ビジネスメールなどで、論点を一言にまとめて見出し化している人ってあまり見かけませんが、これを心がけると2ついいことがあります。
・要約する力がつく
・読みやすくなる
■簡潔に表現する力
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●重要な部分を自分の言葉で言い換えてみる
「ここは重要だ」と引っかかりを感じる部分は、自分なりの言葉で言い換えてみましょう。あるいは、その部分の見出しを自分でつけ直してみるのも有効です。
あるいは英語などに翻訳してみる手もあります。先ほどと同じように、これも書き込みをしておきます。実際に言葉として書き出そうとすると、それが難しい作業であることに気が付くでしょう。これがクリアできるならば、その部分は理解できていると判断してもよいでしょう。もし、この文章の見出しを変えるとしたらどうなるでしょうか。一度、試してみてください。
倉下忠憲(著) 『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』
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実際、メールなどでは、
適切な表題(メールタイトル)をつけなさい
と言われるようになって久しいのですが、未だ、
ご連絡
みたいなメールを送ってくる人が結構います。
いろいろな人の意見を聞いてみると、適切なタイトルが思い浮かばないという人が結構いて、聞いてみると「考えればなんとかなるけど、つい面倒くさくて…」と言われることがあります。
なんか「やればできる子」みたいだなぁ…、と。
見出しをつけるというのは、そこでいいたい論点や主張を「簡潔に表現する」ことのトレーニングになります。
■読みやすくなる
この記事でもそうですが、適切な間隔で見出しが付いていると読みやすいですよね。
何を言わんとしているのかが、さっと見て取れるようになるからです。
これは以前にもご紹介した、スキーマというものにも関わってきます。
たとえば、以下を読んでみてください。
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新聞の方が雑誌よりいい。街中より海岸の方が場所としていい。最初は歩くより走る方がいい。何度もトライしなくてはならないだろう。ちょっとしたコツがいるが、つかむのは易しい。小さな子どもでも楽しめる。一度成功すると面倒は少ない。鳥が近づきすぎることはめったにない。ただ、雨はすぐしみ込む。多すぎる人がこれをいっせいにやると面倒がおきうる。ひとつについてかなりのスペースがいる。面倒がなければ、のどかなものである。
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何を言っているかわかりますか?
これはどうでしょう?
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●凧揚げの楽しみ
新聞の方が雑誌よりいい。街中より海岸の方が場所としていい。最初は歩くより走る方がいい。何度もトライしなくてはならないだろう。ちょっとしたコツがいるが、つかむのは易しい。小さな子どもでも楽しめる。一度成功すると面倒は少ない。鳥が近づきすぎることはめったにない。ただ、雨はすぐしみ込む。多すぎる人がこれをいっせいにやると面倒がおきうる。ひとつについてかなりのスペースがいる。面倒がなければ、のどかなものである。
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意味がわかりましたよね?
ちなみに、本文は一言一句、同じです。
つまり、全体像をイメージしやすくして、書いてあることに対する理解しやすくするという効果があります。
その結果、きちんと整理されているように見えて、相手に納得してもらえる(説得力が上がる)ようになるわけです。
■見出しの付け方を学ぶ
見出しの付け方もいろいろあります。
1.要点や主張を簡潔に述べるもの
2.論題を挙げるもの
3.本文を読んでみたいと思わせるようにキャッチーにするもの
色んなパターンがありますが、新聞・雑誌などは3.のパターンでしょうか。
仕事上の報告書やメールでよく使うパターンは、1.ですね。
以前の研修で、
・自分の会社が新聞に乗ったとして、その表題を考える
・新聞の本文だけの切り抜きを読んで、見出しを考える
・ちょっと長文の文章を読んで、章・節・項に分ける
ということをやったことがあります。十人十色の結果になりましたが、うまい人は、キャッチーかつ簡潔にまとめられて、
うまいなぁ
と関心した記憶があります。
メールを書くときでも、複数の段落にわかれるような文章には、見出しをつけるようにしてみませんか。
一石二鳥の効果があります。
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●関連 Web
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新刊告知 「ソーシャル時代のハイブリッド読書術」 | シゴタノ!
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