「シンボリックリンク」ってご存知でしょうか。
UNIXを使ったことがある方ならよく使う機能でしょうけど、Windowsでは(多分)WindowsVistaから実装された機能であまり馴染みが無いかもしれません。
かくいう私もWindows7のころは殆ど使ったことはなく、もっぱらショートカットファイルを使ってました。
■一箇所にファイルを集める
過去記事にも書きましたが、ファイルのアクセスやバックアップはファイルがひとつのフォルダに集中している方が便利です。そこに行けばすべてがある状態というのは、運用上とても楽ちん。
また、複数の PC を運用していると、「このPCでは H ドライブ」「この PC では Q ドライブ」などと考えながらアクセス先にたどり着くのも面倒で、機械的に作業できないと結構ストレスだったりします。
もちろん、意識するほどもない小さなものですが、意識せずに済むのならそのほうが楽。
ところが、ファイルを一箇所に集めようにも、ハードディスクの容量には制限があってなかなか集中させることができません。
そこで、役に立つのが、ショートカットファイルやシンボリックリンクといった環境ごとの違いを吸収してくれるような機能です。
■ショートカットファイル
ショートカットをつくると、あるファイルにアクセスするのに、そのファイルの場所を意識する必要がありません。
c:\users\myname\document\commonfile.doc
というファイルがあって、これを開きたい時に、いちいち新たにエクスプローラを開いて、このパスを順番に辿って…、というと面倒ですね。
そこで、デスクトップにこのファイルへのショートカットファイルを作っておけば、いきなりファイルが開けるようになります。
さらにこのショートカットを UNC 表記すれば、どのPCからでも同じファイルにアクセスできます。
\\MYPC001\c\users\myname\document\commonfile.doc
これがショートカットファイルの主な使いみちです。
ただし、これはファイルについては便利なのですが、フォルダについてはそうは行きません。
\\MYPC001\c\users\myname\document\
へのショートカットを作っておけば、そのフォルダにアクセスできますが、これは一旦エクスプローラを開かないとできません。つまり、対象となる本体のある場所を意識しない訳にはいかないわけ。
■シンボリックリンク
シンボリックリンクは、この「結局はファイルの場所を意識する」必要ががまったくなくなる方法。
c:\users\myname\document\commonfile.doc
にファイル自体があるとき、
c:\users\myname\document\commonfile.doc
でも同じファイルにアクセスできるようになります。
一番わかりやすいのが、フォルダにシンボリックリンクをつけた時。
c:\users\myname\document
のシンボリックリンクを
c:\usr\doc
の下に置くと、
c:\usr\doc\commonfile.doc
というファイルが見られるようになります。
これなら、ファイルの場所がどこにあろうが、すべてのファイルがひとつのフォルダに集まっているように扱えます。
ただし、シンボリックリンクはネットワーク上のファイルやフォルダは扱えません。
このため、私は主に HDD 環境の違いを吸収するために扱ってます。
■作り方
作り方はとっても簡単。
実態のあるフォルダを右ボタンで、リンクを作りたいフォルダにD&Dして、「シンボリックリンク」を選ぶ
だけ。
コマンドラインから mklink というコマンドを使っても作ることができます。
■おまけ:ジャンクション
おまけに、ファイルの実態をあるフォルダの下においておくこともできます。
これは「ジャンクション」と呼ばれる機能です。
こちらも C ドライブのディスク容量がすくない PC などでは結構便利な機能。