お世辞やゴマすりが人間組織の歴史からなくならないのは、それが効果があるからです。
「お世辞で上司に取り入る」というとなんだか聞こえが悪いですが、上司にうまく取り入っていかないとサラリーマンとしては仕事が続けにくいです。
上司に嫌われて、仕事がうまく行かなくなったという例は、枚挙にいとまがないですが、上司に好かれて仕事がしにくくなる、というのはたぶんそうそうありません(よほど持っているスキルとかけ離れた仕事を割り当てられない限り)。
■相手を気持ちよくさせる
人付き合いの基本原則は、「相手をいい気分にさせる」ことです。もちろん、アドラー心理学などでも言われるように、自分を捨ててまで相手に尽くすのでは本末転倒ですが、相手に好意を持ってもらえるのは、自分から相手に好意を示すことです。
その代表が「お世辞」や「相手の興味のあることに興味を持つ」ことです。
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●「お世辞」は、相手を気持ちよくさせる最強のテクニック
――人に嫌われるタイプは、他人を褒めることができない人である。逆に言うと、心から人を褒めることができる人は、決して嫌われないものなのだ。
アーカンサス州立大学マーケティング学科のカマルシュ・カマー教授とノーステキサス大学のマイケル・べイヤリンは、各種企業から 716 名のビジネスマンを対象に調査を行い、「あなたは上司によい顔を見せるために、どんなことをしているか?」と尋ねてみた。
その結果、ビジネスマンがよく使っている「取り入り」の代表例が、
・意見同調
・親切行為
・お世辞
の 3 つであることがわかった。
あなたに取り人られた当人は、きっとあなたのことを好きになるに違いない。
褒められて、親切にされて、イヤがる人はいないからだ。
言葉では「お世辞はやめてくれよ」と言うかもしれないが、心の中では「こいつはなかなかいいやつだ」と思うだろう。
ちなみにカマーとべイヤリンが明らかにした好印象を与えるための「取り入り」のうち、きわめて効果的なべスト 5 が左の例である。
さらに、上司への取り入りについては、テキサス州立大学ビジネス学科のサム・ゴールド博士とラリー・ペンレー博十が電話帳で調べた 800 社、 5000 名への調査によると、左の 5 つの行動が「給料アップ」につながっていたという。
こういった調査結果を見ても、お世辞というのはなかなか強カなテクニックであることがわかる。
言われた本人も、お世辞とわかっていながら亜心い気にはならないものなのである。
心から「やっばりあなたは素晴らしい人だ」と感嘆できる人ほど、上司への取り入りに成功する人といえるだろう。
内藤誼人(著) 『図解 3秒で相手を操る!ビジネス心理術事典』
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本書『図解 3秒で相手を操る!ビジネス心理術事典』で紹介されている、効果的な取り入り方は以下のものです。
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●上司への取り入り方法
・意見同調
「私も○○さんと同意見です」
「いや、同感です」
「ごもっとも」
・親切行為
盆暮れの届けを欠かさない
仕事を手伝う
・お世辞
「さすが」
「よく細かいところまで気が付きますね」
●好印象を与える取り入り方
・上司が笑えないジョークを言っても、心から笑ってあげる
・上司が自分で自慢に思っている性格や所有物を誇張して褒める
・上司がいかに他人に好かれているかの評判を教えてあげる
・上司がよいマンションを探したり、よい保険を探すのを手伝う
・上司を褒めるべき機会をつとめて探すようにする
●給料アップにつながる取り入り方
・ボスと同じスーツを着る
・ボスと同じ趣味を持つ
・ボスの興味に関心を持つ
・ボスに教えを請う
・ボスの目の前で頑張る
内藤誼人(著) 『図解 3秒で相手を操る!ビジネス心理術事典』
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本書に書いてある「ボスと同じスーツを着る」「ボスと同じ趣味を持つ」は、私はあまりオススメではありません。ボスが自分と同じ立場になろうとしていると警戒される危険があるからです。
一方で、「上司がよいマンションを探したり、よい保険を探すのを手伝う」みたいに、上司のプライベートに関わることを手伝うというのは、親近感を高める効果があります。
仕事の場では、上司のプライベートに触れる機会は少ないかもしれませんが、酒の席などで上司が、「最近○○をやろうとしててさぁ」と言ったら、「手伝わせてください」みたいにこちらから積極的に申し出ると、上司との距離を縮める効果があります。
ただし、都合のいい便利屋にならない程度に。
本書で紹介されたこと全部をする必要はないですが、一部だけでもすると効果があります。
何か言うのは、無料でできます。その上効果も高い。使わなきゃ宝の持ち腐れ。
■参考図書 『図解 3秒で相手を操る!ビジネス心理術事典』
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●本書を引用した記事
プレゼンの原稿は作っても読んではいけない
ビジネス心理術辞典
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