「最近、学んでいることや勉強になっていることはありますか?」
こんな質問を昇進面接・昇格面接・中途採用面接で聞くことがあります。
以前、中途面接でした時には、こんな答えが返ってきました。
「中途採用面接に関することです…」
あれれ…。
■学習意欲
ある程度の年齢(35歳以降くらい?)になってからは、自分の経験の量が十分になってくるのですが、それ以前は、基本的には経験不足です。経験の質は個人差が非常に大きなところではあります。
経験不足を補うためには、
とにかく、たくさんの経験をする
というのが第一です。
しかし、仕事で色々な場面に次々とぶつかるというのは難しいですし、上司としてはあまり艱難辛苦ばかり味あわせたくはありません。
そうすると、少ない経験からどれほど多くの意味を抽出できたのかという質を高めていくことで、多くの経験をした人と並び、凌駕することが必要です。
そのためには、色々な経験した人の意見や所見を聞くことが重要で、そのエッセンスを集めたものが伝記やビジネス書を始めとした書籍です。
つまり、これから伸びていく人というのは多くの場合、
意図して何かを学んでいる
んですよ。
■漫然と読むのは学んでいるとはいえない
ですので、私は「どんな本に興味がありますか」ではなく「どんな勉強をしていますか?」と聞くようにしてます。
まぐまぐで「ビジネス発想源」というメルマガがあります。
このメルマガで時々、書籍(ノンフィクション本)の紹介があり、「××氏はこんな風にした。あなたの環境の置き換えたらどんなことが必要か」みたいなお題が出ます。
この記事で紹介した仕事能力向上のヒントの元ネタになってくれています。
つまり
他人の経験
→ エッセンスの抽出
→ 自分の環境への適用
→ 自分の行動の質の向上
→ 自分の成長
とつながっていくんですね。
こういうことができる人は、成長が早いんです。
■エッセンスを抽出する=抽象化
この「ビジネス発想源」のように、そこからエッセンスを抽出して、さらに自分の状況にそれを適用していくというのは、最初のうちは結構難しいです。
例えば、何かのNPOを立ち上げて、それで成果を出したという本を読んで、「オレもNPOを立ち上げてやろう」と思えるような課題認識をしている場合は少ないですし、実際にその本に書いてあるようなNPOを立ち上げるにしても、その環境はまったく違います。
でも、その人(本を書いた人)が、
何かの失敗を糧にして新しいチャンスをモノにした
ということが書かれていれば、
自分が最近やった失敗はどんなことがあっただろうか?
その失敗をうまく利用したり応用したりはできないだろうか?
という自分への質問に置き換えることができるんですね。
この「何かの失敗を〜」が意味抽出です。私がこの記事で度々書いています
抽象化する
という思考方法ですね。これができる人はすごく強いですよ。
でもこれは、結構難しいですし、そのやり方のテンプレート(作業方法)があるわけではないので、こういう抽象化出来る人にガイドしてもらうのが良いやり方だと思います。
繰り返しやっていると、そのうちに自然にできるようになります。
■勉強する
良くこの記事の中で書きますが、事実に特定の意味はありません。どのような意味付けをするかは、なんとでもなります。
つまり、あなたが自分の課題を抽象化して、ほか人の経験にあてはめてみる(抽象化する)と結構解決済みだったりします。それをもう一度自分の環境に戻してみる(具体化する)と以外と簡単な話だったりするんですよ。
だから、「失敗を次に活かす方法を学びたい」という目的を持って、何かの本を読めばいいわけです。別にノンフィクションに限りません。マンガでも十分ですよ。
当初の質問
「仕事に限らず、恒常的に勉強していることはありますか?」
「最近、学んでいることや勉強になっていることはありますか?」
は、結局、あなたがどのような課題を持って、その課題に対する自分なりの答えをどのように求めようとしているのかを問うているわけです。