かつての上司に「ちょっと時間をいただけますか?」と聞いた時によく言われたことがあります。
「いいかどうかを判断するから10秒で説明しろ」
で、説明をモゴモゴしようとしていると、「はい、時間切れ。出直してこい」。
今では自分が便利に使わせてもらってます。さすがに「出直してこい」とまでは、言えたことがありませんが。
■10秒で話せること
10秒というと、早口で喋っても3〜4文節くらいです。
ここで、上司がより詳しく説明を聞くかどうかを判断します。
「現在○○の問題が起こってまして、明日から緊急に出張しないといけません。ご承認をお願いします」
これをそのまま言ったとして、だいたい5〜8秒です。
ニュースなどで最初にニュースの概要を説明してから詳細な説明に入りますが(逆ピラミッド法といいます)、これも大体10秒前後ですね。
当然、上司としてもこう言った以上、上司も判断は即座に「くわしく」「そのまま進めろ」「待て」を言わないといけませんので、言った方も結構プレッシャーがかかるとわかったのは自分が使うようになってからですが。
いきなりやろうとしても、たいていはうまくいきません。
考えながらしゃべっていては10秒なんてあっという間。
事前に考えてないとできないんですね。
■目的、目標
何を考えておかないといけないかというと
・話す目的
・目標
です。
上司に話をしないといけない目的がまず明確であることが必要です。
・なぜ、今、それを話さないといけないのか
・なぜ、その「目標」が必要なのか
なのですが、後でいいのなら「今」でもなくてもいいわけですね。「今」である理由も必要です。
メールじゃダメなの?
にも答えられないといけませんね。
■10秒に短縮する
まあ、普通にサラリーマンをしていれば、この程度は日常茶飯事ですね。問題は、それを「10秒に圧縮して話す」というところ。
これが案外言えないんですよ。
長々と説明していいなら、自分が当事者であれば簡単です。
これを、知らない人に一言で言うのは簡単じゃあありません。
このセリフ、
「ちょっといいですか?」
職場ではこの言葉は禁句に近かったですね。
「××課長、現在○○の問題が起こってまして、明日から緊急に出張しないといけません。ご承認をお願いします」
いきなり、こんなふうに言ってました。
これなら、「わかった」で会話は終わりです。
これが長い場合だと
部下:課長、ちょっといいですか?
課長:うん、いいよ。なに?
部下:××(製品名)を今生産しているんですが…
課長:うん、それから?
部下:昨日、製造の△△課長から電話がありまして、××の生産でトラブっているらしんです。
課長:何が起きたの?
部下:よくわからないんですが、エラー○○が出て、ラインが止まったらしいんですよ。
課長:そりゃ大変だ
部下:よく原因がわからないんですが、どうも部品不良の可能性がありまして…
課長:なんで?
:
: (原因分析の技術的議論)
:
部下:それで、△△課長からすぐに出張で来てほしいと依頼がありました
課長:行けるの?
部下:先ほど、チケットは確認しまして、確保できました。
課長:そう。良かった。
部下:出張の承認を頂きたいのですが。
課長:じゃ、出張命令書を見せて
部下:これです
課長:ん。わかった。ハンコ押しとくわ。
部下:ありがとうございました。
なんて。
ゴールに行き着くまでに、10分位すぐたっちゃいます。
まあ、課長くらいの直属の上司なら、それでも話は聞いてくれますが、これが役員くらいの離れた人になると、廊下ですれ違いざま
「お、△△君、○○の件、どう?」
と聞きながら、歩いて行ってしまいます。
その瞬間に、
「はい。●●が××までになりました」
とか言えると印象はぐっと良くなりますよね。
相手が役員なら5秒が目標かな?
■練習と事前準備
で、この課長が何をしたかというと、出張命令書の承認印を押しただけ。
たしかに、必要な情報は部下から聞き出せたので、結果は良かったのでしょうけど、これが課長が会議に出かける前だったりすると、途中で、「ゴメン、これから会議だから、もう時間切れ」とかいう話になっちゃって、結局承認を貰えず、課長が席に戻ってくるまでじっと我慢するか、我慢しきれずに会議室に入り込んでいって怒られながらハンコをもらうかの二択。
※私は、後者が多かったです
身に覚えがある方が結構いるのではないかとおもいますが、いかがでしょう?
10秒で目的と目標を説明する
って練習と事前準備をするようにすると、もしかしたらお互いが幸せになれるかも。