複数の情報を書くときに、つい「以下の通り」って言葉を使いたくなります。実際にメールやレポートなどでよく見かけます。でも、これって冗長で、意味のない上に、「あとで説明するから」的な文章になってしまって、読みにくくなります。
これを使わないように文章を構成すると、読みやすいスッキリした文章がかけると思っています。
結構多用されているので、あまり気に留めていない人も少なくないみたいですが。
■説明は概要→詳細が基本
『ロジカル・ライティング』という本に、この事例が載っていましたのでご紹介します。
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●「マィホームコーディネート・サービス」の概要
「マィホーム・コーディネート・サービス」は、注文住宅建築をご希望の施主の皆様を以下のようにお手伝い致します。
Stepl : ご登録
ご登録票に必要事項とご要望をご記入のうえ、同封の封筒で弊社までご返送下さい。
Step2 : 建築士へのご要望の説明
弊社パートナーの建築士100 人の中から、ご要望に最も合う3名をご推薦し、家作りに関するニーズや思いを建築士に直接、お話しいただく説明会を設定致します。説明会には弊社のコーディネーターが立ち会い、ご要望が的確に伝わるようお手伝い致します。
SteP3 : 建築プランのご提案
説明会の内容を踏まえて各建築士が立てた建築ブランを、弊社が法規遵守を含め、建物の構造上の問題がないか、コストは予算内で収まるかを厳格にチェックします。チェック後に、建築士が建築プランをプレゼンテーション致します。
Step4 : 建築士の決定
ご提案したプランをじっくりご検討いただき、設計を依頼する建築士をお決め下さい。建築士との面談の設定、ご不明点に関する調査実施や疑問点に関するお客様の立場に立った客観的なアドバイスのご提供など、コーディネーターがご検討をサポートします。
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ぱっと読んだところ、なにが問題なのかわかりませんね。
でも、本書の修正例と見比べてみると理解できます。
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●「マィホームコーディネート・サービス」の概要
当サービスは、「品質もコストも満足できる注文住宅」をご希望の施主の皆さまがべストな建築士を選べるよう、家作りのブロがきめ細かくサポートする仕組みです。
Stepl : ご登録
ご登録票に必要事項とご要望をご記入のうえ、同封の封筒で弊社までご返送下さい。
Step2 : 建築士へのご要望の説明
弊社パートナーの建築士100 人の中から、ご要望に最も合う3名をご推薦し、家作りに関するニーズや思いを建築士に直接、お話しいただく説明会を設定致します。説明会には弊社のコーディネーターが立ち会い、ご要望が的確に伝わるようお手伝い致します。
SteP3 : 建築プランのご提案
説明会の内容を踏まえて各建築士が立てた建築ブランを、弊社が法規遵守を含め、建物の構造上の問題がないか、コストは予算内で収まるかを厳格にチェックします。チェック後に、建築士が建築プランをプレゼンテーション致します。
Step4 : 建築士の決定
ご提案したプランをじっくりご検討いただき、設計を依頼する建築士をお決め下さい。建築士との面談の設定、ご不明点に関する調査実施や疑問点に関するお客様の立場に立った客観的なアドバイスのご提供など、コーディネーターがご検討をサポートします。
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いかがでしょう?
Step1〜4の部分は変わっていませんが、冒頭に
当サービスは、「品質もコストも満足できる注文住宅」をご希望の施主の皆さまがべストな建築士を選べるよう、家作りのブロがきめ細かくサポートする仕組みです。
と概要が書かれています。
これなら、下の部分を読まなくても、だいたいどんなことが書いてあるのかわかりますよね。
これによって、読み手に全体像を植え付けて、そこから詳細に入っていくという「逆ピラミッド法」になっています。
■「以下に」を使わないためのポイント
「以下に」を使わないためには、本書によると辛抱が必要なのだそうです。
★P179〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
改善案では、冒頭で、建築士選定をどのようにサポートすーるのかを示している。この記述があれば、Step 1〜4 までの説明文を読まなくても、サービスの概要をつかむことができる。
ビジネス文書には、「Xは以下のとおりです」「Yは次のとおりである」という記述の下に、複数の記述が列挙されているものが多い。もちろん、読み手にすぐにエッセンスを種明かしするのではなく、複数の記述を So What? と自問自答しつつ読んでもらうことを意図しているならば構わない。
だが、その意図なくして安直に「以下のように」や「次のとおり」と表現するのは、第3章「本論の組み立て(2)」 でも述べたように、So What? 放棄だ。これでは記述.全体のエヅセンスは伝わらない。「以下」「次」が指している内容の要点を、So What? / Why So と我慢強く自問自答を繰り返して、言葉葉で説明をしよう。
照屋華子(著) 『ロジカル・ライティング』
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個人的には、「我慢して考えろ」と先述ではなく単なる精神論なので、あまり好きではありませんが、結局はそういうことなのかもしれません。
具体的には、「逆ピラミッド法で書く」ことだと考えます。
要するに、最初に概要を述べることで、この訂正文でも、そのようになってますね。
■参考図書 『ロジカル・ライティング』
マッキンゼー出身のコミュニケーションスペシャリととして、ロジカル・シンキングをベースにしたコミュニケーション術を一般に広める著者の代表的一冊。もう1冊は『ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル 』でこちらも名著。同名の本に、安田正氏のロジカル・ライティングもあるがこちらのほうが内容がソフト。
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ロジカル・ライティング 著者 :照屋華子 | 楽天では見つかりませんでした | ロジカル・ライティング 検索 :商品検索する |
●本書を引用した記事
接種理論:論理構造を図示してアンチテーゼを出す
報告書に必須の4要素:6.文字にして4要素を吟味する
報告書に必須の4要素:5.「反応」を引き出す
報告書に必須の4要素:1.概説
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