2018年12月24日

文章のコツ2:接続詞の7つのパターン1





どうも日本語というのは、母国語で話し慣れているので、あまり意識しなくてもそれなりの文章が話せたり、書けたりします。

ところがちゃんと勉強してみると、以外に知らないことが少なくありません。

ちょっとだけわかりやすい文章を書くためのコツのひとつ、「接続詞」について考えてみたいと思います。
当然ながら、文章というのは複数の文で成り立っており、少し細かく見ると、文と文がつながって出来上がっています。そこで文と文とをつなぐもの、それが「接続詞」です。
この接続詞を正しく使えると、論理的・知的な文章に見えます。

前回の記事では、「しかし」「ただし」という接続詞の持っている意味について事例を引用してみました。




では日本語にはどのような接続詞があるのかを『論理トレーニング101題』から拾って整理してみました。結構長くなってしまったので、2回に分けてお送りします。

■基本的な接続表現


基本的な日本語の論理的な文章の接続表現には以下の種類があります。

 ・しかし
 ・すなわち
 ・そして
 ・だから
 ・ただし
 ・たとえば
 ・なぜなら

つまり、定義すると以下のような接続パターンがあるということです。

 ・付加
 ・理由
 ・例示
 ・転換
 ・解説
 ・帰結
 ・補足

この7つのパターンのうち適切なものを選択することによって論理的な文章接続が可能になります。どのような単語が使われるかについては、ちょっと考えてみてください。

論理的な文章では、この7つの構造接続詞で文章の良し悪し(接続方法)が判断されます。




◆付加、転換、補足


この3つは、実際に文章を作っていてもわかりにくいところがあります。
逆に言えば読む人にとってはもっとわかりにくいということですね。

そこでこの3つを適切に選択するコツをご紹介します。

 1.主張の方向が変わらない場合  ⇒ 付加
 2.主張の方向が変わる場合
  2−1.変化後の主張が大事   ⇒ 転換
  2−1.変化前の主張が大事   ⇒ 補足

がルールです。

◆付加


★――――――――――――――――――――――――――
成熟社会とは、その成員たちが多元的な価値観のもとにさまざまな経験を通して、各人の生きがいを発見し、それぞれに自分の道を歩んで行<ところにこそ成り立つ。最初からただ単一の価値観にとらわれ、  その追求がさらに能率主義によって行われるならば、人は年をとり、高齢になるにつれて、何もすることがなくなってしまうだろう。
――――――――――――――――――――――――――★


ここにハマる言葉が「付加」です。
ここでは「しかも」か「そして」「さらに」などが適切そうですね。

多分、私なら接続詞を省略してしまうでしょう。接続表現に自信がないので。

付加はこのように、省略可能な場合が少なくありません。

「しかも」と「そして」では、「しかも」のほうが後半の文章に重きがありますが、主張の方向は一定、という感じがわかりますでしょうか。

こちらは、「しかも」と「そして」で意味が変わってくるような場合。

★――――――――――――――――――――――――――
ユーモアは、まじめなことを単に不まじめに扱うことではなく、  不まじめであるかのごとくにとり扱うことによって、まじめさにつきまとう暴力的・強制的な色合いをとり除くのである。
――――――――――――――――――――――――――★


前半と後半の主張の重さ加減でこれらを選んでいることがなんとなく感じられますね。

…次回に続く。



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