メールはマナーとして「1メール1件」みたいに言われることがあります。
私は個人的にはそうしていたつもりだったのですが、あとで見てみると複数の質問をしているような場合もありました。
ただ、質問は、ひとつの案件について、複数個質問があったり、複数の提案を返したりするような場合です。
これについて、メールの特性から面白い解説がありましたので、ちょっと共有。
■メールは手紙
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●チャツトであって「私信」ではない
これはスカイプなどでも同じことが言えますが、チャットのいいところは「私信」ではないところです。
メールは「私信」なのです。 メールはデジタルであるにもかかわらず、「手紙」というアレゴリーをそのまま引き継いでしまっでいます。
「受信トレイ」や「アドレス」や「未開封」などといった表現にそのことが表れています。
「私信」の行き先は「相手のプライべート空間」ですから文面にも気をつかわなければなりません。
「突然のメールで失礼いたします」
「お世話になっております」
「よろしくお願いいたします」
などなどの表現は、コピーアンドペーストが繰り返し使われていることがわかっているのに、一向になくなりません。
「私信」ですから立て続けに出すものでもありません。「連続メールで失礼します」などという表現があることは、それをよく物語っています。
だから「1 メール 1 要件」という原則がそれなりに便利なのに、なかなかそうできないわけです。
「用事は 1 つのメールにまとめて送る」ということになります。
佐々木正悟(著) 『クラウド時代のタスク管理の技術』
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なるほどね〜。そういう見方もあったんだ。
ちょっと感心。
■複数案件を入れるとメールが遅くなる
この1メールに複数の案件を入れるのは、なぜ問題なのでしょうか?
ひとつはメールの論旨がわかりにくくなることだと考えます。
つまり、1メールに複数のテーマを書くと、1つの文章に複数の主張が入っているような文章を読まされたと同じように、相手が主旨を取り違えたり、混乱したりする場合が少なくないです。聖徳太子でもない限り、同時に複数のことは考えられませんので。
もうひとつが本書の続きに書いてありました。
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これは用事を頼む方が遅れてまとめて送信するという悪い慣習を助長します。用事をまとめるには、最後の用事が決まるまでメールしないことを意味するからです。
用事を頼まれる方は、タスクにかけられる時間を削られた上に、分解すべきタスクをまとまってメールされるという不都合に直面します。そのひとつのメールにいくつもの用事がまとめられているので、いくつの用事を済ませればいいのかがわかりにくくなります。
結果としてメールを開くことはストレスになるため、遅く届いているメールを読むのをさらに遅らせるという悪循環を招くのです c 一言でいえばメールは仕事を遅らせるのです。
佐々木正悟(著) 『クラウド時代のタスク管理の技術』
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簡単に要約すれば、メールで複数のタスクを依頼すると、返信はもっとも時間がかかるタスクの完了時間になるということですね。
全く同感。
■メールに複数の返事をさせていはいけない
メールが複数の枝葉ができそうなときには、
・電話で話をする
・ミーティングを設定する
のいずれかをするように注意してます。
また、最悪複数の枝葉がメールに入ってしまっても、回答をするのに短時間で済むものと、調べたり調整したりしないといけないものを混ぜてはいけません。これをやると、簡単にもらえる返事も全部ミミが揃うまで待たされることになります。
そういうときには、別メールにしたほうが、相手も返信を出しやすくなります。
■複数の質問があるときには、別々に返信する
逆に、相手からメールが来て、それが同時に回答ができないようなものだったら、すぐに回答ができるものと、時間がかかるものは分けて返信するか、電話・ミーティングをする旨の返信をするようにすると、お互いに仕事を止めずに済みます。
たとえば、
1.××は○○なのですか?
2.○○について調べてください
のようなメールだったら、1は即答できるでしょう。そうしたら、
1.については「はい」です。
2.については明日中に調べてご連絡します
と回答するようにすると、メールの滞留時間が短くなります。
メールをみるのが送信者にも受信者にもストレスにならないようにしたいですね。
■参考図書 『クラウド時代のタスク管理の技術』
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●本書を引用した記事
必ず手帳をチェックする時間を決めておく
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