「このやり方はおかしい」「ちょっといいアイディアを思いついた」っていうときに、上司や対応する組織に意見や提案を出したりすることがあります。
結局、こういう活動が実を結んで、評価が上がる(経験談)。
ところが、自分ではいくらいいアイディアだと思っても、関係者や責任者に聞き入れてはもらえず、不発に終わることも当然あります。
過去記事で書いたように、「言い方が問題」だったり、分析の仕方が違っている、根回しが不十分、などいろいろ理由があるのですが、根本的な所をついた「提案を受け入れてもらえない理由」というのがこちら。
■義憤は聞いてもらえるが、私憤は不快になるだけ
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自分の発言に対して、上司の顔が曇る。
そんな経験をしてきた人も少なくないのではないでしょうか。
似たようなことを言っているのに、曇るときと曇らないときがあったりする。
それは何が違うのか。端的にいってしまうと、「文句」と「意見」は違う、ということです。
単に自分が楽をしたくて、主張するのが、「文句」。
「今日はデートがあるのに、残業を命じられた」
「アイツの仕事は楽そうだ」
というのもそう。「私憤」といってもいいでしょう。
それに対して、この会社を良くしたい、みんなが働きやすい環境を作りたい、というのが、「意見」。
どちらがいいかというと、当然、後者です。
それは「義憤」だからです。部下が義憤で何かを言っているときには、上司も真正面から聞こうとします。「たしかにそれはいい考えだが、今は……」などと応じるかもしれません。
一方、私憤のほうは、「お前は何を言っているんだ」ということになります。
一人で愚痴を吐いて、この程度の人間なのか、と思われてしまうかもしれない。
この違いは、聞く上司の側も聞き分けなければいけないと思っています。
しかし、語る側も、自分が楽をしたいとか、不平等だとか、そういう私憤ではなく、会社を良くしたいという前提での意見を言うべきなのです。
岩田松雄(著) 『「君にまかせたい」と言われる部下になる51の考え方』
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これは読んだときに、ハタと膝を打ってしまいました。
■出発点は自分の不満でいい
大抵の問題点というのは、主語は自分です。
つまり、
・オレがやりにくい
・オレにとって都合が悪い
・面白くない
こんなとこです。だいたい、問題に気がつくっていうのは自分に不都合があるから気がつくのであって、他人の不都合なんて気が付きませんよ、普通の人は。
ただ、それを、「オレが面白くないからやり方を変えてくれ」と言っても、だれも聞いてくれませんよね。まぁ、こんな極端な言い方はしないでしょうけど、結構多くの場合こう言っているように聞こえるんですよ。提案を聞く側になってみるとわかります。
■世のため、人のために不満を言う
これを人に言うときには、「他人のため」「会社のため」と言い換えないと、相手は「そりゃ、オマエの都合だろう」ってことで取り合ってはもらえません。
江戸末期、食い詰め浪人たちが集まって、「天下国家のありよう」を議論し、決起したのは、決して自分の食い扶持がないからではないわけです。国家安寧のために必要だから、やむにやまれず決起したわけです。
提案するにしても、行動するにしても、「自分のために」ではなく「他人のために」「天下国家のために」我が身を粉にする覚悟を示しましょう。
少なくとも、門前払いを受けることはなくなるでしょう。
■参考図書 『「君にまかせたい」と言われる部下になる51の考え方』
立ち読み可 | ベストセラー『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』の著者岩田松雄氏の上司から信頼される部下になるための必須の51ヶ条。 「上司といまいちウマが合わなくて……」 「上司への報・連・相の仕方がよくわからない」 「うまく上司をコントロールして、仕事を上手に進めたい」 こんな風に思っている方もいるかもしれません。 ザ・ボディショップやスターバックスのCEOを務めてきた著者も、もちろんかつては部下だった時代がある。 上に登っていく人は、実力を社内に示すだけでは不足で、上司からの信頼を勝ち取ることが必須。 著者が部下時代にどのように仕事や勉強に向き合っていたか、そして上司としてどういう部下なら引き上げたいと思うのかの本音がまとめられています。 |
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