よくセミナーなどで「人を褒めましょう」というトレーニングがあります。でも、実際一緒に仕事をしていると、できないところは簡単に見つかるのですが、優れているところはなかなか見つけにくい(というか表現しにくい)場合があります。
私が人を褒めるときに、以下の本に書いてあったことを参考に考えるようにしています。
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部下をほめるときには、三通りの評価方法があることを知っておくといいでしょう。
一つ目は、[相対評価」です。職場の中で、他のメンバーと比べて、どのくらいの成績を収めているのかを評価するものです。優秀な人でも、優秀なグループに入ってしまうと、相対評価は低くなります。
二つ目は、「到達度評価」です。目標への到達の度合いによって評価します。二億円の売り上げ目標で一億円の売り上げなら五○点。一億円の売り上げ目標で9000万円の売り上げなら90点です。
三つ目は、「個人内評価」です。前回の実績と比べて、どのくらい伸びたかを評価します。前年に8000万円の売り上げをあげた人が、一億円の売り上げに伸ばせば、25%増です。
このように評価の仕方は三つありますので、多くの部下はどれかに該当するはずです。それぞれの部下に対して、三つのうちのいずれかの評価基準を当てはめて、ほめてあげるようにするといいでしよう。
渋谷昌三(著) 『リーダーになる心理法則』
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人を褒めるというと、どうしても2つ目の目標値や絶対値で評価してしまいます。あるいは、自分(上司)の期待値とか。
そうすると、多くの人が合格(期待)ラインには達しないため、「ほめる」ところがなくなってしまうわけです。
逆に、相対比較すると人間というのはデコボコがあるので、割と簡単にほめるところが発見できます。
■比較優位をほめる
本書にはなかったですが、一つ目の「相対評価」においても、人より劣っていても、その人の特徴の中で相対的に優位にあれば、そこをほめるという方法があります。
たとえば、Aさんは、あらゆることを1人前以上にできる。BさんはAさんと比べれば数分の一以下だが、事務処理はまぁ最低限のレベルを超えているとしたときに、Aさんには、成果を大きくするような活動に専念してもらい、Aさんの事務処理をBさんに手伝ってもらうことで、Aさんの成果に大きく貢献しない時間を削ることができます。
そうしたときに、Bさんには「あなたがAさんをフォローしてくれているから、部門全体の成果が上がっている」とほめることができるわけです。
比較優位については、バカな上司の下でも成長できる仕事術に書きましたので、こちらをご参照ください。
■4つの視点で褒められるところを探す
簡単にまとめておくと、ほめるポイントの見つけ方は
・その人が直接知っている人との相対評価
・その人の持っている目標に対する到達度を絶対評価
・その人の過去との比較
・部門やグループ内における比較優位
の4つのポイントで褒めるところを探すと見つかるかもしれません。
■参考図書 『リーダーになる心理法則』
リーダーとは、部下の心情に的確かつ公正なスポットライトを当てる“照明係”です。「ほめる・諫める・激励する」といった巧みなスポットライト操作で「この人についていこう!」と思われるリーダーになれます。しかし、それを実践するには、心理法則に基づいた科学的なスキルが必要です。
本書では、「この人ならついていっても大丈夫」と判断される心理的要因を解説し、その活用法を紹介します。前半では、リーダー自身の個性を把握し、良い点は伸ばし、悪い点を是正するためのポイント、次に、部下の特性や言動を理解し、それらに適切に対応するスキル、最後に、リーダーの資質をバージョンアップするコミュニケーション・スキルを解説します。
今すぐ役立つ心理法則が満載。部下とのコミュニケーションに困ったとき、迷ったときに助かる一冊。
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書名 :リーダーになる心理法則
著者 :渋谷昌三
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