■じゃんけん大会優勝者は意味があるか?
1万人の参加者を募り、じゃんけん大会をします。
最初のじゃんけんで勝った人だけがまたじゃんけんをする。さらに勝った人が…、と続けていくと、最後に一人だけが「全勝」して残ることになります。
この人はじゃんけんの天才だ。50%しかないはずの勝率を100%に高められたんだから。
この人がなぜじゃんけんに勝ち続けられたのかというと、相手の目をじ〜っと見て、相手の出す次の手が目線で分かった(気がした)からだったと本人が言います。
じゃぁ、じゃんけんについて本でも書こう。
じゃんけん必勝法で成功者になる
なんて本、いかがでしょうか?
あなたの読んでいる成功本はこうして作られています。
■成功者の成功要因は勘違いだらけ
世界の成功者にしろ、日本の成功者にしろ、成功するとどうも本を書きたくなる人が多いみたいです。
自分の掴んだ成功法則を世の人に教えてあげたい、あるいは自慢したい、それを次のビジネスのネタにしたいなどなど色々理由はあるでしょうけど。
私も会社員(サラリーマン)になって、こういう本をよく読んでいた初期の頃は、
「そうか、成功する人はこうやったから成功したんだ」
「栄達するためにはこういう行動が大切なんだ」
と思ってました。だからそれを一生懸命マネようとしました。
ところがちっとも成功者になれないんですね。
成功者のマネをしたからといって、成功者になれるわけではない
そんな程度のことがわからなかったんですよ(反省…)。
カーネギーやウェルチがこの世にもう一度生まれたとしても、鉄鋼王にも伝説の経営者にもなれないのではないでしょうか。もちろん、そこそこのレベルには行くでしょうけどね。
多くの人は、過去を振り返った時に、いま自分があるのは、過去の積み重ねであって、自分が過去の瞬間瞬間に行った選択や予測が正しかったからだと考えがちです。とくに成功者は、社会的に認められる存在になっているので、その傾向が強いでしょう。
でもそれは多くの場合錯覚ではないかと思ってます。
だって、カーネギーの信奉者から、第2の鉄鋼王になった人はいないですよね。というか、鉄鋼王の称号をもらったのは、カーネギーだけですから。
■成功本から何を読み取るか
じゃぁ、成功本を読んでも意味が無いのかというとそうでもないです。
成功本をよんだら、
・この人が成功した要因は何だったのか?
・それを自分の環境に当てはめるとどういうことなのか?
を考えることに意味があります。
別に考えるネタは、成功要因に限る必要はありません。
「その人の考え方のエッセンスはなにか」でもいいですし、「その人が存在したことの歴史的意義」でも構いません。とにかく、脳の右も左も上も下も全て使って考えることです。
そして、その結果なり経過を書き残すことです。
これによってあなたの思考力は強化されて、あなた自身にいい影響をもたらすでしょう。