「段取り」というのはもともとは歌舞伎の用語だったそうですが、仕事が出来る人はほとんどの場合、「段取り」がいいですね。
■段取りの意味
いつものようにWeb辞書から。
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1 芝居などで、筋の展開や組み立てのしかた。
2 物事を行う順序や手順。また、その準備。「式の―をつける」
Goo辞書 http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/140481/m0u/
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英語で言うと「Phased Approach」というそうです。
こちらのほうがイメージがわかりやすいかも。ゴールに行き着くまでをステップ(Phase)に分解して、それを一つづつクリアしてくアプローチ方法、みたいな感じですかね。
慣れてくると多少手間のかかるものでも脳内でできますが、あまり慣れていない仕事であったり、自分の段取りが下手だなと思われる方は、本日紹介する「段取りシート」というものを使ってみるといいかもしれません。
■段取りシート
単なるEXCELなのですが、3つの列からなっています。
A列 資材
B列 ステップ
C列 課題・重点
とりあえず、1行目これだけ書き込んだら、それぞれの列を選択して、適当な幅にして、「折り返して全体を表示」という設定にしておいてください。
2行目の「ステップ」にはゴールを書きます。
それ以降のステップには、そのゴールに行き着くための段階をどんどん書き出していきます。
段取り下手なひとはこの時点でつまづきますが、これは練習で改善します。
過去記事でも何度か触れました。すぐにやる(ドラッカー 経営者の条件)などを参照してください。
それぞれのステップが書けたら、「資材」の欄にそのステップで必要なものを書き出してください。
何が必要かを考えるにはピクニックに行くなどを参照してください。
これができたら、「課題・重点」のところに、それぞれの資料を用意するために必要なこと、大事なこと、重要なことなど思いつくものをなんでも書き出してください。
■実例
ルールだけを書いたのでちょっとわかりにくかったかもしれません。実際に例を使って説明していきたいと思います。
お題は「上司から職場の整理整頓を促進するアイディアを出すように」と言われたという前提です。
さてどうします?
「どんなアイディアがあるかな〜」と考えて、「毎日掃除というのはどうでしょう」と上司に報告に行った。
はい13.4点。
「アイディアを出す」というゴールに対して、一つだけ、それも自分の脳内でこねくり回しただけで結論を出すのは、私生活では「あり」でも仕事ではバツ。
では何をするかというと、「アイディアを出す方法を検討して、関係者の同意が得られる答えを作る」ようにしないといけません。だって、ほうこくしたら「お、そうか。ご苦労さん」で終わると思います?
まず終わりませんよね。「じゃあ、お前がリーダーになってそれをやれ」と言われるに決まってます。
それを読めば、「同僚の意見を求めて、実現可能なアイディアを出す」必要があるのは当然。
また、上司から「十分練られたアイディア」と評価されるためには、複数の案があって、それらの検討がされた状態も必要ですね。
そう考えるといくつか必要なことが見えてきます。
・アイディア出しのミーティングをする
・世の中にあるアイディアを調べる
・それを取捨選択する:つまり評価基準が必要
・評価基準を作る
どうでしょう。意外と分割できるものでしょう?
これが「ステップ」になります。
このステップを適当な順番に並べたものが「段取り」です。
さらに、「アイディア出しミーティング」をするとなると
・誰を呼ぶか(誰を呼ばないか)
・いつやるか
・会議の進め方は?
などの情報が必要ですね。これが「課題・重点」などに書かれることです。
それに対して、
・案内メールを出す
・空き時間(人・場所)
・事前作成した議事録
・アイディアの誘発剤となる情報
が「資材」列に入ります。
こうやって頭のなかで、ゴールまでをシミュレーションして、それに必要な情報、課題を書き出していくわけです。
■残しておく
こういったプロセスの情報を残しておいて、あとで、「これはいらなかった」「これは忘れていた」という結果を書き込んでいくと、あなたオリジナルの段取りシートが出来上がります。
これがあなたの経験知です。今後の武器になりますよ。
もしあなたが、「自分は段取りが下手で手戻りが多い」と感じたら、是非これを作ってみてください。社内から一目置かれる戦略家に見られるようになること間違いなし(かもしれない)。