2014年08月28日

提案の採用率を上げる「社会的証明」

子供をお持ちの方な、あるいは自分が子供の時に、おねだりの仕方として

 「みんな持っているんだから、○○を買ってよ〜」
 「○○ちゃんと△△ちゃんも持ってるんだから〜」

っていうセリフを使いませんでした?

これを交渉技術で「社会的証明の影響力」って言います。

■社会的証明は「○○でもやっている」


たとえば、あなたが社内コミュニケーションの改善のために社内SNSを導入しようと考えたとしましょう。

課長に「SNSを入れましょうよ」

といったところで全く響きません。

でも、

 「○○社で導入実績があり、△△の実績を上げたそうです」
 「社内SNSを導入しているのは、日本の企業の○○パーセントに登るそうです」

というとどうでしょうか。もしあなたが責任者だとしても、ムゲには「そんなもの役にはたたん」とはいえないですよね。
これが「社会的証明」。

■子どもと同じ手口では通用しない


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以上のことから分かるのは、社会的証明の効果を意識しておくと、人を説得する際に大変役立つということです。

もちろん、説得したい相手への伝え方も大事です。「皆もそうしているのだから、おとなしくこっちの群に加わりなさい]といった表現では、よい反応は期待できません
 「環境保護に協力している大勢の皆さんの輸に加わりましよう」
というように、肯定的な表現を便えば、好意的に受けとめてもらえるでしよう。公共の問題に限らずビジネスの場でも、社会的証明の効果が大きな影響を与えることがあります。看板商品を売り込むために人気の高さを示すデータ(マクドナルド社の「何十億もの人に愛されています」など)を使うだけでなく、必ずお客や得意先から好意的な証言をもらっておきましよう。あなたの会社がいかに利益をもたらすか見込み客に納得してもらうには、そうした証言を紹介しながらひと押しすると効果的です。

さらに効果的なのは、見込み客が現在の顧客から、あなたやあなたの会社にいかに満足しているか直接証言を聞けるような場を設けることです。
たとえば、顧客と見込み客の双方を昼食会やセミナーなどに招いて、うまく父流が進むような席順にするという手があります。そうした状況なら、自然に会話が始まって、あなたの会社と取引するメリツトに話がおよぶはずです。

R.B.チャルディーニ著  『影響力の武器 実践編』
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あなたの提案をより高く評価してもらうためには、子どもと同じように

 「○○社もやっているのだから〜」

では、「ウチとはおかれている状況が違うだろ」と言われてしまう可能性があります。そこで、前述のように

 「○○社で導入実績があり、△△の実績を上げたそうです」
 「○○社の社長のブログにSNS導入の効果について書いた記事があります」
 「導入した企業の○○パーセントでコミュニケーションがよくなったという調査結果があります」

のように事実をちゃんと盛り込むこと。それも1社だけではなく複数社の実績を上げることが大切です。
さらに、紹介する企業は、同業の会社で自社よりも業績の良い会社にするのが上司や経営者を敏感にさせるコツ。
これをバンドワゴン効果といいます。詳しく知りたい方は

バンドワゴン効果 - Wikipedia

を御覧ください。

■「ほのめかす」ことで想像を刺激する


さらに高等テクニックとして、「ほのめかす」という方法もあります。

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実はスショツトは、この手の番組では定番になっている「オペレーターがお待ちしています、いますぐお電話ください」という台詞を

 「オペレーターにつながらない場合は、恐れ入りますが、繰り返しお電話ください

に変更したのです。

客に対して、オペレーターにつながるまで何度も電話する必要があるかもしれない、とほのめかしているわけですから、一見、無謀な変更に見えるかもしれません。しかし、あなたがそう感じるのは、「社会的証明」の原理がもつ威力を知らないためです。
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「オペレーターがお待ちしています]と言われたときにそれを聞いた視聴者は何を思い浮かべるでしようか。鳴らない電話の横でオペレーターが退屈そうに爪を手入れしたり、雑誌の割引クーポンを切り抜いたりしていたとしたら、そこから連想されるのは、人気がなくて売れ行きの悪い商品です。

一方、「オペレーターにつながらない場合は、繰り返しお電話ください」と旨われれば、その商品の人気についてどう思うでしようか。手持ち無沙汰のオべレーターの替わりに、休む間もなく電話応対に追われる人たちを思い浮かべるのではないでしようか。
変更したほうの台詞を聞いた視聴者は、ほかの人たちが電話をしている姿を思い描いてそれに従ったのです。その人たちがどこの誰だかまったく知らないにもかかわらず、です。つまり、「電話がつながらないということは、ほかにも私みたいにテレビを見て電話している人がいるのだ」と考えたわけです。
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■実例です


この社内SNSは実際に私が使って成功しました。
もちろん、これだけでうまく行ったわけではありませんが、これもひとつのキーだったと思ってます。

さらに、このSNSを足がかりにして、社内におけるネットワークの管理やシステム開発(カスタマイズ)などを引き受けるようになって、社内における私のプレゼンスを上げるような活動をしたり、専任の保守部隊を組織するなど、ひとつの結果からより多くの効果を出したことは今までの記事をご覧いただければわかるかと。





■参考図書 『影響力の武器』



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◆その他Webリンク



 『影響力の武器』の[第三版] - マインドマップ的読書感想文
 http://smoothfoxxx.livedoor.biz/archives/52139102.html

 影響力の使い方講座 - ダイレクト出版
 http://www.directbook.jp/cin/index_af.html

 影響力の武器とは?説得するときにはこれ - DCC用語集
 http://www.direct-commu.com/terms/terms_eikyoryoku.html

 影響力の法則 影響力の武器 - YouTube
 http://www.youtube.com/watch?v=QTwgNDv6Igk


 影響力の武器:マネジャーとしての影響力は、どうすれば発揮できるのか?-Bizトレンド
 http://biz-trend.jp/article/2014/118
posted by 管理人 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 交渉術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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