「仕事術 完璧主義」で検索すると、ヒットするほとんどのサイトが
「完璧主義をやめなさい」
「80%を目指しなさい」
のような内容ですが、部下の仕事を評価する立場としてはかなり問題のある内容です。
■不十分な内容で「できた」といえるのか?
部下から業務報告書や技術レポートなどがよく上がってきますが、「OK。ありがと。」といえるものは多くはありません。少なくとも数カ所、多ければその殆どの部分に赤入れしないといけないくらいのレベルのものがやってきます。そうすると上司としては放置できないので、部下を呼んで指導するか、赤入れをして部下に突き返す(言葉が悪いですが)事になります。
これが面倒くさいんですよ。まったく。
でも、忙しいからといって中途半端なままのレポートにしておくと、あとで「あの時に似たようなことがあったよね。ちょっと確認しよう」と見なおした時に、大抵知りたいことが書いてない。部下も私も「確か、こんな話をしたよね」とは記憶にぼんやりあるのですが、具体的なことが思い出せない。
要するに、そのレポートは書くだけ時間も紙資源もムダだった、と。
ですので、レポートは事実を正確に抜けもれなく書かれていなければ、やっぱり訂正を要求します。80点は零点と同じ。
例が悪いですが、STAP細胞の一件でも、「本当のデータでないデータを転用した」から「レポートのすべてが嘘である」みたいになっちゃいましたね。
あるいは、あなたがもしなにかのセールスのWebページを作ったとして
「この商品は健康に非常によく聞きます」
なんて書いてある商品広告を信用しますか?
一事が万事
です。
■完璧主義とは
ここで、Wikipediaからちょっと引用★――――――――――――――――――――――――――
完璧主義(かんぺきしゅぎ、英: Perfectionism)とは、定められた時間、限られた時間の内にて完璧な状態を目指す考え方や、精神状態のことである。このような思想を持ったものや、そのような心理状態の者を完全主義者、もしくは完璧主義者(英: perfectionist)と呼ぶ。その程度(時間に対する気配りや周囲への迷惑を顧みない状態等)によっては、精神医学では精神疾患のひとつともされることも多い。
Wikipedia-完璧主義
――――――――――――――――――――――――――★
こちらの説明ならすごく納得しました。精神疾患ではない「完璧主義」の部分です。
ちなみにWeblio辞書によると
★――――――――――――――――――――――――――
物事に不十分な部分があることを許さず、不足や欠乏のない状態であることを求める考え方や性格などを指す表現。妥協を許さないさま、ほどほどの加減を知らないさま。
完璧主義とは - 日本語表現辞典 Weblio辞書
――――――――――――――――――――――――――★
ということで、時間の概念がないですね。こちらは Wikipedia の精神疾患を含んだような内容です。
こちらの概念としての「完璧主義」確かに一般に言われているように「完璧」を目指さないほうがいいです。というか、目指しても到達できるわけがありません。
■完璧を目指せ
私の言うところの完璧主義は・一定のリソース制約の中で
・考えられる限りの最高の努力
で結果を出す主義です。自分でも不十分だと思えるような結果を出して上司の手をわずらわせるなどというのは部下として上司から信頼されるかは考えてみるまでもないですね。
ただし、最初の条件のように時間などのリソースは無限にあるわけではないので、そのリソースを最大限有効に使え、ということです。
そのためにも、リソースをうまく配分したり、上司の意図している完成レベルや結果を知るために報連相の技術が必要になります。
もちろん、その人の能力やスキルが足らない部分はやむを得ません。それは指導・教育不足の上司の責任です。しかし、手を抜いた結果は部下の責任です。
手を抜く部下には相応の評価が待っているだけです。
もちろん、上司の権威やプライドのために、戦略的に「抜かしてみせる」ような場合や、その時点の重要度や優先度に応じて要求された完成度を意図的に調整するような場合はこの限りではありません。
※注記:
※重要度や優先度、完成レベルは部下が決めるものではなく、上司が決めるものです。
※相談しながら進めるのがコツです。
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