『他人に軽く扱われない技法』という本に、ちょっとマネジメントのヒントになりそうなことが書いてありましたので共有。
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●怖い顔をしていれば人はおとなしく従ってくれる
「ダルカチと 60 人のモンゴル人」という言葉がある。
ダルカチとは、知事とか総督という意味である。
世界最大の領土を征服したジンギス・ハンの軍勢は、ーつの州なり都市を支配しても、ダルカチー人と、親衛隊をわずか 60 人しか置かないことにしていた。
これが「ダルカチと 60 人のモンゴル人」の原則である。
「あれ、ずいぶん少ないんだな」と思われる読者がいるかもしれない。なにしろ、モンゴル軍が征服した地域には、サマルカンドやボハラといった、当時でさえ人口 100 万を超える都市が含まれているのだから。
いくらモンゴル人が屈強とはいえ、ひとたび反乱が起きればひとたまりもない。しかし、反乱はまったく起きなかった。被征服地の人たちは、みな羊のように従順だったのだ。これはなぜだろうか。
その理由は単純で、もしダルカチや 60 人のモンゴル人のうちの、だれかー人でも殺されたということになれば、日を麗かずしてモンゴル高原から何十万という精鋭騎馬隊が馳せつけ、その町に生きている人すべてを皆殺しにするからである。
これは怖い。
事実、ジンギス・ハンは、反乱によって自分の腹心が殺されるようなことがあれば、絶対に許さずに、大量報復を行っている。
典型的な例が、現在のアフガニスタンにあるゴルゴラの大量殺戮である。
このときジンギス・ハンは、「生きとし生けるものすべてを 3 日以内に皆殺せ」と命令したのだが、 3 日後に視察したとき、ー匹のネズミが走っているのを見て、「まだ生きものが残っているではないか」と烈火のごとく怒り、司令官の首をはねたとさえ旨われている。
モンゴル人の支配は、万事がこのようであるから、被征服者たちも怯えて、とても反乱を起こすことなどできなかったのである。
賢明な読者には、怖い存在に対しては、人はおとなしく従うのだ、というルールがおわかりいただけると思う。やさしい顔をするより、怖い顔をしているほうが、相手を動かすのにてっとり早い方法なのである。
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人にナメられるのが嫌なのであれば、怖がられる存在になればよい。
自分が決めたルールは絶対に遵守させ、守らないヤツがいるときには絶対に許さない、という断固とした態度をとっていれば、人は従ってくれるのである。
内藤誼人(著) 『他人に軽く扱われない技法』
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流石に、管理職やリーダーとして、恐怖政治を敷くのは、昨今の風潮からしてまずいとは思いますが、普段の仕事の中でも、すぐに怒り出す人や、大声をだす人はいて、そういう人に何かお願いをしてやってもらうのは、あまり気が進まないものです。
その人の気に障ることがあればトラブルになりますし、なるべくなら「触らぬ神に祟りなし」で済ませたいと思う人も多いのではないでしょうか。
これは管理職でも同じで、たとえ部下であっても、怖い人はやっぱり怖いです。上司だからといって誰にでも強く出られるわけではありません。とくに私は実力行使には昔から弱くて、ビビリ君だったのでそういう傾向が強いですが。
逆にこういうタイプの人が上司だったりすれば恐怖政治は確定かも。怖い上司に対してはひたすら恭順姿勢を示しておくのが生き残るコツだったりする。
つまるところ、「こういうこともできる」と思わせれば(相手をビビらせれば)管理は楽になるということです。
もちろん、それで自由闊達な組織になるかどうかは別ですが、上司の能力が高ければ、軍隊式の命令=実行のほうが行動力がでるので、成果も出やすいものになります。逆に上司の視野が狭かったり能力が低ければ、成果にはつながらずに、辛いだけの会社になってしまいますね。
もし、恐怖政治の傾向のある上司を持ってしまったりしたら、上司の能力や組織・会社内の位置をよく調べて、やばいと思ったら逃げ出す算段をしたほうがいいかも、です。
■参考図書 『他人に軽く扱われない技法』
内藤誼人(著) 他人に軽く扱われない技法
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書名 :他人に軽く扱われない技法
著者 :内藤誼人