仕事の悩みなどで、「役に立たない部下(同僚)」というのが結構あります。
自分も時々感じていることで、「仕事がやたら遅い」「毎度毎度同じミスをする」「覚えが悪い(憶える気がない?)」「グチが多い」などというのがやっぱりいちばん苦しいです。
当然、イチ・サラリーマンの仕事なので、「その人と一緒に仕事をしない」などということは選択できるわけがなく、もしそうしようとしても結構な手間がかかります。
もう、あんたとは仕事がしたくないんだよ!なんて、キレようものなら、ますますお互いやりにくくなるだけなので、不満をグッと飲み込んで…。でも「あ〜、ストレス!」。
■推薦書を作る
会社では毎年の部下の昇進・昇格の審査が行われます。
その時に、上司が必ず書かされるのが
推薦書。つまり、
「この部下は、こんなことができて将来有望なので昇進・昇格の推薦をします」
って書くわけです。たとえ、冒頭のように、心のなかで「役に立たないヤツ」と思っていても。
で、結局部下の昇進を推薦することになるわけですが、推薦書には、「役に立たないけどトシも年なのでとりあえず昇級させたいです」とは書けません。その人のいいところを会社の基準にそって、「××級の能力がある」と
書かなければいけない。
ムリにでも褒められるところと、その褒められるべき能力を
発揮した成果を探し出す必要があります。
これを見栄えのいい文章に仕立て上げる必要があるんですね。
■いいところが強調される
つまり、推薦書っていうのは、その人の良いところが強調されて書かれています。
こういうのを何度か繰り返していると、「気に入らない」ではなく、「冷静に相手を見る」ことができるようになります。
つまり、「気に入らない部下」に対しても、「こういういいところがある」といえるようになるんですよ。
その人の会社人としての客観的な評価です。
「いくら教えても同じミスをする」人に対しても、「言われたことを正直にやれる」と言い換えて、褒めることができるようになるんですね。
褒めることができるようになると、その人に対する見方も変わります。
感情的には気に入らないけど、この人は、こういうところが使えるので、そのように仕事を出そう
というやり方ができるようになります。
そのうちに、自分の感情的な好き嫌いというのは、ほとんど意識しなくても良くなります。
もちろん、休日にその人に会いたいかと聞かれれば、「No」なのですが。
■推薦書を作ってください
もし、あなたの同僚で、「こいつとは絶対に仕事を一緒にしたくないけど、組織的に一緒にやらざるを得ない」という相手がいたら、その人の上司になったつもりで、推薦書を作って見てください。
その人の褒めるべき所が見えてきますよ。
よく結婚式などで、「××大学でサッカー部に所属したスポーツマンで、優秀な成績で卒業され…」ってあるじゃないですか。
幽霊部員兼コンパ係だったとしても。
あのノリですよ。
尊敬する必要はありませんが、その人の仕事における特徴を褒めることで、その人に対してニュートラルな状態を作ることができるようになります。
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