よくよく聞くと
「部下は一人だけなんですけどね〜」
とか。
「でも部長なんですよね」と持ち上げたりすると、「いや、こういう交渉事も仕事のうちで、その時には肩書があったほうが便利なんですよ」と。
そういえばそうだなぁ、と。
■肩書を利用する
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●名刺の重みを利用しよう
課長の自覚と周囲の見方との間に差があることのーつに[課長の名刺の重み」があげられます。部下であった時代を思い出してみてください。お客様に対してあなたがいくら一生懸命説明してもダメだったのに、課長が出てきて名刺を差し出した途端、説明内容はほとんど同じなのにもかかわらす相手が納得して、話がまとまってしまう。これは、人間が複数の人から同じ説明を聞くと、その内容を信用しやすくなるということだけでなく、むしろそれ以上に、「課長の名刺の重み」の影響力によるところが大です。
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良くも悪くも課長の影響力をわかった上で、あなたにはこのブランドカを、今後は「意識的に」仕事に活用し、行使してほしいのです。課長がからむと、あなたの会社のどんな末端社員、若手社昌一の行為であっても、対外的には一挙に讐組織としての対応をしてくれた」誠音一に変化します。あなたがちよっと□ 添えするだけで部の実績が上がったり、怒っていたお客様が納得して引き下がることがあるのであれば、「忙い臨とか「面倒」なんて言ってはいられないですよね最終的こ十ひ、それらすべてが会社ー番の手立てになり、あなたの信用や実績にもダイレクトに反映されるのです
吉江勝著 『あたりまえだけどなかなかできない 課長のルール』
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「名詞の重み」とはうまい言い方だと思いますが、前述のように他社と打ち合わせするのに、「平社員」の発言と「部長」の発言は重みが違いますよね。それだけ、会社における決定に近いというイメージができます。
これは社内でもあります。
会議で色々議論した後、「じゃあ最終決定を」となった時に、学校じゃぁないんだから「多数決で」とはなりません。それまで黙って聞いていた責任者が「では、こうしよう」と決定したことが決定事項になります。
上司と部下が議論になった時も、お互いに譲らず状態になってしまえば、
「これは課としての決定だ!」
と課長が言えば、もはや平社員には反論の余地はありません。
部門間、課間の調整ともなればますますその傾向が強くなります。
課員どうしで解決しない問題は、課長同士が話しあえばあっさり解決することも少なく無いですし、相手と議論に負けそうなら、課長や部長を引っ張りだして援護してもらうという方法が取れます。当然相手は平社員であることが必要ですが。
■タイミングを見計らってカードを切る
トランプのゲームで「大貧民」(一部では「大富豪」とも)ってご存知でしょうか。割と定番なのではないかと思いますが、このゲームの勝ち方は、どこでキングやエースを使うかのタイミングが重要です。
実際色々な交渉事を経験すると、多くの交渉事はこれと似たようなものだと気が付きます。
・場をうまくコントロールし続けること
・決定的な場面(もうすぐ上がれるなど)で強いカードを切って自分の完全コントロール下におく
のができれば、勝ち続けられます。
勝つと次の場においても有利な状況から初められるのでますます場のコントロールがしやすくなります。
会社だと色々なプロジェクト活動がありますが、1回の打ち合わせで完了するようなことはほとんどありません。
手を変え品を変えいろんな議題について何ヶ月にもわたって議論がされます。
それぞれの場(打ち合わせや根回しなどの交渉)において、自分がコントロールする技術については別の記事で幾つか方法を公開していますので、それを参照していただくとして、終局に近くなった時に、ここぞという時に、いつもの出席者よりも上位の人に出席を依頼すると自分の思い通りにコントロールが出来ます(もちろん結論はしっかり言い含めておかないといけないですが)。
上司を利用するときには、こういうタイミングで、上司に「お願いします!」と言えば上司も自分が部下を助けたような気がして気分がいいし、自分としても、思い通りにプロジェクトの決定権を握ることができるようになって万々歳です。
もし、自分が職位がある程度上になったら、部下からプロジェクトの様子を聞きながら、「ここは!」というタイミングで「オレもちょっと会議に出るわ」といって、最後に重々しく「これは会社としてこうなるべき」などと権威を傘にきた発言をすればいいです。「会社として〜」とか言われると多くの人は反論がしにくいです。
当然役員には、「全員参加でこう決まりました」といえば承認はもらえます。
こういう全体の方向性や流れを決めるタイミングというのはひとつのプロジェクトでは2〜3回必ずあります。
1回づつのゲームのターンの結果に振られるのではなく、そのチャンスを見逃さないことです。
どうやったら流れを見ることができるようになるのかについては、また近いうちに。
■参考図書 『課長のルール』
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