上司から、「それ、オレの仕事なの?」と思えるような仕事を振られる時があります。
そのときに、その気持をストレートに言ってしまうと、上司としては気分が良くありません。当たり前ですが、やっぱり人から拒否されるのは気持ちのいいものではないので。
■上司の悩みを理解してあげる
実際、管理職になってみるとわかりますが、上司のところにはいろんな問題が持ち込まれます。自分で気がつく場合も少なくありません。
というか、管理職は会社や部門の運営の一部を任されているわけですから、自分の部下の専門外の問題もいっぱいあるわけです。
で、それを解決していくのが管理職の任務(それで評価される)なので、なんとかしないといけないわけです。
たとえば、営業部で、営業の報告書がそこら中に散らばって置いてあって、体系的・時系列的に見ることができず、部門としてのノウハウ蓄積が進まないとすれば、グループウエアであったり、文書管理システムみたいなものを導入していくという解決策がでます。
しかし、営業部門を任されていれば、当然「文系」の人ばかりで、システム導入なんてだれもやったことがないでしょうし、専門家に頼めば相応のコストが掛かるわけです。
コストがかかるということは、それによる効果を説明できなければ、導入できません。
つまり、「小さく・安くトライアル」みたいなことは、ある程度そういうものに精通した(勉強したことがある)人でなければできるものではありません。門外漢集団でやろうとしても失敗します。
しかし、上司はその問題をなんとか解決しないと、組織としての成果があげられない。
で、思い余って、「だれでもいいや、とりあえず勉強レベルでもいいから振ってみよう」。
となって、「○○君、ちょっとこういうことやってくれない?」になるわけ。
いわゆる、ムチャ振りというやつですね。
部下から見れば、「上司はムチャばっかり言う」になるのでしょうけど、上司は上司で結構悩んでるんですよ。自分のわからない技術をなんとか使えるようにしないといけないんですから。もちろん、なんにも考えてない場合もありますけどね。
■財産を作る
単に、「これ、コピー取って」とか、「このレポートをグラフにして」など、ほんとに便利屋的に上司が指示している場合は当てはまりませんが、全く専門外のことを要求された時に、
チャンス到来
だと思うようにしてます。
個人的経験ですが、私は製品の組み込みソフトウェアの設計を担当してました。そんな時に、当時の上司から「工場の情報システムを作れ」という指示を受けました。後で理由を聞いたら、「お前が目の前でウロウロしていたから」だそうです。
「それって、オレに言う仕事かよ!?」
と思いますよね。組み込みソフトウェアと情報システムの構築なんて畑違いもいいとこです。
しかし、現在では工場の情報システムの社内第一人者になっちゃった。もちろん、他の記事で書いたようにいろんな活動をした結果でもあるのですが、トリガになってくれたのは、この上司のムチャ振りにあったわけです。
上司が誰に振ったらいいかわからない問題というのは、要するにその技術を持った人がいないということで、その技術があれば、会社なのか部門なのかわかりませんが、組織の第一人者になれることが確実なわけです。他に競争相手がいないんですから。
これはかならずあなたの財産になります。
別記事で▼字型スキルを持つという記事を書きましたが、自分の専門外の仕事はスキルが横に広がったり、スキルの橋頭堡ができ、▼字型スキルを作るチャンスなんです。
「それって、オレに言う仕事かよ!?」と思ったら、チャンス到来だと判断しましょう。
もちろん、過去の経験は使えない場合が少なくないので、必死になって勉強をしないといけませんがね。