにくいです。最後になって「アレが足らない」「これが必要だった」と緊急事態を引き起こすリスクが高いからです。
そのうえ、こういうMECEを考えられない人は、考えてないので反省ができない。そのために何度も同じことを繰り返します。
あなたがもし過去に、最後になって不足が気づいたことがあったら、「最初にすべてをリストアップしたか」という点を振り返ってみるといいかもしれません。