■どうにでもなれ効果
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これぞ、意志力にとって最大の脅威のひとつ「どうにでもなれ効果」です。
ダイエット研究者のジャネット・ポリヴィとピーター・ハーマンが最初に使ったこの「どうにでもなれ効果」という言葉は、はめを外して、落ち込んで、さらにはめを外すという悪循環を表しています。
研究者たちが気づいたのは、ダイエットしている人の多くはちょっとつまずいただけでービザをひと切れ、ケーキをひと口食にてしまっただけで、ものすごく落ち込んでしまい、もうダイエットなんかしてもムダだとあきらめてしまうことでした。ダイエット違反を最小限に食いとめたいなら、あとひと口だって食べないほうがいいのに、開き直ってしまいます。
「もういいや、どうせダイエットなんかもうパーだもん。こうなったら全部食べちゃえ」ダイエット中の人に「どうにでもなれ効果」が生じるのは、食くるのを控えていたものを食べてしまった場合だけではありません。他の人たちよりも自分だけ多く食べすぎてしまったときも同様に後ろめたさを感じ、その反動でさらに食べてしまいます(あるいはあとでこっそりやけ食いするとか)。どんなかたちの挫折であれ、同じような悪循環につながってしまうのです。
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:(中略)
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しかし、ちょっとつまずいたからといって、それが即、大きな失敗につながると決まっているわけではありません。危険なのは、最初につまずいたときに自分を恥じたり、後ろめたく思ったり、自制心をなくしたり、希望をなくしたりすることです。
いったん悪循環にはまってしまうと逃げられず、そのまま転げ落ちていくしかないような気がするかもしれません。すると、そのせいでさらに大きな失敗を招いてしまい、そのためにますますみじめになって、またしても自分を責め、あげくの果でに、またしても誘惑に負けてしまいます。しかし、そうやって気晴らしにやっていることはただ罪悪感を生むばかりで、悪循環を断ち切る力はないのです。
ケリー・マクゴニガル(著) 『スタンフォードの自分を変える教室』
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「どうにでもなれ効果」とは面白い言い方ですが、確かに記憶にあります。
どうも私だけでなく、生真面目に取り組む人は、ちょっとした失敗で、「もうどうでもいいや」になってしまって、その目標自体を諦めてしまうことがあるみたいです。
■やり直せばいい
「今年は毎日日記を書くぞ!」と強く思ったのに正月の4日目で書くのを忘れた。その時点で、「100点じゃあないなら0点でも同じ」と考えてしまうと「どうにでもなれ効果」が働いてしまいます。三日坊主というのは3日やれば翌日は忘れるということですが、忘れたら次の日から3日やれば、1年のうち、273日は日記を書いた
※365*3/4=273
ということになります。
すごいじゃないですか。それまではゼロだったものが、1年で270回以上やれるようになったんですよ。
それが、「あ〜。オレってダメな奴。やっぱり三日坊主なんだ。もうどうでもいいや」と酒を飲んで寝てしまえば、またしてもやらない日ができるだけです。それでますます落ち込んで自己否定をするはめになります。
憂さ晴らしは逆効果なんですよ。
「毎日〜」と定義するから「365回やらないといけない」と強迫観念にとらわれるのであって、「なるべくたくさん〜」と定義すれば、全然やらない人と比べれば超スゴイ結果が出せるんです。三日坊主万々歳です。
今年獲得しようとしていた習慣ややろうとしていたトレーニング(体力、能力なんでも)で、もう諦めてしまったものがありますか?
それは、必要なくなったからですか?
「意志力」の問題でやらなくなってしまったことを思い出して見てください。それ対して自分がどんな態度をとっていますか。
「お前なんか絶対にやり遂げらないぞ」と自分に言い聞かせてませんか。「失敗したのは自分に意志力がなかったせいだ」というのは
自分に対する甘やかし
です。
もう一度、やり直したらどうでしょうか。
まだやった方がいいと思えるのであれば、「またやり直せばいい」と思ってみませんか。
「毎日続けるぞ」
ではなくて
毎日、今日から始めよう
と思うこと。それが続けるコツかもしれません。
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●本書を引用した記事
力いっぱいリラックスする
どうにでもなれ効果
やりたくなければやらない
自分を変える教室5
自分を変える教室4
自分を変える教室3
自分を変える教室2
自分を変える教室1