自己PR文をどのように書くかを解説した本をご紹介します。
関連書籍は何冊か読んだのですが、本書が一番まとまっていて、具体例も身近なものが多かったので、本書をご紹介することにします。ただし、本書は「学生が企業にエントリーシートを提出する際に書く」という講義をまとめたものなので、場面が「未経験者」という物が多いですが、中途や昇進昇格に十分応用できる内容ですし、これが「基本形」なんだと理解しやすい構成になってます。
■自己プレゼン
就職・転職活動や昇進昇格時に自己PRがうまく欠けないと、どんなに実力があっても、面接まで進めません。会社によっては、2000文字程度の自己PR文を書かせるようなところも。
単に、自己プレゼンと思っていたら、あに図らんや、意外といろいろなコツがあるものです。
中には以前のヒントでご紹介したような内容もあって、「なるほど」と関心しました。
メルマガだと長くなってしまうので、詳細目次は省略して章目次だけご紹介します。
詳細はブログ記事をご覧ください。
本日は、キーポイントをお送りします。
■目次
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●第一章 そこに読み手がいる
●第二章 内容が決め手になる
●第三章 書き方が問題になる
●第四章 事前に打つ辛がある
■キーポイント
★P139〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
ムダのない文章で書かれた、ムダな内容のない作文はキミに多大の利益をもたらす。そのいくつかをあげてみる。
・まともに読んでもらえる。趣旨がまっすぐに伝わる。冗長・冗漫な文章は読みとばされ、くずかご行きにされかねない。
・表現と内容のムダを省こうとする、その思考自体が作文の質を高める。文例26を他人の目で見直すとき「郷里の山や川は生育の舞台装置。そんなに詳しく知りたくはない。山や川のことより、もっと自己表現の本質に迫るペきだ」といった考えに気づく。
・簡潔な文章には知的な雰囲気が漂う。書き手のアタマがよさそうに見える。いや、文章を簡潔にするプ口セスでアタマがよくなってゆくのである。
・簡潔な文を目指していれば、表現や構文のミス・乱れをまねくことが少なくなる。修飾語を多用し、複雑な構文にかまけていると、文章がややもすればおかしくなる。「なんだ、このややこしい文章は」と、内容以前のところで悪評価されるのは大損である。
・余分な言葉、余分な内容をなくせば、作文字数に余裕が生まれる。その分、自己表現の核に大スペースを与えることができる
森村稔(著) 『自己プレゼンの文章術』
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★P168〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
ここから学べることが三つある。一つは、耳や目に心地よい形容詞、カタカナ語、抽象語だらけの文を書くな、ということ。そのような文は読み手に対して無力であるどころか、マイナスに働く。
もう一つは、書き手の自己満足的な主張ではなく、読み手が求める実質情報を中心にせよ、ということ。就職作文が、仮に「私は自身をリメイクし、御社の未来をトータルにへルプしたい」といった文章で書かれていたとしたら、読み手の人事部員はどう思うか。
もう一つ、どこにでも通用する文章、だれもが書きそうな文章は書くな、ということ。
例にあげたコピーは、北海道のA ホテル、伊豆のB ホテル、宮崎のC ホテル、どこのホテルでも(表面的には) 使えそうだ。キミが自己表現文を書くときは、そんな汎用性タのあるコピーで個性を埋没させてはならない。
森村稔(著) 『自己プレゼンの文章術』
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●「思う」が多すぎる
学生の作文によく出てくる語の一つは「思う」である。これを安易に使って、文章の底を浅くしてしまっている作文は少なくない。
客観的事実や当然の帰結に「思う」をつける必要はないし、意見・考え・趣味が分かれそうな事柄を「思う」の一語で片づけるのには間題がある。「思う」だけで思考がストップしてしまうのだ。
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:(中略)
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あるベテラン読み手は、作文紙面にさフと目を走らせ、「と思う」という文末語が二つ三つ見えたら、それだけで低い点をつけるそうだ。とくに論文の場合は、そのやり方で十分だと言う。
不用意に「思う」を多用すると、ものごとをリアルにとらえきちんと思考することの苦手な人物、とみなされかねないのである。
森村稔(著) 『自己プレゼンの文章術』
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●主体性・自発性を疑われる受け身表現
われわれ日本人は、会話にも文章にも受動態(受け身)表現をよく使う。
周囲に対して受け身の姿勢をとるのが好きなのかも知れない。気にする人は少ないが、自分のことを言う際の受動態表現は、発言や文章にネガティブな雰囲気をもたらす。
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:(中略)
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欧米人が「私は税金をいくらいくら払った」と言うところを、日本人は「いくらいくら取られた」と言いがちである。前者には主体性があり、後者には被害者意識が潜んでいる。
就職試験の際、多くの学生は「A 社に落とされました。B 社にも落とされました」と言ってくる。「キミが落ちたのだ。落ちました、と主体的に言えるようになれ」と助言する。
「c 社に拾われた」「内定をもらえた」のでなく「内定をかちとった」との報告がくるのを期待する。
自己表現文の中で受動態表現を乱発して、主体性・自発性の乏しさを読み手に印象づける必要はない。学生諸君が何気なく使う受動態表現の例はいくらでもある。これは能動態の方がいいぞ、と赤鉛筆でよく印をつけたものだ。
森村稔(著) 『自己プレゼンの文章術』
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●本書を引用した記事
文章のコツ6:同じ言葉を使う
文章のコツ5:大和ことば(和語)と漢語を使い分ける
文章のコツ4:「である」調と「ですます」調
文章のコツ1:接続詞の使い方で意味が変わる
自己プレゼンの文章術2
自己プレゼンの文章術1
自己PR文で「思う」な
昇進・昇格申告書:受け身表現を使うな
自己PRは個性を主張する
結起承転結
できる人の要約力
説得力のある文章を書くための11のコツ
具体的に妄想すると考えられる
●このテーマの関連図書
メディアの仕組み
自分の言葉で語る技術
就活生のための作文・プレゼン術(ちくま新書)