仕事の効率化で最も効果のある方法は、人にやってもらうことです。
自分は寝て待ってればいいので。
ところが往々にして、出来上がってきたものが期待したものとは違い、結局自分でやり直すはめに…
などということは結構ありますね。
■コミュニケーションを良くする
こういうのをよく「コミュニケーションミス」などと言って反省しますが、大体は何も改善しません。
情報伝達は効率的にやりたいですが、余り効率化すると抜け漏れがでて結果非効率になりかねない。だからと言って、1日で済む仕事を3日かけて説明していたら「何をしているやら」になってしまいます。
結局人間の考えていることは伝わらないんですよ。
でも確実に伝わるものがあります。メールに書いた文字であり、あなたが発音した声です。
じゃあなぜちゃんと伝わらないかというと、その前後の変換が間違っているから。
もし、あなたが超能力者で自分の頭のなかにあるイメージがそのまま伝われば確実にあなたの欲しいものが相手に作れるでしょう。それができないのは非常に残念ですね。
■言語化できてない
仕事を誰かにやってもらう時には、仕事の発注者の頭のなかにあるちょっとぼんやりしたイメージを相手に正確に伝えなければいけません。
つまり仕事の結果が出るまでには以下の様な変換プロセスを通るわけです。
(発注者の頭のなかのイメージ)
↓
↓言語化
↓
(発注者の言語能力)
↓
↓文章化・音声化
↓
(発注者の言語能力)
↓
↓イメージ化
↓
(受注者の頭のなかのイメージ)
↓
↓受注者の仕事能力
↓
仕事の結果
ですよね。
だから、あなたの頭のなかのイメージが正確に伝わるようにするためには、
受注者の言語能力に合わせた言語化
が必要なんです。
どうも世の中の仕事の依頼方法のガイドは、上記の「言語化」と「イメージ化」がちゃんと別れて考えられてないような気がします。
■コンバージョンが第一
まず第一にやらないといけないのは、自分の中のイメージをどういうふうに言語にして表現するかです。
このイメージ→言語の変換(コンバージョン)がうまくいなかければ、それ以後正しく伝わるわけがないんです。
間違いなくコンバージョンするためには、言語という抽象的で曖昧なものを正確に定義して共有する能力です。だから、人に指示することが多い人は、よりたくさんの言葉をより正確に知らなければできません。
「ちゃんとリスク管理をしろ」
といっても、
「ちゃんと」とはどういうレベルで
「リスク」とは何を指していて
「管理されている」というのはどういう状態か
が定義できなければ、伝わらないんですよ。
「あの〜。リスクって何でしょうか?」
「はぁ? そんなこと自分で考えろ!」
じゃぁ部下はリスク自体が意味不明なままです。意味不明なものを管理することはできませんね。
で大津波が発生して、プロジェクトは全滅。
「ちゃんとリクスを管理しろといっただろうが」
「いえ、津波はリスクではなくクライシスです!」
という会話をしたくはないですよね。
大体の「コミュニケーションミス」と言われる問題は、単純に「言語能力」の問題だったりします。
「業務効率を上げろ」
は「業務効率とは何?」「上がるというのは幾つになること?」をちゃんと説明できますか?
■コンバージョン能力を上げる
これは実はそれほど難しいことではありません。
本を読み、文章を書くこと
によって強化できます。印象をよりうまく伝えたければ小説みたいなものがいいでしょうし、正確なゴールイメージが伝えたければ、哲学書みたいなものが適切です。
どうしても必要なのは、たくさんの語彙とたくさんの表現方法です。
これらは、たくさんのインプットや用例を知らなければ使えません。
私の場合、トレーニングの一環としてもこのような記事を書くことが役に立ってます。
いくつか私が過去にやってきたトレーニングをご紹介します。
・新聞のコラムや社説を書き写す
・新聞のコラムや社説と同じテーマで自分の意見を書いてみる
・本を読みその要約文を書く(大量に)
・「××とは?」という質問で自分なりの解釈を書く
たとえば、「生産性とは?」「成果とは?」「時間管理とは?」「人生とは?」「生きるとは?」
・哲学書のを読んで、その要約を書き、それに反論をする
・人の意見・発言を図解する
・小論文を書く
・ミッション・ステートメントを作る
・同じテーマで何度も文章を書き、より洗練させる
文章にはそれぞれ文字数制限(目標文字数)を付ける
・和歌、短歌、俳句を作る。詩を書く
・他の国の言葉を勉強する
・プレゼンの練習をする
・自分の知っていることを人に教える