2020年07月13日

後出しの法則で信頼度を挙げる




■自分の主張を強化する方法


あることを主張しようとして、同じ意見を述べている著名人の発言を引用することがありますね。

たとえば、

 仕事は、だれかの成果に寄与することが重要です。

と述べた時に、

 かのドラッカーも「仕事は貢献に焦点を合わせるべきである」と述べています。

というように。何しろ、凡人が言うよりも、やっぱり著名人や一流と認められる人の意見というのは影響力がありますから。凡人がいくら、「悟りとはこういうものです」といったところで、「オマエごときが何を偉そうに」となってしまいますので。

引用をするというのは、自分が一流でないと認めるようなものですが、まぁその結果、自分の意見が認められれば、それに越したことはありませんから、どんどん使っていきましょう。




■先に言うか、後に言うか


ところで、以下の2つの文章を読んでみてください。

 仕事は、だれかの成果に寄与することが重要です。ドラッカー教授も「仕事は貢献に焦点を合わせるべきである」と述べています。

 ドラッカー教授も「仕事は貢献に焦点を合わせるべきである」と述べていますように、仕事は、だれかの成果に寄与することが重要です。

どちらが、あなたの意見にインパクトが有りました?

多分、前者なのではないでしょうか。




★P111〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

さまざまな考え方があるなかで、あなたの考えに説得力をもたせるためには、どうしたらよいでしようか。

本書でお話ししているようなひとつひとつの技術を使うことで、文書の論理性を高めていくことが必要なことはもちろんです。そうしたひとつひとつの積み重ねが、あなたの文章を論理的に魅せることにつながります。

といっても、こうした積み重ねは文章全体のトーンや印象の格調を高めるための作業といえます。

これに対して、あなたの考えそのものの説得力をずばり上げる方法もあります。それは「論拠を示す」ということです。わたしたち弁護士が裁判所に提出する準備書面では、文章のなかに括弧でくくられた文章が挿入されていることが多いです。
 :
 :
 :
このときに重要なのは、書く順序です。わたしは「後出し証拠の法則」とネーミングしています(拙著『弁護士が書いた究極の文章術』法学書院ソ参照)。ポイントは、証拠を後に述ペることです。まず自分の考えを述べて、そのあとで「〜先生も××といっている」と証拠を後出しするのです。

最初にあなたの考えが示されることで、「書き手の独自の考えなのかなあ?」「ほんとうにそうなのかね?」というクエスチョンが読み手に生じます。
しかしその直後に「権威ある学者の先生も同じことをいっているんですよ」という論文を示すことで、「なるほどそうか、それなら正しそうだ」と思ってもらうことができます。

これが順番が逆だと、あなたの考えというより、その学者の先生の考えをただ引用してマネしただけという印象になってしまいます。証拠は後出しで、しかも直後にというのがよいです。今度は裁判の書面ではなく、一般の文章でみてみましょう。

木山泰嗣(著) 『もっと論理的な文章を書く
――――――――――――――――――――――――――――★


本書のようにポイントは

●最初に自分の主張を述べる
●その直後に権威者の同じ趣旨の発言を引用する

ように書く(述べる)と、あなたの主張が納得されやすくなるみたいです。

■引用は明確に


もし、権威のある人の主張を引用したいのであれば、

 発言者
 引用元

を明確に示さないといけません。

私がよくやるのは

 発言者とその著書名、引用ページを示す

ことです。

正確な著書名と引用ページが書いてあると、その本を正しく引用したみたいに見えますよね。
この記事でも、ページ数まで書いてますが、多分調べる人はいないでしょう。

つまり、大事なのは、「確かにこう言ってますよ」と思わせるような引用をすることです。

 「たしかドラッカーだったと思いますが、『仕事とは貢献だよ』みたいにどこかに書いてあったような気がします」

これでは、説得力どころか、不確かすぎて知識レベルを疑われかねません。




■参考図書 『もっと論理的な文章を書く




「弁護士が書いた」シリーズで知られる著者が、説得力のある文章の「見た目」と「中身」のノウハウを大公開!





