プロジェクトマネジメントにはリスク管理はつきものです。
ところが、ウチの会社では、「今回のプロジェクトにおけるリスクは何ですか?」と聞くと、「現場と意見が合わない」「シミュレーション環境が構築できない」とか、過去に起きた問題をリスク視する情報はあまり上がってきません。
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仕事の段取りを考える上で必ず意識したいことは、先をイメージして、想定の範囲を広げるということです。
ここまでご紹介してきた役割分担や予算、スケジュールなどもそうですが、トラブルが起こらないように、どのように予防するのかというリスク管理や、最悪そのトラブルが起こったらどうするかというトラブル管理について想定しておくことがさらに段取りよく仕事を進めるためのボイントになります。
まずは、リスクについてイメージを膨らませます。
仕事を進めていくにあたって、どのようなリスクが考えられるかを洗い出すのですが、もしもを考えるとキリがなくなってきます。
そんな時は、リスクを洗い出す視点を絞ってあげましょう。最も大切なのは、「目的・目標リスク」です。当初掲げていた目的や目標が達成できなくなるというリスクです。他にも、大幅にスケジュールを超過するといったような一期間リスク」や、予算超過に陥ってしまうとか、人手が足りなくなるといった「資源リスク」もあります。
リスクが洗い出せたら、それらを影響度と確率という視点から評価します。ここで有効なのがリスク分析マトリクスです。
吉山勇樹(著) 『アウトプットが10倍増える!スピード段取り術』
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■リスク分析マトリクス
リスク分析マトリクスというのは、リスクのリストを縦軸に取り、横軸に
発生確率
影響度
総合判定値
予防策
対応策
などを書きだしたものです。
「総合判定値」というのは、発生確率と影響度を数値化してその掛け算で表される数値で、これが一定値以上のものは何らかの対策を取るように義務付けるというものです。
まあ、数値化するのが難しい場合は、発生確率が高く、かつ影響度も大きいと思われるものを抽出しても構いません。
■予防策
予防策というのは、そのリスクの発生原因を考え、発生原因に手を打つことによって、発生確率事態を下げるかなくしてしまうための方策です。
ただ、ここで、「コミュニケーションミス」などと中途半端な言葉を上げてしまうと、予防策としては効果が出ませんので、そのリスクは結構具体的なものが必要です。リスク事態が抽象的な話だと、対策も抽象的になってしまって、結果として有効な予防策が取られないことになります。
■使われないリスク管理
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影響度も確率も高いものについては、予防をしっかり行い、起こった場合にどのような対応策を打つべきかを検討しておきます。
すべてのリスクを予防できればべストですが、優先順位をつけ、メリハリをつけることも大切です。
評価ができたら、なぜそのリスクが起こるのか?という原因を追究します。
火元がわかれば消化活動ができるように、予防策や対応策が想定しやすくなります。
これらを統合して、リスク管理表としてまとめておくことで、トラブルが起こったとしても、想定の範囲内であれば、的確な行動ができるものです。
吉山勇樹(著) 『アウトプットが10倍増える!スピード段取り術』
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理屈は全くそのとおりなのですが、冒頭に書いたように、私の会社ではここまでしっかりリスク管理はできてません。なぜなら、そのまえに業務をどのようなプロセスで実行していくかがみんなの頭のなかに明確な合意ができていないから。それは取りも直さず、リーダーの資質に依存したプロジェクト管理になっているからです。
リスク管理の一般的な理屈について、おおまかに説明してきました。
しかし、プロジェクトマネジメント自体に行き当たりばったりなところがあるようなレベルだと、リスク管理なんて大したことはやれません。
そこで次回は、私が社内で自分の統括するプロジェクトだけに適用しているリスク管理の方法をご紹介します。
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スピード段取り術2
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目次
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