自己PR文をどのように書くかを解説した本をご紹介します。
関連書籍は何冊か読んだのですが、本書が一番まとまっていて、具体例も身近なものが多かったので、本書をご紹介することにします。ただし、本書は「学生が企業にエントリーシートを提出する際に書く」という講義をまとめたものなので、場面が「未経験者」という物が多いですが、中途や昇進昇格に十分応用できる内容ですし、これが「基本形」なんだと理解しやすい構成になってます。
■自己プレゼン
就職・転職活動や昇進昇格時に自己PRがうまく欠けないと、どんなに実力があっても、面接まで進めません。会社によっては、2000文字程度の自己PR文を書かせるようなところも。
単に、自己プレゼンと思っていたら、あに図らんや、意外といろいろなコツがあるものです。
中には以前のヒントでご紹介したような内容もあって、「なるほど」と関心しました。
メルマガだと長くなってしまうので、詳細目次は省略して章目次だけご紹介します。
詳細はブログ記事をご覧ください。
本日は、要約をお送りします。
■目次
●第一章 そこに読み手がいる
●第二章 内容が決め手になる
●第三章 書き方が問題になる
●第四章 事前に打つ辛がある
■目次
●第一章 そこに読み手がいる
1 自己表現文を書くということ
自己表現としての作文
作文に名文は無用
知識・学力試験ではない
課題と自己表現をどう関連させるか
2 目的のある実用文
必要な伝達内容を満たす
実用文の審査ポイント
自分を企業に売りこむ
作文する態度と方策
3 だれがどう読むか
すぺての文章には読者がいる
読み手をイメージしてみる
どう読まれるかを読む
ここで決まる作文の印象
●第二章 内容が決め手になる
1 自己を主題化する
論文まがいにするな
読み手が期待する内容J抽象的な課題のとらえ方
題を私物化せよ
2 事実と体験にものを言わせる
抽象的な題に抽象論で返す愚
自分の体験を題材にするJ広がりと深み
「論」より「事実」を
「論より事実」の練習
題材としての体験は一つでいい
3 一つだけを深く
羅列して自滅するな
「その一つ」に向き合うJ出題の定番「私の長所」
メニューではなく料理を作れ
4 分封・具象化せよ
大きく構えて失敗する
大きな題目を分割する
抽象の梯子を降りる
人間を登場させる
5 無類を目指す
類材・類想に読み手はうんざり
妄想にとびつかない
自分の体験を呼び出す
目立たぬものに着目する
観点・視点の移動
●第三章 書き方が問題になる 103
1 主題を立てる
早業師の弱点
主題を表現する最重要ポイント
2 書き出しが大事
直ちに主題に入れ
主題の呼び出しは簡潔に
プロの妙技
書き出し練習
3 冒頭に重点を置く
「起・承・転・結」と「序・破・急」
4 ムダを省く
重複、冗長を避ける
ムダを刈りこむ練習
5 短文て強く明確に
長すぎるセンテンス
文字数の目安
短文は読みやすく分かりやすい
短文表現は強い
短文は書きやすい
短文名手に学ぶ
主題・結論を先に出して「短文化」
主語を軽くする
区切れるところでは区切る
文構造をカンタンにする
短く表現する
6 誤解をまねく書き方
人物イメージに傷がつく
幼稚さが見える
実質のない言葉を連ねるな
「思う」が多すぎる
ひとりよがりは要注意
評価を下げる若者言葉
●第四章 事前に打つ辛がある 175
1 体験のエキス化
題材八分
作文題材の事前準備
体験に考察を加える
2 ポジティブな思考と表現
印象を左右する言い回し
問題指摘はネガティブの典型
主体性・自発性を疑われる受け身表現
5 一冊の本から
体験としての読書
読書エキスを加工する
4 論文も自己表現
作文と論文はどう違うか
論文も自己表現だ
無難なだけの「概括的正論」
個性なしの「司会者風まとめ」
現実感を欠く「抽象論」
問題意識なしの「他人事評論」
「項目と知識の羅列」だけ
変に力むことなかれ
■要約
受験者の側から見れば、作文の目的は自分の人物情報を提供することにある。作文はすペて自己表現文、自己の人間像を見せる文章である。
・自分の性格や能力、ことに、長所
・自分の得意なこと、好きなこと
・これまでやってきたこと、打ち込んできたこと
・ものごとの見方・考え方、感じ方
・今後の望み・抱負、活躍したい分野、就きたい仕事
●作文する態度と方策
・主題を明確に伝える
・相手を意識する
・相手を動機づける
・簡潔に正確に書く
・要点、結論は先に言う
・奇をてらわず真っ当に対処する
●内容が決め手
読み手が期待する内容にする
抽象的な課題に対しては、自分の中の「何か」と連結する
事実と自分の体験をベースに抽象概念を具体的にを語る
多くのことをつめ込まず、一つだけを深く語る
人間を登場させる
他の人も考えそうな内容(類材)にせず、オリジナリティを重視する
テーマから複数の案を考える。第1案に飛びつかない
●書き方が問題になる
主題を立ててぶらさない。主題を暗示しない、明示する
書き出しを大切に。直ちに主題に入る
重点を冒頭に書く
起承転結と序破急を活用する
ムダを省く。
センテンスは短く、明確に(1文は20〜30文字)
題材に幼稚さが出るものは避ける
重ね言葉は使わない
「思う」や「ひとりよがり」「若者言葉」は要注意
●事前に打つ手
体験をエキス化して、考察しておく
ポジティブ思考、ポジティブ表現を使う
ネガティブ表現(出題に対する疑問なども)や、受け身表現は避ける
読書経験もエキス化できる
論文でも自己表現できる。論文は客観性・論理性が大切。
概括的正論、抽象論は読み手に感動を与えない
他人ごと評価は「問題意識なし」とみなされる