文章や資料に説得力を持たせるためには、「主張が論理的に成り立っている」と思わせることが必要です。もちろん今までに書いてきた資料の作り方も踏襲することが必要なのですが、「論理破綻」しているとみられるとどの様に相手に響く資料を作ったとしても、「気持ちの上ではわかるんだけどね」となりかねません。
じゃぁ、「論理的に成り立っている主張というのはどんなものなのか」について解説したのが本書、
もっと論理的な文章を書く
です。
私は基本的に資料を作るときに、この本を参考に資料のチェックリストを作ってます。その内の一部をご紹介します。
■二項対立で構成する
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論理的な文章のナカミについて、さらに磨きをかける方法があります。とても重要な視占一ですが、意外と知られていないテクニックがあります。
それは「 2 つの観点から検討する」ということです。
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では、どうやって条文を使うか。そのときにボイントになるのが、「二項対立」で分析することです(「二項対立」を駆使することで、論理的な思考を身につける方法については、拙著 究極の思考術―あなたの論理思考力がアップする二項対立の視点15法学書院)という本で詳しく書きましたので、ご興味ある方はお読みください)。
この「二項対立」の視点を、本書ではよりわかりやすく「 2 つの観点から検討する」という方法におきかえて説明します。本書の目的は「論理的な文章」を書く方法に主眼があります。どうやって書けばいいのか、という文章を書く場面で「二項対立」を上手に使うための方法を解説します。
で 2 つの観点」というのは、どのような観点なのか。いろいろありますが、本書では論理的な文章を書くために、知っていると役立つポイントに絞ってお話をします。特に重要な「 2 つの観点」には、次のものがあります。
・形式と実質
・原則と例外
・客観と主観
・必要性と許容性
すっきりと整理された理由を示す。そのときに最低限必要な理由は 2 つです。そしてその 2 つは、 上に挙げたような「 2 つの観点」に乗せると説得力がでてくることが多いです。論理というのは、ものごとを 1 つの側面から論じるのではなく、 2 つの側面から論じることでできあがるものだからです。
木山泰嗣 著 『もっと論理的な文章を書く』
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上記引用にもあるように、二項対立というのは論理的な文章の基本構造の一つ。
つまり、まったく相反することがらを切り口として、自分の主張を切ってみせる、という方法です。
■メリットとデメリット
私の場合、技術的な方法をあるプロジェクトや活動に適用する場合につかうので、ここで著者が上げているような二項対立ではなく
メリットとデメリット
で課題を示すことが多いです。
よく売り込みなどでも、メリットしか書いてない資料は、「何か隠していることがある」と疑ってしまいますよね。それを、「〜〜のようなデメリットもあります」と書かれているとなんだか安心しますよね(影響力の武器より)。
同じことで、複数の技術を並べて、
「これらでもこの課題は解決しますが、このメリット・デメリット一覧にあるように〜〜〜」
とやると自分のやりたいことが通る可能性が高いです。
■必要性と許容性
もうひとつよく使うパターンが、この「必要性と許容性」という対立。
必要性とは、ある課題を解決するにおいて、なぜこの方法が必要なのか、あるいはこの課題を解決する必要性(コストメリットであったり、その課題が誘起する不具合であったりします)を訴えることは場面としてしばしばあります。
これに加えて、「許容性」を持たせないと説得力は生まれません。
すなわち、
それ(対策案)が実行可能な理由
それ(対策案)が受け入れ可能な理由
を示すことです。
資料において、これらが書いてあると
「お、ちゃんと検討しているな」
「考えてあるな」
と感じてもらえます。
ということで、あなたがなにかの提案を書くときに
「○○○はやりにくいので、△△△のように改善するべき」
ではなく
「○○○はやりにくい。それによって、▲▲▲のような不具合が起きる可能性がある。△△△のやり方であれば、他の問題を発生させることなく実行可能である」
と書くようにしてみませんか?
■チェックリストに追加しておきませんか
もし、あなたが資料作成時のチェックリストを作っていないのであれば、是非作ってみてください。
また、すでにお持ちなら以下の一文を追加しておくと、資料のレベルが上ったように見えます。
二項対立で説明ができているか
■参考図書 もっと論理的な文章を書く
◆アマゾンで見る
書名 :もっと論理的な文章を書く
著者 :木山泰嗣