2019年12月16日

昇進申告書はアウトラインが重要





そろそろ今年度の昇進・昇格の季節ですね。

ウチの会社では、6月に昇進・昇格対象者が決まり、6月中に昇進申告書と推薦書を人事に提出して、7月から8月にかけて面接試験、9月末に結果発表と進みます。

私の部下にも対象者がいるので(いない年があるほうが珍しいですが)、昇進申告書の添削に結構気を使ったりしてます。




■5段階レポート作成術



何かレポートを作ったり、プレゼン資料を作ったり、はたまた昇進申告書を作ったりするときに、意識している作り方があります。

 ・テーマを決める
 ・資料・データを集める
 ・アウトラインを作る
 ・文章を書く
 ・推敲する

というステップです。

この記事も基本的にはこのステップに従って作ってます。
最近は脳内だけでやることもしばしばありますが。

ところが、結構みんなこれをやらないんですね。
というかやれないといったほうがいいかも。
※「国語教育がなっとらんなぁ」とテーマとは無関係の事を言ってみる…

「まずアウトラインを書いて持ってきて」と言っても、やっぱり文章にして持ってくるんですよ。
「文章なんかいらんから」と言ってもやっぱり文章しか書けない。

しかたがないので、一緒に図解をしながらその文章からキーになるテーマとトピックを一緒に抽出するのですが、そうするとスッカスカ。中身がありません。

 「これじゃあ相手を納得させたり、感心させたりできないでしょ」。

この5段階を経て作らずに文章を書くから文章にごまかされちゃうんですよ。

例えばこんな文章です。




★――――――――――――――――――――――――――
●自己申告書 文例1

××の自動化に取り組んだ。まず自動化にあたっては、××を機能に分解することが重要だと考えて、関係者を集めてレビューを行い、それぞれの機能を検討して要件を決めていった。その際に周囲を巻き込んで活動したことによって協力を得ることができて、××の自動化ができた。
――――――――――――――――――――――――――★


ダメダメですよね?

さらにひどい文章になると、

★――――――――――――――――――――――――――
●自己申告書 文例2

××の自動化に取り組んで効率の革新をした。まず自動化にあたっては、××を詳細な機能に分解して理解することが最も重要であると考えて、大勢の関係者を集めて何度も何度もレビューを行い、それぞれの機能を検討して正確かつ詳細な要件を決めていった。その際に徹底的に周囲を巻き込んで活動したことによって、積極的な協力を得ることができて、××の自動化を達成し、大幅な効率の改善をすることができた。
――――――――――――――――――――――――――★


たくさん字を書けばいいってもんじゃ無いんだが…

■テーマを決める


まずやらないといけないのは、どういうテーマで書くかということです。

申告書なら直近の業務成果ですね。

 ・どの業務について書くか
 ・それによってどの様なアピールをしたいのか

この2つを決めることです。
これが決まっていないと、「要するに何が言いたいの?」という質問が返ってきます。

■資料・データを集める


その言いたいことにそって、事実を集めます。どんな事実があったのかをとにかくブレスト的に出していきます。直接的にそのテーマに関係していなくても構いませんので、とにかくたくさん出すこと。400字程度の申告書なら捨てる分も含めて20個は出したいですね。

この時、数字になっているものを大切にすること。仕事は数字が命です。

■アウトラインを作る


集めた事実をグルーピングします。

申告書で実績をアピールしたいなら、時系列にまとめると後がやりやすいですが、いろんなシチュエーションにそってグルーピングの仕方はあります。

これはテーマの「何が言いたいか」によって納得を得やすいパターンがあるので、色々なグルーピング方法(事実の切り口)を試してみることが有用です。

■文章化する


ようやく文章化です。

ここまで来ていれば、おそらく文章化は大した仕事ではありません。単に事実を「てにおは」でつないでいくだけです。

アウトラインがしっかりできていれば、あとは単なる作業です。日本語が話せる人なら大して問題はありません。

ただし、この時の文章量は、要求される文章量(文字数)の1.5〜2.5倍程度を目標にしてください。
これは、あとで冗長部分を推敲して削るためです。

■推敲する


最後に、くどい部分や冗長な部分、テーマに対してインパクトが弱い部分を削っていきます。絶対に増やしてはいけません。

  推敲は削るだけ

を意識してください。

増やそうと思うと、「非常に」とか「徹底して」「おおいに」とかいう「雰囲気や個人的感覚を表す修飾語」を羅列したくなります。これは読む人にとっては意味が無い単語です。あってもなくても同じどころか、害になる場合が少なくありません(上記の文例2がそうです)。

私はあまりつまらない文章だとこういうところに突っ込んでイジメたくなります。
 「君の言う『徹底している状態』というのはどういう状態なの?」
 「どうしてそれが『徹底』できているといえるの? 私は全然徹底してないと思うけど」
とか。

■トレーニング方法


私はこれを新聞の社説を分析することでトレーニングしました。

社説を図解してみてください。ひとつのテーマにそって論理を展開して、最後に言いたいところに読者を引っ張っていくテクニック満載です。

分析するときには、この冒頭で紹介したステップを逆にたどります。
つまり、

 ・文章を読む
 ・アウトラインを作る
 ・要素に分解する
 ・テーマを見つける

というステップで社説を何度も読みながら、分解・分析してみてください。
何度もやっているうちに、自分でもできるようになりますよ。






posted by 管理人 at 23:36| Comment(0) | TrackBack(0) | ハック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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