■自分の主張を強化する方法
あることを主張しようとして、同じ意見を述べている著名人の発言を引用することがありますね。
たとえば、
仕事は、だれかの成果に寄与することが重要です。
と述べた時に、
かのドラッカーも「仕事は貢献に焦点を合わせるべきである」と述べています。
というように。何しろ、凡人が言うよりも、やっぱり著名人や一流と認められる人の意見というのは影響力がありますから。凡人がいくら、「悟りとはこういうものです」といったところで、「オマエごときが何を偉そうに」となってしまいますので。
引用をするというのは、自分が一流でないと認めるようなものですが、まぁその結果、自分の意見が認められれば、それに越したことはありませんから、どんどん使っていきましょう。
■先に言うか、後に言うか
ところで、以下の2つの文章を読んでみてください。
仕事は、だれかの成果に寄与することが重要です。ドラッカー教授も「仕事は貢献に焦点を合わせるべきである」と述べています。
ドラッカー教授も「仕事は貢献に焦点を合わせるべきである」と述べていますように、仕事は、だれかの成果に寄与することが重要です。
どちらが、あなたの意見にインパクトが有りました?
多分、前者なのではないでしょうか。
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さまざまな考え方があるなかで、あなたの考えに説得力をもたせるためには、どうしたらよいでしようか。
本書でお話ししているようなひとつひとつの技術を使うことで、文書の論理性を高めていくことが必要なことはもちろんです。そうしたひとつひとつの積み重ねが、あなたの文章を論理的に魅せることにつながります。
といっても、こうした積み重ねは文章全体のトーンや印象の格調を高めるための作業といえます。
これに対して、あなたの考えそのものの説得力をずばり上げる方法もあります。それは「論拠を示す」ということです。わたしたち弁護士が裁判所に提出する準備書面では、文章のなかに括弧でくくられた文章が挿入されていることが多いです。
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このときに重要なのは、書く順序です。わたしは「後出し証拠の法則」とネーミングしています(拙著『弁護士が書いた究極の文章術』法学書院ソ参照)。ポイントは、証拠を後に述ペることです。まず自分の考えを述べて、そのあとで「〜先生も××といっている」と証拠を後出しするのです。
最初にあなたの考えが示されることで、「書き手の独自の考えなのかなあ?」「ほんとうにそうなのかね?」というクエスチョンが読み手に生じます。
しかしその直後に「権威ある学者の先生も同じことをいっているんですよ」という論文を示すことで、「なるほどそうか、それなら正しそうだ」と思ってもらうことができます。
これが順番が逆だと、あなたの考えというより、その学者の先生の考えをただ引用してマネしただけという印象になってしまいます。証拠は後出しで、しかも直後にというのがよいです。今度は裁判の書面ではなく、一般の文章でみてみましょう。
木山泰嗣(著) 『もっと論理的な文章を書く』
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本書のようにポイントは
●最初に自分の主張を述べる
●その直後に権威者の同じ趣旨の発言を引用する
ように書く(述べる)と、あなたの主張が納得されやすくなるみたいです。
■引用は明確に
もし、権威のある人の主張を引用したいのであれば、
発言者
引用元
を明確に示さないといけません。
私がよくやるのは
発言者とその著書名、引用ページを示す
ことです。
正確な著書名と引用ページが書いてあると、その本を正しく引用したみたいに見えますよね。
この記事でも、ページ数まで書いてますが、多分調べる人はいないでしょう。
つまり、大事なのは、「確かにこう言ってますよ」と思わせるような引用をすることです。
「たしかドラッカーだったと思いますが、『仕事とは貢献だよ』みたいにどこかに書いてあったような気がします」
これでは、説得力どころか、不確かすぎて知識レベルを疑われかねません。
■参考図書 『もっと論理的な文章を書く』
「弁護士が書いた」シリーズで知られる著者が、説得力のある文章の「見た目」と「中身」のノウハウを大公開! |
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●本書を引用した記事
後出しの法則で信頼度を挙げる
文章のコツ6:同じ言葉を使う
論理的資料作成術:ナンバリングするすると論理的にみえる
論理的資料作成術:2つの観点で書くと説得力がでる
面接で短所をアピールする
選択肢を多くするとカスを選ぶ
出張・旅行でおみやげを買ってくる
たくさんの本を読むと話に説得力がでる
もっと論理的な文章を書く
損失回避の感情を意識する
●関連図書
究極の思考術―あなたの論理思考力がアップする「二項対立」の視点15
弁護士が書いた究極の文章術―誤解なく読み手に伝える書き方のヒント28
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