どうも脳は繰り返し考えたことは記憶に残るようになっているそうです。
■出し入れすることで記憶力が強化される
考えてみれば、会社に入るまでは、その業界のことなんてほとんど知りません。それなのに1年もすると、その業界でどんな会社があって、それぞれの特徴はどんなことなのかなんて、いちいち手帳を見たりしなくてもスラスラいえますよね。
極端な話、あなたの上司の名前、別に考えるまでもでてきますよね。
脳は繰り返し、出したり入れたりした情報をちゃんと記憶する力があるわけです。
何かを覚えようとしたら、これが必殺の手段。
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●わざと「休み」ながら覚えていく
何かの知識を得ようとして勉強するとき、ぶっつづけで学ぶよりも、少し間をおいて休み休みやるほうが、記憶がたしかになることがあります。
これを、心理学では「ヨストの法則」と呼んでいます。
記憶が頭の中に定着するには、少し時間がかかるのです。
頭に入れたからといって、それがそのまま知識として定着するかといえば、そんなことはありません。
むしろ、新しく仕入れたばかりの情報は、非常に抜け落ちやすくなっているとさえいえます。
どんどん新しい情報を入れようとすると、一般的には、最初に仕入れた情報と、最後に仕入れた情報だけが、頭に残るようになっています。
最初と最後のインパクトが大きすぎて、真ん中に覚えたものを忘れてしまうのです。
たとえば、「水、鼻、自動車、花瓶、書籍、除夜の鐘」という一連の単語を覚えなければならないとしましょうか。
これらを一気に覚えようとすると、たいていの人は、「水」と「除夜の鐘」をよく覚えますが、「自動車」とか「花瓶」を忘れてしまいがちになります。
それらが真ん中にあるため、記憶へのインパクトが弱いのです。
しかし、わざと間をおきながら覚えようとすると、全部を覚えることができます。
ヨストの法則によるわけですね。
一夜漬けで徹夜して勉強すると、最初のほうにやったことと、テスト直前に覚えたことだけははっきりと覚えているのに、途中でやったことをすべて忘れてしまった、という現象がよく起きます。
新しい情報をいつペんに頭に詰め込もうとすると、たいていはそういう悲惨な目に遭うでしょう。
新しい情報を記憶したいのなら、ある程度の「間」をおくことが必要です。
頭の中で、その情報が熟成されて、きちんとした知識になるまで、放っておく時間が必要なのです。
一夜漬けが失敗するのは、そういう「間」がないからなのです。
どのような試験を受けるにしろ、直前になってやった勉強は、ほとんど抜け落ちてしまうと見たほうがいいような気がします。
頭に定着するのは、時間をかけたものだけだからです。
なお、新しい情報を連続して覚えていこうとするときには、「20 分集中して、10 分休むという学習法が、もっとも効率がいいそうです。
これもやはり、心理学者のヨストが唱えている説です。
1 時間ほどつづけて勉強すると、ひょっとしたら、途中の 30 分くらいに覚えた内容を、すっかり忘れてしまうかもしれません。
ですが、 20 分おきにちょっとした休みをとって、それまでの 20 分で覚えたことを確認していけば、抜け落ちを少なくして記憶できるわけですね。
せっかく覚えるのですから、抜け落ちはできるだけ少ないほうがいいに決まっています。
連続して学習しようとせず、 20 分おきに立ち止まって、「さて、どれくらい覚えているだろうか」とチェックしていけば、記憶の抜け落ちを防ぐことができるのです。
伊藤真(著) 『記憶する技術』
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■覚えようとしたら、繰り返せばいい
明日、覚えたことのテストがあるとしたら、もう間に合いませんが、1年後の話なら簡単です。
毎日、繰り返せば1年後には暗証できる状態になってます。
何かを勉強するときも、1年かけて少しづつ勉強するのではなく、一気に勉強して、それを繰り返せばいいわけです。
ちなみに、このブログもテーマが決まると、それについて書かれた本をわりと簡単に探せます。繰り返し読んでいる本がほとんどなので。
もちろん、どこに書いてあったかは記憶にありませんが、「この本の、確かこんなフレーズだったなあ」とか「最初の方に書いてあったなあ」を手がかりに探し出して引用をしています。
もう記憶に残ってしまっているんですね。
で、引用する部分を特定するために、またその本を読むので、記憶はどんどん強化されていく…というループが回ってる。
記憶には「三歩進んで二歩下がる」がいいのかも。
■参考図書 『記憶する技術』
立ち読み可 | 記憶力は、一生、鍛えることができる。 司法試験界の「カリスマ塾長」として知られる、「伊藤塾」塾長の伊藤真氏は、こう断言する。 日本で最難関の試験といわれる司法試験に合格するためには、膨大な量の事柄を覚え、それを使いこなすことができなければならない。 60歳を過ぎてから勉強を始めて、合格する人もいる。 その人たちは特別なのかといえば、そんなことはない。 「記憶する技術」をもっているかどうかである。 それはたとえば、記憶を効果的に定着させたり呼び覚ましたりするためのコツや、記憶する対象に関心をもつといった意識のことである。 本書では、これまで多くの塾生を指導してきた中で、また著者自身が実践してきた、「記憶」を自由自在にコントロールする方法を伝授する。 |
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●関連 Web
記憶力を養えばストレスフリーな生活が!伊藤真『記憶する技術』
『記憶する技術』天狼院書店
●本書を引用した記事
記憶術:ガムを噛むと記憶力がよくなる
記憶術:視点を変えて繰り返す
記憶術:目をつぶり、暗唱する
記憶術:赤のサインペンで書き写す
記憶術:応用を考え自分の現実に当てはめる
記憶術:凝視する
記憶術:周辺情報を追加する
記憶術:同じような問題を繰り返し考える
記憶術:休み休み、繰り返し
記憶術:意味付けをする
●このテーマの関連図書
続ける力―仕事・勉強で成功する王道(幻冬舎新書)
考える訓練
夢をかなえる勉強法