2014年07月07日

コンプリーテッドレポート



上司に現在の進捗状況を報告するときに3つのパターンがあります。

1.プレゼン資料のように仕上げて、進捗をわかりやすく報告する
2.メールで進捗状況、課題などを報告する
3.口頭で上司に報告する

それぞれには報告のためのお作法があります。
このお作法を私は

 コンプリーテッドレポート

と呼んででます。



■プレゼン資料にする


これは、プレゼンのテクニックと報告を受ける人の立場がわかればあまり難しくはありません。

例えば部門長であれば

 ・課題や遅延している理由何で現在の担当者だけで解決可能か
 ・上位方針と現在の進捗の延長線にあるゴールが一致しているか
 ・予算は計画内か
 ・そのプロジェクトや仕事の進捗具合は、最終日程に収まるか
 ・過去にあった問題の対策が反映されているか(特に自分が経験的に痛い思いをしたもの)

が気にしているポイントです。

つまり、これだけの項目に対して

 「問題ありません」

と言えれば、「殆どの場合」何も突っ込まれません。

「殆どの場合」の例外というのは、その部門長(報告を受ける人)の上司(おそらく役員クラス)が「最近気にしていること」です。

そのプロジェクトや仕事のゴールに直接関係無くとも、上司から「最近残業が多いやないか」と言われていれば、「工数はいまどうなっているのか」「もっと減らせないのか」というツッコミが入ることになります。




■メールで報告


結構このパターンが多いのですが、部門内のプロジェクトであったり、定常業務であったりするようなも、あるいは報告を受ける人から特命で言われた仕事のようなもので、頻度は結構高いと思います。

この時、注意するのは、上司に

 ・メールを読解する労力
 ・指摘する労力を使わせない

ことです。

上司はあなたより多くの仕事を抱えています。実際にやっているのはその部下(あなたや同僚)なのですが、すべての問題は上司に上がってきます。つまり、面倒くさいことだけ上司に報告があるんです。

勢い、上司は「あ〜。なんでやることなすこと、問題を起こすんだ?」と意識しないにしろ、面倒を感じてます。
そこに、何百行もあるような長文メールが飛んできたら、おそらく読む気がしないでしょう。

読まなければ、どんなにきちんとした報告や相談が書いてあっても無意味です。

また、添付ファイルも面倒を増やす要因です。
※ひどいのは、メール本文に「添付ファイルで報告します」と書いてあって、添付ファイルはExcelの進度表や課題リストが貼ってあるだけ。結局進んでいるのか送れているのか、課題は解決可能なのかなどはよほど気合を入れて読まなければわかりません。

そうすると大体の場合、「あ〜。なんだかよくわからんからあとで読も」とすっ飛ばしておいて、あとで読もうと思った事自体を忘れてしまって、火を吹いてから、「なんでもっと早く報告しないんだ!」と怒るパターンにハマります。

部下としては「メールで事前に報告したにも関わらず、上司が指示してくれなかった」という思いがありますし、上司としては、「大事なことは口頭で注意喚起しろよ」という双方不満が残るわけです。

したがって、メールで報告をするときには、上記のような上司が気にすることを

 メール本文に、一覧表にして、1画面に収まるように

報告することです。

そして私が目指しているコンプリーテッドレポートはさらに、上司が一言

 「OK/了解」

だけメールに返信すればいい状態にして、報告することです。

上司の問題意識を先取りして、その問題に対して対策を打っておいて、

 「これでよろしいですか? 何かお気づきの点があればお電話ください」

と書いて出すわけです。OKなら、速攻で1行だけのメールが返ってきますし、ダメなら電話で「今すぐ来い」と一言で済むようにします。

■口頭報告のコンプリーテッドレポート


口頭報告は、上記の一覧表を印刷して上司のところに持っていきます。
その上で、「課題はありますが、対策は可能です」と一言添えること。

話をするのは3分以内です。そこまでまとめてから持って行くことです。

その上で上司の判断を仰がないといけないことを一つだけ提示(印刷物を渡す)し、

 選択肢としては�@………、�A…………、�B…………があり、�Bで行きたいと思います。
 理由はA,B,Cです。リスクは○○がありますが回避可能です。これでよろしいでしょうか?

という聞き方をすることです。
必ずオススメの選択肢は、最初の選択肢か最期の選択肢にすること(私の趣味としては最後の選択肢)。
上司は基本最初と最期の選択肢以外は記憶に残ってません。

逆に言えば、「OK」以外の回答の可能性があるなら、対応方法の案を考えて、上司には口頭報告することです。
ただし、事前準備は手を抜いてはいけません。

これに注意すれば報連相のウデが上がりますよ。




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