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「人の好き嫌いはするな。誰に対しても一視同仁。いつでも平らに接しろ。来る者は拒まず、去る者は追わず。他人のために汗を流せ。できるだけ面倒を見ろ。手柄は先輩や仲間に譲れ。損して得を取れ。進んで泥をかぶれ。約束ことは実行せよ。やれそうもないことは引き受けるな。これを長い間、続けていけば敵が減る。多少とも好意を寄せてくれる広大な中間地帯ができる。大将になるための道が開かれていく。頂上を極めるにはこれしかない」
と、稀代の人間通である田中角栄は、いたずらに敵をっくるなと留意したわけです。秘書にも厳命しました。とにかく敵をつくるな、と。
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さて、私たちビジネスパーソンの世界に目を転じてみましょう。たとえば、会社を辞めたくなる動機で最も多い原因はなんでしょうか?
会社が嫌になった? 仕事が嫌になった? 給料が低い? チャンスを与えてくれないから? いずれも違います。
正解は、「人間関係に悩んで」「人間関係がぎくしゃくして」という理由です。たかが数人、せいぜい数十人というチームの人間関係がトラブってしまった結果、「会社を辞める」というところまで追い込まれているのです。そんな事態になったのは、いったい誰のせいかといえば、チームのせい、職場のせいではありません。自分自身のせいなのです。
職場にはいろいろな人間がいるので、中には嫌いな人もいるでしよう。それはしかたのないこと。しかし、その「嫌いな人」を「敵」にしてしまってはいけない―そこが重要なのです。
中島孝志著 『仕事ができる人の「しないこと」リスト』
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この一文は非常に共感したのでご紹介。
仕事をする上で、人間関係がうまくいかないというのは、もちろん相手の問題もありますが、本人の問題もあります。結局相互関係なので。
本人には心当たりがなくとも、相手にとって見れば嫌う理由はあるんですね。多くの場合、その人がした何気ない行為がその相手に嫌われる原因を作り、一度「こいつ嫌なやつだな」と思うと、いろんな行為が不快に映ります。それが積み重なっていつの間にか「嫌だ」が「嫌い」になり、さらに「敵視」とかいう具合にどんどんエスカレートします。
でお互いに最終的には「顔も合わせたくない」「することなすこと我慢ができない」みたいになって破綻する、と。
■嫌われないために最大限の注意をする
だからと言って、自分の行為が相手にどんな感情を起こさせるかなんて分かるわけもないですし、それをコントロールすることも不可能です。
コントロールできるのは自分の行動だけなんですよ。
ですので、注意するべきは
・特定の人とだけ親しくするようなことを公の場でしない
・すべての人には等しく、常に好意を示すようにする
・他人の前で人を叱らない
・悪い感情を人前では見せない
・すべての人に謙虚に接する
・平等目線で対応する(呼び捨てや「〜君」ではなく「〜さん」と呼んで丁寧語を使う)
ようにすることです。
※注記:これは私の週次レビューの振り返りチェックリストの一部です。
相手の態度が悪いからと言って、同じように「悪い態度」を返すとそれがどんどん雪だるまのように膨らんでいきます。
特にリーダーや管理職になる人は注意することです。
あなたの行為は他の人よりもより強い影響力があります。日差しが強ければそれだけ濃い影ができるように影響力が強ければそれだけ反発も大きくなる危険があります。
特に危ないのが管理職になりたての頃。
過去の実績が認められて、管理職という会社にとっても重要なポジションに上がって、自信満々という状態になりやすいです。
それが今まで同僚として接していた人に対して、上長としての発言(つまりは「業務命令」)を出すようになると、相手から「なんだ、あいつ」と思われやすいです。ところが本人は「上司としての威厳を見せなきゃ」と思うと、空回りするどころか逆回転することになりかねません。
注意しましょう。
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