過去記事でも何度か触れてますが、上司や仕事の依頼者に対しては、ホウレンソウが仕事の手戻り削減に大きく寄与します。
■完璧を目指さない
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●「完壁」を目指さず「修正」を織り込む
指示された仕事を、完壁に仕上げるまで提出しないという人がいます。主に責任感の強い、まじめな人にありがちな傾向です。
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あなたの周囲にもいるのではないでしょうか。
仕事をきちんと完全に終わらせたいという気持ちを持つこと自体は、悪いことではありません。しかし、彼らが黙々と進めていた仕事が、仮に依頼者の望むものとまったく違う方向を目指していたとしたら、どうでしょう。
こばやしただあき(著) 『仕事のムダを削る技術』
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「ようやく完成」と思って上司や関係者にレビューしたら、指摘点がいっぱいあって、また習性が必要になる。修正したら前後との整合が取れなくなって、そこも修正…。
こんなこと、私には日常茶飯事でした。
「提出期限は○月○日まで」ということで、その前日に仕上げて上司にレビューしたら、上司は資料をパラパラっとめくっただけで「アカンこんなもん!」。
はい。徹夜決定! …ということも。
■修正を織り込んだ計画を立てる
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だから、頼まれた仕事は、だいたいのところまでが完成したところで、早めに依頼者や上司に確認して、必要があれば修正できるように備えたいものです。
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仕事に「修正」はつきものです。だから、最初から「完壁」を目指すよりも、途中に修正のプロセスが入ることを織り込んで進めたほうが、結果的には完成度の高いものに仕上がることが多いわけです。
こばやしただあき(著) 『仕事のムダを削る技術』
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ところが、大抵の人はこれができないことが多い。
幾つか原因があるのですが、一番の問題は仕事のアウトプットの作り方です。
■段階をおって詳細化する
何かのレポートを作る時を例にとって考えてみると、「レポートを作りなさい」と言われると、レポート用紙(ワードとか)を開いて、頭から書き始めるひとが多いですね。
こうして頭から書き始めると途中段階で見せようとしても、「はじめに」の章しか出来上がってなくて、それを見せられてもコメントのしようがありません。逆に「はじめに」の章は、全部がちゃんとで書き上がっているんですよ、これが。
見せられる人は、
1.「どういうレポートを書くつもりなのか」が知りたい。
2.次に「目的と結論が期待通りか」を知りたい。
3.次には「必ず盛り込まなければいけないことが書かれているか」を知りたい。
4.最後に「計算に間違いがないか」を知りたい
わけです。
なのに、「はじめに」だけでは何も判断のしようがないわけです。で、結果ほとんどできあがってから、「こんなこと要求したんじゃないだろ!」と言ってしまうわけですね。
なので、すべての仕事は
概要を決める
骨格を決める
キーになるところを詳細化(肉付け)する
全体を詳細化する(文章化)
全体の整合を整える
のように全体を見ながら段階的に具現化していかないとホウレンソウもしようがない、というわけ。
修正を織り込むためには、修正するに値するものを出してからですね。
完璧に作るのではなく「概要を作る」ことに注力すると、手戻りが少なくなります。
イメージは、
「概要1」を作る
「概要1」の中のもっとも重要な「概要1−1」を作る
「概要1−1」の中のもっとも重要な「概要1−1−1」を作る
を繰り返すイメージで仕事をすると、手戻りが少なくなりますよ。
これはホウレンソウのメリットだけでなく、細部に目が行ってしまって、全体の整合が取れなくなるという問題点も解消してくれます。一石二鳥。
■8割完成を繰り返す
ちなみに本書『仕事のムダを削る技術』では、「8割完成を3回繰り返しなさい」と書かれています。そういう見方もできますね。
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考え方としては、八割完成を三回繰り返すことを行うような感覚です。
一回目の仕事は、80% の完成度を目指し、そこまでできたらチェックを仰ぐ。
次に、100% から 80% を引いた残りの 20% の仕事を、80% 完成させる。つまり、二回目の仕事は一回目の 16%。一回目()80% にこれを足せば、仕事の完成度は 96%です。
さらに残りの 4% の仕事を 80% 完成させると 3.2% 。2回目までにこれを足して、仕事の完成度は 99.2% になるのです。
完成度を高めたければ、さらにチェックを重ねればいいだけです。こうして、完成度は限りなく 100% に近づくはずです。
つまり、修正を繰り返せば、仕事の完成度や質が高まるということです。はじめから完壁を目指す必要はありません。むしろ、何度も修正していくことを予定に組み込んでおきましょう。
こばやしただあき(著) 『仕事のムダを削る技術』
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私のように、8割→上司に見せたらゼロ割、みたいなオチはよほどの例外だということですかね?
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