人に何かを頼みに行った時に、「自分はよくわからないので…」とか「どうしていいか見当もつきませんので…」などと返される時があります。
他にやれそうな人がいるようなら、「そうですか」とあっさり引き下がりますが、他に頼めそうな人がいないときには、食い下がるようにしてます。
ただ、食い下がるにしても、この答えでは取り付く島もないので、取り付く島を見つけないといけません。
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●「見当もつかない」は暗号(ヒントを見逃さない)
ちょっとよく探ってみれば、だれにでも必ず何か考えがある。的を射る質問をいくつかすれば、相手がいかに知っているか驚かされるだろう。これに、経験に基づいた推測を併せれば、解決への道を確実に歩めるだろう。
だれかにその人のビジネスの何かについて質問して、「見当もつかない」という答えを返されたら、ただ黙ってすごすご退き下がってはいけない。「見当もつかない」は暗号なのだ。隠れている意味は、「忙しすぎて、そんなことを考凡る暇はない」か、あるいは、「そういうことがわかるほど自分は頭がいいと思わない」。最悪なところでは、「めんどうくさくて、役に立つようなことは何も考えない」だろう。
「見当もつかない」を認めてはいけない。チャレンジとみなすこと。
彫刻家が大理石の塊から象を彫り出そうと、象には要らない部分をノミで削り取るように、鋭い質問で「見当もつかない」を剥がしていく。
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:(中略)
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他の人の「見当もつかない」を認めてはいけないのと同様、自分自身がそう言つのも容認してはいけない。
ましてや、他人があなたの「見当もつかない」を認めてくれると期待してもいけない。
これは前の項の「わかりません」の裏面である。ふつうは、ちょっと思考やリサーチをすれば、質間や問題点について何かを知っているとわかったり、新たに発見したりできる。もちろん、チーム会議で居眠りなんかしなければの話だが。
イーサン・M. ラジエル(著) 『マッキンゼー式 世界最強の仕事術』
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本書『マッキンゼー式 世界最強の仕事術』には具体的な方法は書いてありませんが、コンサルタントはリサーチというのをよくやるので、こういう場面に出くわすことも多いのでしょうね。
自分のことを振り返ってみても、答えるのが面倒になったり、関わり合いになりたくない時などに「さっぱりわかりません」などと言う時があります。
もちろん、社内のことであれば、それについて多少は知っているでしょうし、単語くらいはわかっているでしょう。
それでも「わかりません」「自分は詳しくないので…」みたいなことを言うのは、ひとつは遠慮というか、悪く言えば「自己卑下」に近い場合もあります。
まずは、相手の心理状態を推測するところからやらないといけないみたいです。
■遠慮している場合
最初に遠慮している場合には、いわゆる「励まし」が奏効します。
「自分(依頼している側)がとても困っていること」「これがやれれば相手(依頼されている側)の評価にも繋がること」などを説明し、「あなた(依頼されている側)の協力が不可欠だ」と自己有力感を与えれば、「そこまで言われるなら」みたいに意思を翻してくれる場合が結構あります。
■避けている場合
逆に、「そんな相談を受けて巻き込まれるのは真っ平御免」と思っている場合には、本人の説得はかなり困難です。
もし説得できたとしても、途中で逃げ出されたり、足を引っ張られる場合もあります。
ですので、私の場合は、こういう相手は説得しようとしません。諦めます。
もちろん他に選択肢がない場合は別です。この場合には、本人ではなく、その人の上司に話を通したり、その人が影響を受けやすい人を探して、その人が受けざるを得ない状況を作ってしまうように方針を変えます。
単純に、「今は面倒くさい」「今は考えてない」程度であれば、より突っ込んで聞いていくか、場を変えれば、といろいろ話をしてくれるようになります。
たとえば、「今の社会情勢についてどう思うか」みたいに聞いても答えられなくても、「××の値段が上がるよね。ちょっと困るよね〜」と振れば、何かしらの意見はあります。話を分解すること、具体化することと、話を誘導することです。
コンサルタントのように、1面接30分とか限られている(分単位で数万円のお金がかかる…)と、結構難しいですが、同じ会社同士なら何度でも会う機会はありますし、1時間程度なら打ち合わせも可能です。いきなり答えを求めるのではなく、搦め手を使ったりして時間と人間関係を有効に使うことです。
■参考図書 『マッキンゼー式 世界最強の仕事術』
本書は、2つの貴重な意味を持っている。ひとつは、これまで謎に包まれていた世界的なコンサルティング会社マッキンゼーの仕事や組織、経営について、その一端を明らかにしていること。つまり、マッキンゼーそのものがテーマになった本である点だ。もうひとつは、彼らがビジネス経営問題をどのように解決するかを書いていること。つまり、世界中から集められた、きわめて優秀な「仕事師」たちの思考やテクニックを教えてくれている点だ。著者はマッキンゼーで3年間働いた元社員。そこでの経験と、同社を退職した人々へのインタビューから本書を書き起こしている。
本書の主要部分は、ビジネスの問題をどう考え、解決に向けてどんな方法をとり、そして解決策をどう売り込むかという、実際に彼らがコンサルティングを進める手順に沿って展開されている。いわゆる「マッキンゼー式」の真髄は、その最初の段階の「事実に基づき」「厳密に構造化され」「仮説主導である」という3つの柱で示されている。なかでも、問題を構造的に把握して3つの項目に集約させるテクニックや、まず仮説を立て、証明や反証を重ねながら正答に導くプロセスは、ビジネス思考の究極のモデルになるものだろう。
一方で、チームの編成、リサーチ、ブレーンストーミングの各方法や、「売り込みをしないで売り込む方法」など、すぐに応用できる実践的なテクニックも数多く紹介されている。多忙を極めるCEOに30秒でプレゼンする「エレベーター・テスト」や、毎日1つチャートを作るといったユニークなトレーニングもある。また、彼らのストレス対処法やキャリアアップの方法などもスケッチされていて、彼らの「生身」の側面をうかがい知ることができよう。
マッキンゼーの人々の仕事に対する思考やテクニックが、見事に描き出された1冊である。一読すれば、ビジネスにおける強靭な精神と、すぐれた知性の源泉に触れた気になるはずだ。
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