2016年09月01日

目標は達成可能でなければならない




以下で引用する『マッキンゼー式 世界最強の仕事術』のマッキンゼーの仕事のコツでは2つのことが書かれています。

ひとつは、外向きの目標と内向きの目標を使い分けること。
もうひとつは、目標がどの程度妥当なのかを事前に調査しておくことです。


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●あくまで到達可能な目標を設定する
 ブロジェクトを構築するときは、コンサルタントとしてサービスを売り込む場合でも、社命で会社内の問題を解決する場合でも、力に余ることはしないことである。自分が到達できる明確な里程標を設定しよう。そうすれば、達成可能な目標ができて、クライアントを満足させられる。

マッキンゼーという組織は、チームが典型的な研究調査の期間中にどれだけのものを達成できるかについて、きわめて正確に割り出す能力をもっている。

優秀な ED は、クライアントとチームの競合する要求をきちんと均衡させることができる。

クライアントに対して、「われわれは X と Y をします。 2 もできるかもしれませんが、チームは疲労困備でしょう」と一 111 口い、その一方でチームには、「 2 までするとクライアントに約束したので、何がなんでもやり遂げなければならない」と言う。 ED はこうして、チームには限界ぎりぎりまで働かせ、それと同時にクライアントには支払額に見合った見返りと予期した以上のものを得ていると感じさせる。
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 :(中略)
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読者のみなさんが、問題解決のためのプロジェクトを構築するにあたって、マッキンゼーの経験からどのような教訓を引き出すことができるのだろうか。

社外のクライアント向けに提案書をまとめようとしているコンサルタントの場合なら、答えは簡単だ。自分や自分のチームの力に余ることは請け負わないで、最終成果が何であるかを知っていること、である。

オフイスに上司がやってきて、「ちょっとした問題があるのだが、君がチームのリーダーとなって解決してもらいたい」と言われた場合、あなたが引き出せる教訓は少し複雑になる。

軽い気持で任務を引き受けて、「了解しました」などと言ってはいけない。そんなことをしたら、みずから失脚の第一歩を踏み出したことにもなりかねない。

解決策を求めて大急ぎで動き出す前に、まず問題の大きさを探ってみる。これは、自分とそのチームが与えられた時間内に解決できるようなものだろうか。もしそうでなければ、時間を延ばしてもらうか、または上司と相談しながら問題を処理できる大きさに分割するべきで、後者のほうがより望ましい

分割した各部分の最終成果が、提案か、実施計画か、新製品の設計か、それとも何になるのかを考える。

目標に到達するにはどのような資源が必要になるかを考え、それらが与えられることを上司に約束させる。

こうしたことをすべて事前にしておけば、数カ月後に悲嘆にくれるようなことはない。

はじめにプロジェクトをきちんと構築することは、成功を保証するものではないかもしれないが、少なくとも正しいスタートを切ることにはなる

イーサン・M. ラジエル(著) 『マッキンゼー式 世界最強の仕事術
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■2つの目標


チームの目標として、表向きの目標と内向きの目標を掲げることがよくあります。

当然

  表向きの目標 < 内向きの目標

です。

これは個人でもやっていることで、「この仕事ならここまで出来るな」と思ったら、そこからちょっと安全係数をかけて、「ここまでなら可能です」という言い方をします。

多くの人は、これを「工数」ではやっているのではないでしょうか。

ようするに、「いつまでに出来る?」に対して「3日あれば可能だな」と思ったら、「一週間ください」とか。

でも、要求に対して変えられるものは、期間だけではありません。目標自体も結構変えられるものです。

本書『マッキンゼー式 世界最強の仕事術』では上司が新しい仕事を言いに来る場面が書かれていますが、その背景や目標の妥当性を検討せずに、上司の言ったことだけを丸呑みしてしまえば、目標も期間も、成果物の品質も変えられません。

自分で決めるためには、

 ・なぜその目標が必要なのか
 ・なぜ今なのか
 ・どのような方策(対策)があるのか
 ・要求される出来栄えはどのレベルか

を自分で考えて、目標が上司の合意できる範囲を検討しないといけません。これを検討すれば、目標は点ではなく範囲だということがわかると思います。

で、上司には、その最低限のレベルを提示しておいて、最大限の達成が出来るような計画をたてるわけです。
当然、そこに投下するべきリソースの量も勘案しないといけませんが。

こうしておけば、目標は達成でき、上司の期待(最初に約束したレベル)も超えられて、高く評価されることになります。

間違っても、最大限の成果を約束してしまったら、小さなミスも命取りになります。
それは、努力目標にしておくいて、上司にはサプライズとして提供しましょう。






■参考図書 『マッキンゼー式 世界最強の仕事術



本書は、2つの貴重な意味を持っている。ひとつは、これまで謎に包まれていた世界的なコンサルティング会社マッキンゼーの仕事や組織、経営について、その一端を明らかにしていること。つまり、マッキンゼーそのものがテーマになった本である点だ。もうひとつは、彼らがビジネス経営問題をどのように解決するかを書いていること。つまり、世界中から集められた、きわめて優秀な「仕事師」たちの思考やテクニックを教えてくれている点だ。著者はマッキンゼーで3年間働いた元社員。そこでの経験と、同社を退職した人々へのインタビューから本書を書き起こしている。

本書の主要部分は、ビジネスの問題をどう考え、解決に向けてどんな方法をとり、そして解決策をどう売り込むかという、実際に彼らがコンサルティングを進める手順に沿って展開されている。いわゆる「マッキンゼー式」の真髄は、その最初の段階の「事実に基づき」「厳密に構造化され」「仮説主導である」という3つの柱で示されている。なかでも、問題を構造的に把握して3つの項目に集約させるテクニックや、まず仮説を立て、証明や反証を重ねながら正答に導くプロセスは、ビジネス思考の究極のモデルになるものだろう。

一方で、チームの編成、リサーチ、ブレーンストーミングの各方法や、「売り込みをしないで売り込む方法」など、すぐに応用できる実践的なテクニックも数多く紹介されている。多忙を極めるCEOに30秒でプレゼンする「エレベーター・テスト」や、毎日1つチャートを作るといったユニークなトレーニングもある。また、彼らのストレス対処法やキャリアアップの方法などもスケッチされていて、彼らの「生身」の側面をうかがい知ることができよう。

マッキンゼーの人々の仕事に対する思考やテクニックが、見事に描き出された1冊である。一読すれば、ビジネスにおける強靭な精神と、すぐれた知性の源泉に触れた気になるはずだ。






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マッキンゼー式 世界最強の仕事術
著者 :イーサン・M. ラジエル

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posted by 管理人 at 02:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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