2016年12月01日

プレゼンの原稿は作っても読んではいけない



会社でよくプレゼンをする機会があります。
ウチワのプレゼンなら原稿は用意せずに PowerPoint の資料だけ用意して、そこに書いてあるキーワードや図の説明をしながらプレゼンをします。

ちょっと大きなプレゼンだと、事前に原稿をつくり、原稿を読みながら練習をします。が、本番のときには原稿は持っていかないことにしています。




■プレゼンで原稿を読んではいけない



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●原稿の丸読みは相手にとって退屈なだけ
一部の政治家のように、下を向いて原稿を丸読みするのは絶対にやめておきたい。

その理由は 2 つある。

ひとつには、聴衆とのアイコンタクトができなくなること。アイコンタクトは、親密性や共感性を高めるための武器である。その武器を自分から捨ててしまうことになるからだ。

もうひとつは、原稿を読んでいると身ぶり手ぶりを交えたパワープレイができなくなる。身体的な動きのないプレゼンはひどく退屈である。神経言語学で明らかにされているデータによると、人間は聴覚より視覚に優れている。

したがって、言葉に気をつけるよりも、身ぶりなどの視覚的なアピールを心がけたほうが、相手へのインパクトは大きくなるのである。

ちなみに、マイクが移動式なら、演台を離れて全身を観客にさらして話すと迫力が出る。

プレゼンでは、片手にマイク、片手にポインターを持っスタイルが望ましい

ポインターをさかんにいじりながら話す人がいるが、これは神経質そうなイメージを与えてしまう。ポインターはうまく使えば効果的な小道具になるが、使わないときは演台に置いて身ぶりを増やすようにしよう。

原稿や構成を考えないで、いきなり発表するのは無謀である

ただし、きちんとした原稿を持っていくと、どうしてもそれを丸読みしてしまいたくなってしまう。

そこで、原稿を箇条書きにしたメモを作って、それをプレゼンに持参しよう
そうすれば原稿を丸読みすることもなくなるだろう。

内藤誼人(著) 『図解 3秒で相手を操る!ビジネス心理術事典
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TED ってご存知ですか?

もしご存じなければ、以下を参照。

 TED――Wikipedia

著名なスピーカーがいろいろなテーマでスピーチするものですが、このスピーチの仕方は大勢の前でプレゼンするときの参考になります。

ポイントは、本書『図解 3秒で相手を操る!ビジネス心理術事典』に書いて有ることと同じ。

体の動きを大きく見せることです。

会議室でプレゼンするときも、座ってマウスを操作しながら話をするよりも、立ち上がってレーザーポインタでディスプレイを指しながら話をしたほうが効果が高いです。まあ、ちょっと想像してみてもそうですね。




■原稿を読まずにプレゼンする方法


原稿を読まずにプレゼンするには、

 ・キーワード・キーフレーズだけを資料に書いておく
 ・原稿を作って覚える(まで練習する)

ことです。

よく、プレゼン資料に読み上げる文章を書いておき(プレゼン資料に書いてあるのは文章だけ)、それを一生懸命読む人がいますが、2つ致命的な問題があります。

文章を書いておくと、プレゼンターは文章に縛られてしまって、書いてあることを読もうとしてしまうので、目線が自分のプレゼン資料に固定されてしまって、聞いている人とのアイコンタクトができません。聞いている人の反応も見えないので、その反応状況に応じて話の仕方を変えたり、強調したりができなくなります。

自然、抑揚のないプレゼンになって相手の心に響きません。

もうひとつは、読めばわかってしまうこと。
読み上げるより、目で文章を追ったほうが素早く読めます。つまり、次に言うことがわかってしまうので、聞いている人の興味が薄れます。

あとで読めばわかるのであれば、いま一生懸命聴く必要はないわけです。
なら、ちょっと手元の PC でメールでも見ながら…、とつい内職をしちゃう。

結局プレゼンに説得力がなくなります。

相手を説得して何らかの合意を得たり、アクションをおこしてもらおうとしてプレゼンしているのだから、相手を自分の話に引き込んでいかないといけないのに、これでは逆効果です。

だから、プレゼン資料には、キーワード・キーフレーズだけを入れておき、プレゼンを聞かないとわからないようにしておくことです。

ただし、あとで配布する資料には、「非表示スライド」としてキーメッセージを読み返すための資料としても使えるようにしておくといいです。

■かならず原稿を作る


私は、「ウチワのプレゼンでは原稿は作らない」と書きましたが、これは最近のこと。原稿は作らなくても話す順序はプレゼン資料を作った時点で原稿が頭のなかに出来上がるようになったからです。
※なので、同じ資料でプレゼンをすれば、言うことはほとんど変わりません。もちろん、相手の理解度が違えば説明の仕方は変えてますが。

もし、プレゼンに慣れていない、とか、プレゼンが上手くないとの認識があれば、どんなに小さなプレゼンであっても、かならず原稿を作りましょう。原稿を作って練習しておくと、プレゼンがスムーズになるので、説得力があがります。

たった5分のプレゼンでも原稿のあるなしではまったく違います

いちどためしに、原稿を作らずにプレゼンをしてみて、あとで原稿を作ってもう一度やってみてください。
絶対に後者のほうが、相手の反応は良いはずです。

ただし、本書『図解 3秒で相手を操る!ビジネス心理術事典』にかかれているように、原稿をプレゼン中に読み上げてはいけません。頭のなかに入れておいて、アドリブを混ぜてプレゼンするのが良いプレゼンをするコツです。




■参考図書 『図解 3秒で相手を操る!ビジネス心理術事典





立ち読みできます立ち読み可
自分を強く見せる・ホンネを見抜く・相手を自由自在に操るテクニック120。パワープレイ、スナップジャッジメント、パワーロジック、リーダーシップ、メンタルトレーニング、ブレイクスルー。最新データに基づいた、いま一番“武器になる”心理術を完全網羅。





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●本書を引用した記事
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 相手の態度から本音を見抜く方法
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 お世辞も言わねばサラリーマンは務まらない
 プレゼンの原稿は作っても読んではいけない
 命令か依頼か―リーダーとしてのメンバーとの付き合い
 ビジネス心理術辞典
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●このテーマの関連図書


ビジネス説得学辞典―交渉を支配する986の戦略・理論・技法





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