会社にはいろいろな規則(ルールやガイドライン)があります。
大抵の人は、すべての規則を覚えていません。
ここに意外と落とし穴があったりします。
■規則にはばまれるプロジェクト
「これ、やっていいんだろうか?」
「○○をやってみたいけど…」
仕事をしていると、個人的には過去にやったことがないようなことをすることがちょくちょくありますが、それに着手してから(あるいは、完成してから)他の人から、「それウチじゃあご法度だよ」と言われることがあります。
「もっと早く行ってくれよ」
とは思うのですが、その規則があったことを知らない人が、何をしているかなんて他の人は知りません。アドバイスのしようもない。
ましてや、規則を知っている人が頑張って広報活動をしているかというと、「社内Webで公開しているでしょ」とかのレベルで、そんなもんいちいち調べますかいな。
で、そこそこ進めて、公開できる状態になったら、みんなに公開したら、「そんなことやっちゃあダメじゃん」と言われて、せっかくやったものはオシャカ。
■モラルを限定的に解釈すると規則になる
でも、実際やっている人は実はその規則にうすうす気がついてます(意識するかどうかは別にして)。
その会社で暗黙のルール、いわゆるモラルや規範、ポリシー、理念みないなものがありますよね。
規則は基本的にそれらの暗黙のルールなのかで、最低限、絶対に守ってほしいことを文章化したものになっている場合がほとんどです。
なので、10年もその会社にいれば、「これはウチの会社ではちょっと異質だな」と感じたことは、実際どこかに規則化されているわけです。
たとえば、「サービス残業はいけない」とか「残業時間のごまかしはいけない」というのは、まあどこの会社でもおおやけにはそのとおりでしょう。そこで、ルールとしては、「他人のタイムカードを押してはいけない」という規則が出来上がっているわけ。
■規則を拡大解釈するとモラルになる
「モラル→(限定)→規則」の関係は逆もまた真なり。「規則→(拡大)→モラル」。
このときに、規則には書いてない微妙な線の行動が危ない。
これは、解釈する人によって変わるということです。
部下が「これは規則に書いてないからOK」と思ってやると、上司は「そんなもん、規則の意味を考えろ!」「社会人としてのモラルだろ!」で NG になります。
上司は規則を順守させることも仕事のひとつですが、すべての規則が具体的に書いてあるわけではありません。その都度その都度、今の規則と具体的な行動に当てはめて、合否を決めないといけないのです。
そうすると、上司は必ず安全側に振ります。
へたに、リスクを取って、あとで、上司の上司に睨まれたりしても怖いですから。
●緊急時連絡先
たとえば、それぞれの部署で災害などの緊急時の連絡先(以下、「連絡網」)は作ってますよね。
連絡網を利用して電話連絡するためには、自分の携帯にその連絡先を入れておかないと連絡はできません。
緊急時なので、会社の携帯、PHSが使えるとは限りません。個人携帯に入れておけば持っている可能性が高い。
ということで、携帯に部の全員のメールアドレスと電話番号、住所を入れておいたら、携帯を紛失したとなると、会社としては情報流出事故として扱われて、「勝手に会社の部署の人数や連絡先がわかるようなことを形態に入れるな」と言われます。
「でも連絡先がわからないと連絡できないじゃないですか」
って反論しても、「機密保持の規則があるだろ!」でアウト。
どこまで拡大されるかは、時と場合によることもあるので、上司が最大に拡大解釈するより少し広く解釈するのがいいみたいですね。