仕事をしていると、いろんな問題にぶつかったり、上から大変な課題が降りてくることがあります。
たとえば、「なかなか営業成績が上がらない」や「上司に認められる提案が出せない」とか。
上司として部下にいろんな課題を出すのですが、まったく行動が起きない人がいます。
私の仕事で言えば、「ユーザからの要望対応状況がわかるシステム」を要求した時に、1ヶ月してもなんの変化もない人。
だいたいこういう人は、言われたことや自分が直面している問題を元の大きさのまま処理しようとして、途方に暮れていることが少なくありません。
「どうやったら営業成績が上がるだろうか?」
なんて考えても、良くて行き当たりばったりな活動をして、「色々やったけどダメだった」みたいな結論になる人がいます。
まぁ、相手が同僚であれば無理して助けてあげることはありませんが、部下だったり後輩だったりすれば放置すれば、自分に火の粉が飛んでくる可能性もありますので、「何をしなさい」的な指導をします。
しかし、実際は「何をするか」が重要ではなくて、どのように考えるかが重要。その「考え方」わかっていれば、他の様々な問題に同じ考え方が適用できるからです。
ある課題について、「考える」というのは、四則演算に例えられます。四則演算のフレームワークの概要は以前の記事発想フレームワーク:四則演算に書きました。
本日はその「わり算」のフレームワークについて。
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A 君は、朝から夜遅くまでまじめに働く通信会社の営業マンです。しかし、営業成績は伸び悩み、長時間労働とストレスから心身ともにいっばいいっばいです。「いろいろ試してみたが、思うように改善しないし、このままではダメになってしまうのでは」と悩んでいます。しかし、この情報だけを頼りに「どうしたらいいでしようか?」と聞かれて答えられる人はいないでしよう。まずはもっと正確に問題を把握するために、間題のわり算必要です。
そこで、さきほどの 5W2H に沿って質問をしていきます。
●Why―「何のために、営業成績を上げたいのか?」「なぜ、ストレスを感じるのか?」
「営業成績を上げればト司から褒められ、周囲からも頼られるし」
→ 「がんばって遅くまで働いているけど、成績が L がらなくて、みんなから手際が悪いと思われているだろうし」
→→ 「好きなスポーツもやらずに、仕事以外何もできない状態だから」
→→
●When―「1日はどのような流れか」「どのくらい時間がかかるか?」「ストレスを感じるタイミングはいつか?」
「営業のための時間は(見込み顧客のリストアップ、コール、提案や見積書の作成、商談、クロージング、アフターフオローなど)で、各々○○時間くらい」
→ 営業でない仕事の時問(社内行事への参加、会議、報告書の作成、移動時間)は○○時間くらい」
→→ 「プライべートの時間(食事、通勤、人浴、睡眠、読書、テレビ、散歩など)は ○ ○ くらい」
→→ 「ストレスは営業ミーティング、 1 人で居残って仕事をしている時など」
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:(中略)
:
このように 5W2H の軸に沿って、どんどん質問をしていくと、今まで見えていなかった間題の「根本的な原因」がいくつも見えてきます。
たとえば、前述のような質問をしていくうちに、営業成績が L がらない原因を、「単価が低い新規の顧客ばかりを開拓している」「そのため、営業効率が悪く、時問がかかっているわりに数字が伸び悩んでいる」と特定できるかもしれません。
また、ストレスの原因が「営業成績の悪さだけでなく、長時間労働と通勤時間の長さによってプライべートの時間が圧迫され、仕事の疲れを解放する時間がないこと」と推察できるかもしれません。
問題の原因が特定できれば解決策のアイデアは比較的容易に生み出すことができます。
一番重要なのは、「間題そのものではなく、どこに問題があるのか?」ということなのです。問題点を探し当てれば、問題の半分は解決したようなものです。
それにもかかわらず、間題点を探す前に、表面的な間題だけを見て「努力が足りないんだよ、がんばれ」というような精神論では、こうした間題は解決しません。
営業にしろ、生産現場にしろ、効率が悪いのは、努力や根性が足らないからではありません。全体のパフオーマンスを大きく下げてしまうボトルネックがどこかに隠されているからです。分解によって、どんどん問題を細分化し、ボトルネックの場所を探し当てましよう。それが、見つかってしまえば、解決は時間の問題なのです。
永田豊志(著) 『革新的なアイデアがザクザク生まれる 発想フレームワーク55』
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まぁここに全てが書いてあるので、私ごときが追記するようなことはないのですが、ある特定の視点で問題を分解していき、そこででた問題を更に具体的行動が明確になるまで分解していくことで、問題の解決に結びつけるわけです。ただし、注意すべきは、問題の解決はひとつの行動だけで解決に至ることは殆ど無いということです。
つまり、こうして分解した問題に対応する数多くの行動によって、最終的に問題が解決されることになります。
よく、インターネットの質問コーナーで問題点と対応のQ&Aがありますが、あの短いやりとりだけで問題が解決していくというのは、実際の業務の課題についてはあまり多くはないと思います。いろんな問題が複雑に絡み合っているので、それを丁寧に一つづつ解決していくことが最終的な成果につながります。
問題の見方については、5W1Hだけではなく、別記事ものの見方の10パターンも参考にしてもらえるといいかもしれません。
ご参考まで。
■参考図書 『革新的なアイデアがザクザク生まれる 発想フレームワーク55』
本書は、ビジネスパーソンにとって、これからの時代のもっとも重要な知的ウェポンとなるクリエイティビティを磨くための発想力、アイデアを生み出すためのフレームークを提供するものである。
ロジカルシンキングや地頭力はもちろん重要だ。しかしそうした「左脳型発想術」だけでは、改善はできても大きな成果は望めない。八方ふさがり状態であってもブレイクスルーを起こし、大成功を引き寄せるには、前例や従来の固定観念をくつがえす「右脳型発想術=第六感発想術」が必要だ。
従来のアイデア生成の本は広告関連など元々クリエイティブな仕事をしている人向けが多数だった。そのため、アイデアづくりが日常業務となる専門職以外の読者にとっては、もっと短時間で実務に使えるアイデア発想方法が切望されてきた。
本書は、一般のビジネスマンやOL、経営者や勉強に熱心な読者に対して、フレームワークを駆使した「短時間」で「最大の成果」を生むためのアイデア作成方法を解説する。
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書名 :革新的なアイデアがザクザク生まれる 発想フレームワーク55
著者 :永田豊志
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