仕事をしていて一番困るのが、その仕事の目標や方針の変更です。
それが仕事の仕上げ段階になってやってくるともう目も当てられません。資料を窓から投げ捨てたくなりますね。
これを避ける方法があります。
■急な方針変更を避ける方法
経営上の問題や部門の方針、クライアントの意向などいろいろな理由で方針変更は発生します。
方針変更自体を避ける方法はありません。しかし、急に変更になるのは避ける事ができます。
抽象化した言い方をするとコミュニケーションを密にすることです。
あたり前の結論ですね。
でも具体的に「どうやったらコミュニケーションが密になるのか」ということを書いた本ってあまり見かけません。これはあまりにも単純だから誰も言わないのか、その目的(急な方針変更を避ける)で使っていないからなのかわかりませんが。
その方法とは…
報連相をする
ことです。
………すみません。単純すぎます?
でも意外とみんなできてないんですよ。
■報連相の頻度
これはつまり、「自分が必要だと思った時に報連相をする」というルールがあるからではないでしょうか。本当は
相手が必要だと思った時に報連相をする
のが正解だと思ってます。
相手の思っていることなんてわかりっこない
まったく仰るとおり。
だから、
しょっちゅう報連相をする
のが相手のタイミングにヒットさせるコツです。よく言うでしょ。
下手な鉄砲も数打ちゃ当たる
ただし、無限に弾があるわけではないので、そこは「分割報告法」という方法を使います。
■分割報告法
ある仕事を言われた時には、いくつかのタスクからなってますよね。
そのタスクには必要な情報や考えるべきことが同じく複数ありますよね。
さらに、その仕事を始めるとそれらに進捗状況ができますよね。
これをひとつづつ報告と相談をするんです。
そうすると、結構な数の報告が必要になります。
上司によってはこういうのをいちいち「いまちょっとよろしいですか?」などと言われると、「そんな細かいこといちいち言いに来なくていい!」という人もいますので要注意なのですが、たとえば、同じ方向に歩いている時に、
「そういえば××の件、いま○○について△△さんに聞いてます」
みたいに言われる程度なら、「あ、そう」で答えられます。
こういう1〜2分の会話ならそれほど嫌がられません。
※でもやっぱり嫌がる人もいるので、そこは相手を見て。
この「そういえば」というのが、意外といいキーワード。
軽いノリで話ができます。
もう一つは、
「××を考えて必要なタスクをリストアップしましたけど、いかがでしょう?」
という相談。ただし、2分以上話さないといけないのはNGです。もっと分解してください。
■オーナーとの接点を持つ
その仕事のオーナー(多くの場合上司だと思いますが、プロジェクトリーダの場合も)は、その仕事に関する情報が最も多く集まる人です。
しかしながら、オーナーは多くの仕事を抱えているので、特定の仕事について考え続けているということはありません。それは担当者の仕事だからです。
情報が集まるということは、地震が起きる危険予知情報も少なくないのですが、その仕事だけを考えていないので、流してしまっている場合も少なくないんですよ。
そのときに、オーナーの思考をその仕事に引き戻してやるのが分割報告法を使った報連相の本当の目的。報告してコメントを貰うのが目的ではありませんので、「あ、そう」とだけ答えられても失望することはありません。
こうして、オーナーの持つ情報量を引き出すことができるようになると、方針転換が急に発生することが少なくなって、事前予告付き方針転換になります。
方針転換するなど大きな変化点が起きる前というのは、実はオーナーは「どうしようか」と悩んでいることが少なくありません。それをこっそり聞き出してしまえば、あなたは事前準備ができます。
さらに、この分割報告のもう一つの目的は、あなたに仕事を言いつけられる権力を持った人と接点を多く持つことによって、その人に好意を持ってもらうことです。
接触回数が多いほど、人は好意を持つというのが心理学的な法則です。利用しない手はありません。