2015年12月30日

昇進面接:申告書は隙間をコントロールする




転職では「応募書類」「エントリーシート」「履歴書」、昇進・昇格では「自己申告書」などと呼ばれると思いますが、「自分の職歴は○○で、こんな実績がある」とかくやつ、ここでは全部ひっくるめて「申告書」と呼びます。

■申告書の空白


私は、申告書を審査する側になって随分になります。いろいろな申告書を見てきましたが、残念な申告書が少なくありません。今、思い出すと

 ・自由記述のところに空白が多い
 ・日本語として文章が成り立ってない
 ・句読点の位置がおかしい
 ・誤字脱字や、送り仮名間違い

まあ、下の3つは論外なのですが、一番最初の「空白」というやつは結構厄介です。私が初めて申告書を書いた時には、当時の上司(厳しい人だった)に徹底的に直されました。

たとえばこんなのはどう見えるでしょうか

★――――――――――――――――――――――――――
 あなたの職務における目標・計画・成果を記述してください
 ┌――――――――――――――――――――――――┐
 |○○年に△△△のプロジェクトのリーダーを務めた。|
 |                        |
 |目標通り、●●%の改善効果をだすことができた。 |
 |                        |
 |                        |
 |                        |
 |                        |
 |                        |
 |                        |
 |                        |
 |                        |
 |                        |
 └――――――――――――――――――――――――┘
――――――――――――――――――――――――――★


四角で囲んだ部分が記入エリアだったとして見てください。その場で、NGを出すことはありませんが、かなり減点です。
※さすがにここまで強烈な事例は実経験としてはありませんが、これに近いものは見たことがあります。

内容については、またそれはそれで課題があるのですが、今回の記事で問題にしたいのは、空白の多さです。

■アピールする気があるの?


申告書は、自分の能力をアピールして、面接官(審査官)に、「おお、こいつはやる気があるな」と思わせることも目的のひとつです。
しかし、この例みたいな申告書では「アピールする気あるの?」と思っちゃいますよね。つまり、面接に合格する気がない、と。

合格したいのなら、些細な事まで含めて、一生懸命アピールすることはたくさんあるでしょうに、というのがこういう申告書を読んだ所感。
※ついでに担当上司に「もうちょっとまともに指導しろよ…」とかも思っちゃいます。

書類にある領域がとってあって、そこに何かを書きなさいと言われたら、その領域一杯を使って書くと印象が良くなります。
ただし、文章を引き延ばすための意味のない接続し・形容詞を加えてはいけません
概要や重要なポイントは、空白領域をうまく使って、目立つようにすること。

この3つのことをするだけで、書類の印象はぐっと変わります。

■削って入れる


空白の使い方や、無意味な形容詞については過去に書いたので省略して、「領域を一杯に使う」について、私が申告書を書く部下に指導しているのは、加えるな、削れです。

200字の申告文を書こうと思ったら、下書きは400〜600字を書きます。その中で、重要な事だけを文章になるように抽出していくと、いい申告書ができます。
逆に、元が100字の申告文だと、ガサガサになってしまうので、いろいろな埋草(うめくさ)をすることになります。たとえば、

 ●●%の改善効果を出した
    ↓
 関係者の知恵と努力により、目標を大きく超える「●●%削減」という過去にない大きな改善効果生み出すことに成功した。

みたいな書き方になってしまいます(さすがにここまでの申告書は見たことがありませんが)。

文章は削るのが基本で、指定された範囲一杯を使って書かないと、「手抜きをした」のように見えてしまいます。

posted by 管理人 at 11:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 面接技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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