学生時代に、テストの直前に教科書の一部(公式や年号)を丸暗記して臨んだ記憶があります。
まあ、結果は「やってもやらなくても」状態だったような気がしますが、まあそれでも必死に覚えようとしていたことだけは確か。
テストの前だけですけど。
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カナダの心理学者アラン・パイボ博上と、ファイン・デスロッチャーズ博士は、大学生に、普通の丸暗記とイメージ暗記をやらせて、その効果を比較してみました。
すると、イメージで記憶したほうが、 3 倍も記憶力がよくなることがわかったのです。
パイボ博士たちは、言語学習をするときには、イメージがわきやすい「名詞」を先に教えるべきだ、と強調しています。
たとえば、「シマウマ」とか「ライオン」という言葉は、写真を見せればイメージがつかみゃすいので、子どもでも覚えられる単語です。
しかし「紛争」とか「博愛」という名詞になりますと、子どもに教えるのは厄介ですね。大人でも難しいと思います。
これらの抽象名詞では、イメージがわかないからです。学習効率の面でいえば、わかりにくいこと、イメージしにくいことはできるだけ先送りにして、理解しやすいこと、イメージしやすいことから先に記憶していくとよいでしょう。淑
そうすれば、「自分はこんなに覚えられる」という自信がついて、それが励みになるからです。、
ミネソタにあるサウスウェスト・ステート大学のチャールズ・ラインナート博士は、学生に 25 時間のイメージ訓練をやらせることで、知能指数を 20 点も上げさせることに成功しました。
学生たちは、人の話を聞くときも、文字を読むときにも、すぐにイメージが浮かぶように訓練を受けたのです。
すると、知能テストでよい点数がとれるようになったのでした。
たいていの記憶術の本を読むと、「イメージで覚えなさい」という話が、必ず出てきます。それには、このような理由があったのです。
イメージ訓練というのは、それほど難しくありません。太陽とか、川とか、山とか、チョウチョウとか、とにかく何かの対象を決めて、それを心の中で鮮明に思い浮かべればいいのです。
慣れない人は、美術集や写真集などを見て、気に入ったものをモデルにし、頭の中でイメージする習慣をするとよいでしょう。
伊藤真(著) 『記憶する技術』
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「人間の脳は、右と左で得意分野が違っている」という事をご存知だと思います。
※機能が違うわけではなく、得意分野が違うだけなので、一方がダメになるとある程度は補えるらしいですが。
で、この2つの脳の橋渡しする部分に障害があると、「見ているものが何かわからない」とか「言葉を文字にできない」そうです。
人間は画像と論理を結びつけることで、それを入出力しているわけですね。
これを無理やり結びつけるのがイメージ記憶です。
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そこでこのローマ人が、一足のサンダルを買うこと、剣をとぎに出すこと、新しい奴隷の召し使いを入手すること、剣を手入れをすること、へルメットを磨くこと、子供と話をすることなどを記億したいすると彼は、ただこんなふうに想像することによってすべてを記億するだろう。
彼の想像の部屋の入口のところの最初の円柱に、何千というサンダルが花飾りふうに掛けられており、サンダルの皮はピカピカに磨かれていて、決い香りが鼻をくすぐる。剣は右手の円柱でとごう。とぎながらこすれる音を聞き、だんだん鋭利になっていく刃ざわりを感ずる。召し使いは、ウオーッと吠えるライオンにまたがってやってくるし、一方、けい香りを放つぶどうは、すてきなギリンア彫刻の全身に巻きついたぶどうづるから、実もたわわにたれ下がっていて、本当によだれが出るほどながめたり、味わったりする。へルメットは想像上の花盛りの植物の鉢をそれに見立てて想像することができるし、さらには話し合いたいと思っている子供を抱いてソフアーに腰をおろした自分自身の姿を想像することができる。(カラー口絵を参照のこと)
トニー・プザン(著) 「記憶の法則」
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こうすることで覚えたい事柄のキーワードが画像になって頭のなかに入ってきます。
もちろん、完璧ではありませんが、意外と覚えてます。
これまた学生時代に、テスト問題で、「あ〜。これ教科書の右のページの中段あたりに書いてあったよな〜」と思い出すことがあったと思います。教科書を画像として記憶しているからそういう思い出し方をするわけです。
これをもう一歩進めれば、単語を画像化してしまえば、イメージと単語が結びついた記憶ができるようになるということです。
■補注:記憶の法則
トニー・プザンの「記憶の法則」を引用しましたが、残念ながら新品はネットでも入手できないようです(初版:1991年)。
本書はまだ「マインドマップ」が有名にならなかった時代のプザンの著書で、マインドマップはこの発想から生まれています。
記憶術について歴史を紐解きながら、具体的な技術を解説しており、個人的には名著だと思っていますが…。残念。
ということで、本書「記憶の法則」は図書館にならあると思いますので、ぜひそちらから。
いちおう、アマゾンと楽天にあった中古本のリンクを張っておきますので、ご参考まで。
※楽天の中古本はメチャ高! ちょっとびっくり。
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■参考図書 『記憶する技術』
記憶力は、一生、鍛えることができる。
司法試験界の「カリスマ塾長」として知られる、「伊藤塾」塾長の伊藤真氏は、こう断言する。
日本で最難関の試験といわれる司法試験に合格するためには、膨大な量の事柄を覚え、それを使いこなすことができなければならない。
60歳を過ぎてから勉強を始めて、合格する人もいる。
その人たちは特別なのかといえば、そんなことはない。
「記憶する技術」をもっているかどうかである。
それはたとえば、記憶を効果的に定着させたり呼び覚ましたりするためのコツや、記憶する対象に関心をもつといった意識のことである。
本書では、これまで多くの塾生を指導してきた中で、また著者自身が実践してきた、「記憶」を自由自在にコントロールする方法を伝授する。
●関連 Web
記憶力を養えばストレスフリーな生活が!伊藤真『記憶する技術』
『記憶する技術』天狼院書店
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記憶術:利き手を使わずに書く
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目次
「覚えられない」は本当は必要としていない
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