◆アマゾンで見る◆◆楽天で見る◆◆DMMで見る◆

もっと論理的な文章を書く
著者 :木山泰嗣

もっと論理的な文章を書く
検索 :最安値検索

もっと論理的な文章を書く
検索 :商品検索する



●本書を引用した記事
 後出しの法則で信頼度を挙げる
 文章のコツ6:同じ言葉を使う
 論理的資料作成術:ナンバリングするすると論理的にみえる
 論理的資料作成術:2つの観点で書くと説得力がでる
 面接で短所をアピールする
 選択肢を多くするとカスを選ぶ
 出張・旅行でおみやげを買ってくる
 たくさんの本を読むと話に説得力がでる
 もっと論理的な文章を書く
 損失回避の感情を意識する


●関連図書
 究極の思考術―あなたの論理思考力がアップする「二項対立」の視点15
 弁護士が書いた究極の文章術―誤解なく読み手に伝える書き方のヒント28
●このテーマの関連図書


弁護士が書いた究極の文章術―誤解なく読み手に伝える書き方のヒント28

究極の思考術―あなたの論理思考力がアップする「二項対立」の視点15

センスのよい法律文章の書き方

情報をさばく技術

弁護士が書いた究極の読書術

弁護士が書いた究極の勉強法―小学生から学ぶ大人の成功法則28





■同じテーマの記事

情報が聞きたければ話してはいけない

情報収集が上手い人がいます。私の場合は、つい話しすぎて、あとで「あちゃ〜」と思う場合がよくあるのですが、とくにコンサルタントを名乗るような人は大抵、核心部分の質問にうまく持ってかれます。ここには実はいろいろなテクニックがあるようです。コンサルタントの話題を引っ張る技術コンサルタントは、自分の仮説を証明する事実をラインスタッフから聞き出そうとします。ただ、大抵の場合、社外の人間に対しての発言は、結構気を使いますので、本音..

図形編集の究極技:頂点の編集

PowerPoint でこれを使っている人は殆どいない!という究極技をご紹介します。頂点の編集オートシェイプを選択すると、黄色い四角が図形の一部に表示されるのはご存知だと思います。これを移動させると、オートシェイプ図形のバランスを変えることができます。しかし、図形を自由に変形することはできません。あくまでも用意された図形の形をちょっとだけかえることができるだけ。これに対して、「頂点の編集」では、あらゆる形の変形図形を作ること..

紙と鉛筆は湯水のごとくつかう

なにかの資料やレポートを作るときに、どんな手順で資料を作ってますか?最初はデータ集めからかも知れませんが、私はまず、あらすじをノートに書くことにしてます。資料の作成ステップを理解する資料は通常はこんなステップで作成します。主張したいことを決める↓構想を練る(必要な論拠を考える)↓骨格を決める(ストーリーを作る)↓肉付けをする(論拠で必要な情報を抽出する)↓必要な情報を集める↓推敲する(論理の整合..

後出しの法則で信頼度を挙げる

自分の主張を強化する方法あることを主張しようとして、同じ意見を述べている著名人の発言を引用することがありますね。たとえば、仕事は、だれかの成果に寄与することが重要です。と述べた時に、かのドラッカーも「仕事は貢献に焦点を合わせるべきである」と述べています。というように。何しろ、凡人が言うよりも、やっぱり著名人や一流と認められる人の意見というのは影響力がありますから。凡人がいくら、「悟りとはこういうものです」といったところで、..

メモ用紙付きボールペン

ちょっとおもしろい発想のボールペンをご紹介します。メモがないとっさにメモしたいとき、「ボールペンはあるけど紙がない」「紙はあるけどボールペンがない」といった経験は、誰もがしているでしょう。このようなことがないよう、常にメモ帳とボールペンをセットで持ち歩いている人は多いかと思います。ただ、もっと気軽にセットで携帯できたら便利です。これを実現したのが、メモとボールペンが1本になったMeMo+Pメモピ本体2本+2個入り替ロール付箋1個セットです。でもこれわかってしまえば..

人の発言にはウラがある

「それじゃあうまく行かんよ」なにかの提案をした時に、こう言われた経験のある方も多いのではないでしょうか。それを額面通り受け取ってはいけません。人の発言にはその人の利益がある世の中の専門家や評論家と言われる人たちがテレビや新聞・雑誌などで色々コメントしてますね。「これからの世の中はこうなる!!」とか。それが概論的には我々シロウトでも予測できるようなことでも、ちょっとしたキーポイントや論拠をうまくつけると専門家らしくなります。..




posted by 管理人 at 04:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック