■誤前提暗示
相手に自分の期待する結論を出させる方法として、
誤前提暗示
という方法があります。
実際使ってみると、簡単に引っかかってくれるので、結構面白い方法です。
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ありもしない前提を相手に伝えたうえで、相手の判断を自分の思い通りにコント口ールする一誤前提暗示」と呼ばれる心理テクニックもあります。
例えば、ファストフード店などで
「トッピングはポテトになさいますか、それともサラダになさいますか」
などと言われると、食べようと考えてもいなかったのに「じゃあポテト … 」と答えてしまった経験はないでしようか。
これは、人がもっともらしい前提や選択肢を与えられると、それ以外の選択肢があるにも関わらず、与えられた選択肢のなかだけで物事の判断を下してしまいやすいという人間心理を応用しているのです。
トッピングをつけることがあたかも当たり前の前提であるかのように相手をが暗示がにかけることで、ポテトかサラダのどちらかを選ばなければという心理にさせるのです。
誤前提暗示は、周りの同僚に自分の仕事を手伝ってほしい場合などにも応用できます。
「オレの仕事を手伝ってくれよ」
というふうに漠然とお願いするのではなく、
「この資料のコピーか、テキストの入カをやってくれない?」
と、手伝うことが当たり前のようなニ者択一式の問いかけをするのです。
冷静に考えれば、「資料のホッチキス止めをやる」「資料にヌケがないかチェックする」など、ほかにも選択肢はあるはずなのに、このようにふたつの選択肢を封じこめてしまうことを「二分法の罠」とも呼びます。
こうして、あなたが手伝ってほしい仕事を相手が選ぶようコントロールするのです。
また、二者択一式のお願いをするときは、本当にお願いしたいことを選択肢の最後に持ってくるとより効果があるといわれています。
これは、人間心理では、複数の事柄をリスト的に提示されると、それぞれの記憶に差異が起こり、終わりに近い事柄のことをよりはっきりと記憶しているという「系列位置効果」が起こるとされているからです。
マルコ社(編集) 著 『他人を支配する黒すぎる心理術』
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この「トッピングはポテトになさいますか、それともサラダになさいますか」は2者択一の罠とも呼ばれますし、いろいろな心理的な効果が織り込まれています。
ま、私ごときが解説するまでもなく、本書にそのものズバリが書かれていますので、そのとおりにやってみればいいのです。
ポイントは、
・自分の期待することが当然の前提として話をする
・選択肢を示すときには、最後のものを期待する結論とする
の2点。
この「誤前提暗示」は、
ゴタ消し―示談交渉人 白井虎次郎
というマンガにも出てきました。
このマンガ、テレビシリーズにもなっていて、誤前提暗示を利用したエピソードの解説はこちらにあります。
本書は交渉術の宝庫です。マンガなので軽く読めますので、一読されると勉強になりますよ。
■参考図書 『他人を支配する黒すぎる心理術』
「人を操る」とは「良好な人間関係を築くこと」につながるのです。
人間関係の悩みを解決して、円滑なコミュニケーションを行なう方法のひとつに、心理学をベースにしたコミュニケーション法が存在します。
心理学的見地から、相手の表情やしぐさ、行動を分析して心理状態を把握し、コミュニケーションに役立てる心理術のなかでも、相手を「支配する」(=操る)心理術にフォーカスしたのが本書です。
コミュニケーションとは言い換えれば「操り合い」のこと。心理学をベースにした心理誘導に役に立つ考え方や具体的なテクニックを学ぶことで、コミュニケーションスキルは大きく向上することでしょう。そう、「人を操る」とは「相手との良好な人間関係を築くこと」につながるのです。
本書では人を操るための心理学や心理テクニックを紹介するために、「心理学」「心理術」の専門家への取材を敢行。心理学の基本や相手の心を透視(見抜く)技術について紹介するとともに、メインコンテンツでは相手の行動や心理を自分の意図した方向に誘導する心理術を紹介しています。
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書名 :他人を支配する黒すぎる心理術
著者 :マルコ社(編集)
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