2021年12月27日

フォルダの同期・バックアップ方法5:バックアップを自動化すると気楽にファイルを操作できる





最近の Windows ではあまりなくなりましたが、以前の Windows では、突然ファイルが破損して、何日もかけて作ってきたファイルが一瞬にしてパア、なんてことがよくありました。また、Windows のせいだけではなく、誤操作や誤判断でファイルを消してしまう、なんてことも時々あります。

 人間だからミスはするさ…、フッ………

などと言ってみても、内心は呆然。

という時のために、バックアップを作るようにしてます。

ただ、手動でバックアップをすると、手間でもあるし、つい忘れてしまうので、タスクスケジューラに登録して、勝手にバックアップがされるように設定しておくのがよいかと。




このシリーズでは、バックアップの方法に特化して、いくつかのツールとその使い方をご紹介します。

本日は、最終回。バックアップをするタイミングと自動化について。

■バックアップは自動化が必須


ここまで、xcopy, robocopy, zcopy, FireFileCopy のバックアップツールをご説明してきましたが、私がこれらを使っているのは、すべて GUI でキックしなくても勝手に動いてくれる機能を持っているからです。GUI を使うツールは他にもいっぱいありますが、私は

 普段はバックアップを意識したくない

ために、これを完全に自動化しています。

裏で勝手に動いてくれるのが一番面倒がないし、意識しないとできないようでは、「そろそろバックアップしなくちゃ」みたいにへんに意識が必要です。忘れないようにと思うとそちらに集中が削がれてしまうので、そういった余計なことは、コンピュータが勝手に考えてくれるのが一番楽です。

そこで、バックアップはすべてを自動的にやってくれて、必要なときにはバックアップフォルダを覗きに行くだけにしておきたいわけです。

ただし、自動化のためには条件が必要です。

 ・過去にワークフォルダにあったファイルは確実にバックアップに存在すること
 ・間違って編集した履歴も確実に過去に遡れること
 ・個人のファイルは、どの PC であっても最新が操作できること
 ・ひとつの PC で操作した結果が自動的に他の PC でも反映されること
 ・差分バックアップ(変更したものだけを残す)ができること

おそらく、すべての条件において、ひとつのツールで実現できるわけではありません。
これはそれぞれのツールの問題ではなく、単なる私の個人的な都合なので、いろいろなツールをうまく使い合わせて、自分にベストの環境を構築してきました。

これらの条件を満たした上で、普段はバックアップを意識せずに、何かの失敗やトラブルの時だけ、意識すればいいようになっていることがバックアップとしての意義です。




■バックアップの起動タイミング


バックアップの起動タイミングは、バックアップが動いている間 PC の処理に負荷がかかるので、以下のタイミングにしてあります。

 ・PC起動時
 ・お昼休み時
 ・PC終了時

■PC起動時


家で個人的なファイルを編集したり、仕事をしたりした時には、家のPCと会社のPCとを同期をとる必要があります。また、同期をとった上でバックアップも作りたいので、PCの起動時には、家で編集したファイルを SD カードで持ち込んで、会社の PC と同期をとるようにしています。

つまり、

 (前日)会社のPC→SDカード
 (自宅)SDカード→自宅のPC
   ※適当に編集
 (自宅)自宅のPC→SDカード
 (翌日)SDカード→会社のPC

みたいに会社と自宅の2つの PC を SD カードを経由して同期をとっています。

なので、それぞれの PC には、起動時に SD カードからユーザのワークフォルダにファイルを同期させるような仕組みが作ってあります。

別段大した話ではなく、startup.bat というバッチファイルで

 zcopy.exe (SDカードのドライブ)\usr c:\usr

と書いてあるだけで、これをスタートアップフォルダに保存してあるだけなんですけどね。

ここは zcopy の出番です。というのは、c:\usr 以下のフォルダで、特定のファイルはコピーしたくないなどの条件があり、細かい条件を指定した設定を複数個持っているので、この設定を使い分けられる zcopy が一番有利なんです。

■お昼休み時


会社で一番多くファイルを編集しているのは午前中です。午後からは会議だとかちょっとしたタスクだとかを実行していますので、最も作業が進んでいる状態です。

ですので、この時点でバックアップをとっておくのが私にとっては一番大事。

バックアップは

 robocopy.exe /mir c:\_usr j:\usr

でネットワーク上のドライブに今の最新状態をコピーしておきます。robocopy はネットワークが調子が悪くなっても、リトライをちゃんとしてくれるし、前述の説明のように回線に負担をかけないので、他の人からクレームが出ることが少ないです。なので、ネットワーク経由のコピーはこれを使います。

さらに、

 ffc.exe (オプション) c:\_usr d:\@backup

で、ローカルの別のドライブに履歴つきバックアップをとってます。

■終了時


終了時は、前述のように自宅のPCと作業データをバックアップするために、zcopy で特定のファイルだけデータをSDカードに移します。

これが済んだら、タイムカード(PCで登録します)を打って、自動的にシャットダウンするようにしているのですが、時々忘れていきなりシャットダウンしてしまうので、安全のために、シャットダウンをしようとしたら、勝手に SD カードへの同期が起動するように設定してます。

設定方法は以下のとおり。

■終了時に特定のバッチを実行する方法


これは他のWebでも紹介がいっぱいあるので、簡単に、ですが。

・適当なバッチファイル tekito.bat を作ります
・[スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択して gpedit.msc と入力してリターンします。
・左側の窓から[ユーザの構成]-[Windowsの設定]-[スクリプト(ログオン/ログオフ)の設定] を表示します。
・その中の[ログオフスクリプト]のプロパティで先ほど作った tekito.bat のファイルを割り当てます。

詳しいやり方は、ネットで検索するといっぱい引っかかりますので、そちらをご参照ください。
※相変わらず不親切な記事だ…

■終わりに


5回に分けてバックアップについて、ツールの紹介と使い分けについて記事にしてみました。
ご参考になりましたでしょうか?

ある特定のツールというのは、使おうと思えば、いろんな用途に使えますが、それには最適な使われ方というのもあります。

自分の都合に合わせて、適材適所に配置するというのも、一考の余地のある方法かと思ってます。
その一例として読んでいただければ幸いです。

最後になりましたが、これら紹介したツールをフリーで公開して頂いている会社・作者の皆様に感謝申し上げます。

 ありがとうございます



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