中途面接をしていて、なかなかうまい質問だな、と感じた質問例をご紹介ます。
■社風は入社してみないとわからない?
中途入社する人というのは、結構勇気が必要だと考えています。
会社の中というのは、入ってみないとわからないもので、はいる前に分かることは多くありません。
私も他社との付き合いも多少はありますが、長年お付き合いしてみて、その会社の複数の人といろいろな協業をしてみて始めて、なんとなく分かるようになります。
しかし、中途入社というのは、事前にそういうコンタクトをとれるのは、紹介派遣の人だけで、ほとんどの人は Web や転職コンサルタントからの勧めで、始めて聞くような会社に面接にやってきます。
結局、30〜1時間程度の面接官の接触だけで、その会社が自分にあっているかどうかを判断しないといけないわけです。
※もちろん、相手もその人が自分の会社にあっているかどうかを値踏みしていますが。
■チャレンジャブルな社風?
「ウチは若い人にどんどんチャンスを与えていきます」
そんなことどこの会社の社長さんでもいいますわな。
募集要項や企業PRに、「マンネリな社風です」「失敗する可能性のあるチャレンジは許しません」なんて書いてある会社は見たことがないですから。
だからといって、どんな会社でも「チャレンジ」を薦めているわけではありませんし、「マニュアル通りにやってればいいんだ」なんてところもあるでしょう(想像です)。せっかく一世一代、清水の舞台で転職しようとしているのに、そんなところに入りたくありませんよね。
若くても、チャレンジしていくことを応援してくれて、その結果が良ければどんどん昇進させてもらえる、そんな会社だからこそチャレンジしがいがあるわけじゃないですか。
■社風を聞いてはいけない、結果を聞きなさい
上記の「若くても、チャレンジしていくことを応援してくれて、その結果が良ければどんどん昇進させてもらえる」というのは、単純に
「御社は従業員がチャレンジすることを薦めていますか?」
「もし大きなチャレンジをしてうまく行ったら昇進に影響しますか?」
これを質問すれば、十中八九、「YES」と答えるでしょう。
それでは、その会社の内容はわからないんです。
昨年、面接した人に、これを聞いてきた人がいました。
「御社の管理職の平均年齢を教えて下さい」
「では、部長職の平均年齢を教えて下さい」
「ご存知の中でいいのですが、最も若い部長さんは何歳くらいですか?」
私が面接官をしていたのですが、一つ目の質問の時には意図がわかりませんでしたが、2つ目でなんとなく、3つ目でかなり確信を持って意図が理解出来ました。
つまり、結果が評価されて昇進に影響するなら、役職の平均年齢は若いんですね。あるいは、平均年齢に対するばらつきが大きくなります。また、平均年齢が若いということは、上が詰まっていない(昇進しやすい)ということです。
結果、大きな成果を出せば昇進のチャンスがある会社と判断できると考えているのではないかと。
どこで習ってきたのか、ご自分で考えたのかはわかりませんが、その会社の内部事情を聞き出すうまい質問の仕方だと思いませんか?
ある状況を聞き出すのに、「その状況であれば、こうなっているはず」という仮説を立てて、言い訳しやすい(取り繕いやすい)状況判断ではなく、数字で言える事実を聞くというのは、実際の仕事をする上でも見習うべきだなぁ、と感じました。
あなたがもし転職を考えていて、自分の望むような社風の会社に入りたいとしたら、社風を聞くのではなく、社風の結果どういう事実が観察できるのかを考えて、その事実を聞くと、案外当たるかもしれません。
■聞き方に注意
ただし、相手が失礼だと思うような聞き方をするのは NG です。
例えば上記の例で言えば、「管理職の平均年齢」などは対して失礼には当たらないと思いますが、「長く働かないと昇進できませんか?」など、面接官にマイナスの印象を与えるような聞き方は避けたほうがいいとおもいます(というか、私ならちょっと「ムッ」とします)。