時間管理で失敗する原因というのはいくつかあります。
原因がわかれば対策のしようもあるのですが、自分が原因でない割り込み仕事や浪費はなかなか改善できません。割り込み自体を減らすことは難しいのですが、その割り込みを受け付けるかどうかは自分の行為として判断可能です。
代表例として電話があります。電話はこちらの都合にかかわらず、いきなり「最優先で対応してくれ!」と言っているのと同じ。放置するわけにも行かないので出ると、ちょっとした要件プラスダラダラと続く背景説明や余談。
こういうのを拒絶するためには、自分への意識付けが有効です。
いま、「この話を聞くべきかどうか」で判断しようとすると、「相手の心証を悪くしないため」とか「コミュニケーションも必要」などという曖昧で判断基準のない理由が浮かんできます。そこに判断基準を持ってくれば、なんとでも解釈できちゃうので、その場の雰囲気でなんとなく浪費モードに入っていきます。
過去記事でも何度か書いてますが、基準とは測定可能でなければいけないのです。
■自分の課題を見つけるために測定する
自分への意識付けをするためには、定量的な情報と、定性的な分析を組み合わせて、自分のやり方の課題や理想を考えることです。
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一日の時間日誌を記録し終わったら、その日誌を分析する。次の質問は日誌分析の参考になるはずである。
・今日は何がうまくいったか?それはなぜだろうか?
・今日は何がうまくいかなかったか?それはなぜだろうか?
・最優先課題には何時にとりかかったか?それはなぜか?その気になれば、もっと早い時間にとりかかることもできただろうか?
・時間日誌からどんなパターンなり習噴が読みとれるか?自分にはどんな傾向があるだろうか?
・1日の最初の一時間を、重要なことにふりむけて有効に使ったか?
・どの時問帯が最も生産的だったか?それはなぜだろうか?
・どの時間帯が最も非生産的だったか?それはなぜだろうか?
・邪魔の大半は誰、あるいはどんなことによるものだったか?
・邪魔の理由は何だったか?
・その邪魔は、どうすればコントロールなり最小化なり排除なりができたか?
・今日の時間浪費の3大要因は何だったか?
・その3つはどうすれば排除できただろうか?
・価値の高い活動には何時間使ったか?
・価値の低い活動には何時間使ったか?
・今日やったことのうちで排除してしまってもよかったことは何か?
・もっと短い時間でそれなりの成果をあげられたはずの活動が何かあったか?
・もっと時間が欲しかった活動は何だったか?
・委任してもよかった活動は何だったか?それは、誰にか?
・明日は今日より上手に時間を利用するために、何かすることがあるだろうか?
メリル・E・ダグラス(著) 『「ダラダラ癖」から抜け出すための10の法則―集中力を最高にする時間管理のテクニック』
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本書『「ダラダラ癖」から抜け出すための10の法則―集中力を最高にする時間管理のテクニック』では、時間浪費のもっとも大きな原因として、
「ノー」といえるときに言わない
を挙げています。
なぜ「ノー」と言わないのか、それは自分の時間がどのようにつかわれているのかがちゃんとわかってないからです。
最低でも1週間、毎日ノートに上記の質問に対する回答を書いてみましょう。
できたら、習慣として、ず〜っと継続するのがいいですが、最初のうちはすごく負担なので、「一週間だけやる」とか「重要な設問に限ってやる」みたいな作業を軽くする工夫をするといいです。
■時間を分析するには、Excelで
過去に紹介した ManicTime などのトラッキングツールや、手帖などの時間の結果(予定ではなく)を記録した場合、Excel に書き移すことがオススメ。
Excel だと、やった作業の分類をいろいろ付けられます。
たとえば、作業が「○○のプレゼンのストーリーの作成」だったとすると、その同じ行に、「○○プロジェクト」「部門方針」「プロジェクト業務」「作業予定時間」などの目的や機能・理想などを書き出していき、いろいろな切り口でグルーピングしていって、それをピボットを使って、まとめてみることができます。
いろんなまとめ方をすると、ある傾向が見えてきます。
この作業はかっこいい言葉で言うと、「データ分析」です。
「あ〜。このプロジェクトにいっぱい時間をかけてるなぁ」
では何もわからないんですよ。切り口を変えることで、ある特徴を抽出して、その特徴の理想形を考えることが改善につながります。
数字だけではわかりにくいので、パイチャートにしてみたり、時系列の変化を追っててみたりと、可視化するといいです。
■グルーピングのネタ
事例として、私が定例的にやっているグルーピングをご紹介します。
私は自分の業務を
・部門の方針・目標に関する業務
・日常的な業務
・プロジェクト
・その他の付帯業務
・雑用・雑談(仕事とは関係ない…)
と大きくグルーピングして、そのグループ内は同じ色で、名前順(なんでもいいですが)で色の濃さで個々の要素を表現するようにします。
これでパイチャートを書いてみると、自分がどのような業務にどのくらいの比率で時間を使っているのかがわかります。
グルーピングしたら、そのグループでソートしておくとパイチャートが見やすいです。
■判断基準を作る
こうして、自分の時間の使い方の特徴が分かったら、もとの設問に戻ってください。
最後の設問
「より上手に時間を利用するために、何かすることがあるだろうか?」
はその後の行動を端的に表してますね。
より良い時間の使い方をするためには、「今どうなのか」「次にどう判断したほうがいいのか」が明確にしないといけません。
判断基準に合致しなければ、「ノー」をいいましょう。
■参考図書 『「ダラダラ癖」から抜け出すための10の法則―集中力を最高にする時間管理のテクニック』
「ハイ」と返事をしてもやらない、「その場しのぎ」の仕事をする、優先順位がメチャクチャ…なぜ仕事ができない人は「習慣的」に時間をムダにするのか?1980年の刊行以来、時間管理と仕事の進め方のコツを伝授する名著としてアメリカで読み継がれてきた超ロングセラーが登場。 |
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