2020年11月16日

会議が失敗する理由




会議の一つの形態である「ワークショップ」と言うものがあります。

日本では「体験型講座」みたいに理解されてますが、本来はプロジェクトにおける関係者の合意とコミットメントのための仕組みです。

本書『レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング』では、ワークショップについて、「ワークショップが失敗する理由」が書かれてますが、ここで言う「ワークショップ」は後者の意味です。




■会議が失敗する理由


ワークショップ(会議)が失敗する理由について、書かれている部分を引用します。

★P152〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

ワークショソプを成功させるには、進行を円滑に進めるリーダー(ファシリテーター)が必要である。うまくいかない原因は、以ドのような複数の要因が考えられる。

 ・プロジェクトの目的と到達目標が不明確である
 ・プロジェクト関連情報の社内告知の不徹底
 ・リーダー不在によるリーダーシップの欠如
 ・社内の抵抗勢力(派閥・部門)の存在
 ・上層部のバイアスのかかった方針の方的な押しつけ
 ・少数の反対意見の放置
 ・人的リソースの不足
 ・会議体の運営ノウハウの欠如
 ・ファシリテーターの経験不足
 ・ワークショップ企画段階での準備不足
 ・ワークショップ進行手順の想定誤り
 ・最終的方向性(「落とし所」)の欠如

プロジェクトによっては、これ以外にも不確定要素は存在する。これだけ多くの不確定要素を抱えながら、ファシリテーターはワークショソプにおいて、一定の成果を期待されるのだ。

高橋浩一(著) 『レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング
―――――――――――――――――――――★


失敗する要因が様々挙げられていますが、どれも「あるある」と思えるものです。

逆に言えば、これが必要十分なのかは若干疑問がありますが、この逆をやれば、会議は成功に導けるということだと考えています。




■ポイントは会議のファシリテーター


引用の最後のところに書かれていますが、会議でキーになるのは、ファシリテーターの存在です。

ファシリテーターと言っても、会議の最中にうまく発言を誘導するだけの人ではありません。

ファシリテーターの本当の仕事は「段取り八分」です。上記にあるような不確定要素をどれだけ段取りの段階で発見・排除できるかが、ファシリテーターの力量です。

まあ、少なくとも、ここに書いてあるだけのことに気を配り、問題が起きないようにするためにはどれだけエネルギーが必要なのかは、想像しただけでもクラッと来るくらいあります。逆に言えば、ほとんどの人がしていないということで、ちゃんとやれるようになれば、それは、仕事力の差別化要因になりうるということです。

プロジェクトをうまく進めている人は、たぶんこういうことに気配りしているのでしょうね。

あなたがもし、何かのプロジェクトを任されていたり、ファシリテーターを依頼されたりシたら、これをチェックリストにして、時々読み返してはいかがでしょう。

全部はやれなくても、少なくともあとで後悔することは少なくなります。
そして、結果を評価されたときに、「こいつはリーダーとして力量がある」と見てもらえるようになります。




■参考図書 『レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング





立ち読みできます立ち読み可
「着眼大局、着手小局」という言葉がある。「勝負を大局的に眺め、効果的な次の一手を打つ」という意味であるが、まさにビジネスパーソンに必須の姿勢である。本書ではとりわけ重要な「着眼大局」の手法であるシステム・シンキングを丁寧に解説し、真の問題を発見するスキルを養成する。

システムシンキングの6つのメリットは以下のものである。
 1.経営上の課題を大局的に眺める習慣が身につく
 2.複雑な要因間の因果関係を容易に把握できる
 3.問題解決のための重要要因を見出す能力を養える
 4.効果的なコミュニケーション.ツール
 5.アイデアメソッド(収東技法)としての活用
 6.ロジックツリーの併用による課題の体系的整理






◆アマゾンで見る◆◆楽天で見る◆◆DMMで見る◆

レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング
著者 :高橋浩一
楽天では見つかりませんでした
レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング
検索 :商品検索する



