よく物事は重要度と緊急度の2軸で判断しなさい、と言われます。
だからといって、
・社長が会議で言ったこと
・お客様からのクレーム
・プロジェクトで遅れているタスク
・部長からの質問メール
の重要度や緊急度は、比較に困ることがあります。
■判断の基準で数値化する
もともと数字になっているものなら、比較するのは単純に四則演算の話ですが、数字になっていないものは、まず数字にしないと比較のしようがありません。
でも、「社長指示はいくつ?」と聞かれても困ります。
基準がないから
です。
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なぜ、重要度、緊急度を決められないか、あるいは、重要だ、緊急だと感じないかというと、実は、基準がないからです。
たとえば、企業なら、収益に与えるインパクトが大きいとか、お客さまに与える影響が大きいといったことを基準とすると、重要度を決めやすい。
自分のことなら、家族に対する影響を第一の基準にする人もいるでしょうし、お金が重要なら金銭的な影響を、あるいは、名誉や知名度などを基準七する人もいるでしょう。
実はだれでも、基準は持っているのです。意識していなくとも、自分なりの基準を持って決めているものです。
ただ、そのことがしっかりと認識できていないと、実際の問題解決の場で、重要度や緊急度の決定に活かせません。
したがって、個別の問題の重要度と緊急度を決定するのに必要なのは、まず、その判断の基準を確認することです。
多くの場合、その基準は価値観がべースになっています。会社の場合は、リーダーがその判断基準を明示することです。
そうす九ば、重要度や緊急度を部下は決めやすくなりますし、それを繰り返しているうちに、社員の一人ひとりが、自社の優先順位、もっと言えば、価値基準を理解していくようになります。
小宮一慶(著) 『ビジネスマンのための解決力養成講座』
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ある人は、社長指示が3で、お客様クレームは4だといった。
でも別の人は、社長指示が4で、お客様クレームは3だという。
こういうのは、基準がちゃんと決められていないから、ということですね。
私がよくやる方法というのは、
1:品質に影響がありますか?
2:コストに影響がありますか?
3:日程に影響がありますか?
:
:
みたいに判断スべき項目をならべて、それぞれ1(YES)または0(NO)で数値化して、それを合算して評価値にするというやり方。
あるいは、それぞれの項目に対して
0:影響なし
1:多少影響あり
2:影響あり
3:強い影響あり
4:経営インパクトがあるほど影響あり
みたいな4段階評価にして、それを合算します。
これを各メンバーで出してもらい、そのトリム平均(上位1,2件を除いた平均)を出して、数字にします。
■基準は複数ある
重要度や緊急度というとどうしても曖昧になってしまい、人によって判断が異なるので、かならずみんなが合意できる数値化は出来ません。
なので、複数の数字を出してもらい、それを合計したり平均したりして、わかりにくくしちゃうんです。
そうすると、「まあみんなの総意だから…」みたいに曖昧な合意ができます。
単純に「社長指示」の重要度は3ですね。みたいに言っちゃうと、別の評価軸を持ち出してきて、「いやサラリーマンである以上、上司の命令は最優先でしょ」みたいになってしまい、議論は発散します。
議論が評価値で発散してしまうと、本来やりたかった優先順位付けや、業務分担の見直しなど議論の目的が達成できません。
関係者の複数の視点を盛り込んだように見せて、計算でごまかしちゃうことです。なんとなく感覚に合っていればそれでいいんですから。
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