●本書を引用した記事
 ワークショップを理解する
 反対せずに異論を言う方法
 ストレッチ―少ないリソースで思わぬ成果を出す方法
 マインドマップソフトでループ図を作成する方法
 会議におけるファシリテーターの役割とは
 読書のアウトプットの増やし方
 マルチPC環境はVNCとTeamViewer
 会議が失敗する理由
 上司の言うことは全部やる
 お子様上司の時代


●関連図書
 最強組織の法則―新時代のチームワークとは何か
 システム・シンキング―問題解決と意思決定を図解で行う論理的思考技術
 なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?―小さな力で大きく動かす!システム思考の上手な使い方
●このテーマの関連図書


システム・シンキング入門(日経文庫)

本質思考:MIT式課題設定&問題解決

世界はシステムで動く――いま起きていることの本質をつかむ考え方





■同じテーマの記事

ゼロ秒思考5

今週は、『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』という本をご紹介しています。ゼロ秒思考とは、あるテーマについて、即座に必要なことを考えることが出来るような事ができるようなトレーニングを「メモ書き」でしよう、という本。マッキンゼーで長期間活躍した筆者が、「誰でも、確実に頭が良くなる方法がある」として開発し、広めているやり方。場所も、時間も取らない。わずか1分のメモ書きを繰り返して、・考えていることを明確にすること..

金曜日は飲みに行かない

新年会もひと通り終わりになって、夜のお誘いも多少、少なくなりました。以前の記事に書いたように、金曜日と週末は1週間、1ヶ月、3ヶ月と言った一定のスパンの振り返りをするように週次、月次などのレビュー/プレビューをしてます。週末は前の週を振り返り、翌週の段取りをする日ですので、1週間の効率は休日中に決まるといっても過言ではありません。例えば、30分位上の作業はスケジュー表に記入することを、これまた以前の記事でおすすめしましたが、そのスケジュールを調整するのは、この振り返り..

大切な物を置かないとなくさない

かつて、ちょくちょく車の鍵がどこにあるかわからなくなってしまうことがありました。一応、家の中で置くところが決まっていたのですが、「現時点、そこにはない」となると、家中を探しまわることになります。我が家には車は家内と共用なので、どちらかがどこかに置き忘れた。大騒ぎした挙句、車につけっぱなし…、などと。置くからなくなる本書『エンジニアのための時間管理術』では、こんなコツが書いてありました。..

自分を変える教室1

本日はビジネス書のご紹介。有名な本なのですでに読んだ方も多いのではないでしょうか。本書は「ちょっとモチベーションが下がっている」と感じた時に目次を眺めて、気になる所読んでみたりしてます。そうすると「うん、そうだよな」と思ってちょっとだけやる気が復活してきます。つまり、1回だけ読んで「ふ〜ん。ちょっとお勉強になった」と満足に浸るような種類のビジネス書ではなく、時々読み返してみて、「今自分がぶつかっている問題はこういうことなんだ」と..

面接練習をする

私が上司として部下を昇進・昇格面接に推薦した時には、「面接練習」なるものをやるようになりました。大体の中途面接の場合、親切な人財紹介会社なら、一度は面接の模擬練習をしてくれるそうです(伝聞なので確かではないです)。ただし、人材紹介会社も相応に忙しいので、十分なフォローをしてくれるわけでもない。ただ、少なくとも私の場合は、推薦した以上は、合格して欲しいですし、あまり不合格が続くと、私の推薦能力にも「?」がついちゃうので、結構徹底的に練習をしてもらってます。..

選択肢を多くするとカスを選ぶ

多数の選択肢は失敗のもと誰にでも、こういう経験があるはずです。新しい仕事に就くと、たちまち山のような事務手続きに追われ、たくさんの重要な決断を迫られます。退職金制度に加人するかどうかもその一つで、これは給与の一部を天引きして役資ファンドへ回し、後から支給を受けるという制度です。加人を決めると、ふつうは、さまざまなプランのなかから自分に合ったものを選ぶことになりま..




posted by 管理人 at 04:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 会議術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック